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国王。

ここからスーパーあっさりゾーンです

王城に入ると、タイミングよくホログラム国王が現れた。

多分見てたな。


「ようこそ、侵入者よ」

「どーも」

「その声は…グレーの国王"リカルタ"か!」

「その声はネコネコ王国の国王と見た」

「ツッコミどころ多すぎだろ!」


なんで四原色シリーズになる前から色名なんだよ!

ネコネコ王国ってなんだよ!

イエローの国王は猫獣人の方の名前知らないのかよ!

てか声で分かるのかよ!

やべえ!いっぺんに口が反応するせいで喋れねえ!



「元気にしていたようだな」

「そっちこそ。それはなんのマネだ」

「いや。なんか前の侵入者が一緒みたいだからね」

「クククッなるほどな」

「…双方、なんか初めて会った時から性格変わってないか?」


なんか、疑問点が多すぎる…まあいいか。

その内分かるだろ。


獣人国王は《窮地の構え》を維持したまま、追加で《範囲拡大》を発動。

対してホログラム国王は余裕の表情である。


やがて獣人国王が声を大にして叫ぶ。


「なに…城の中に居ないだと!!」

「は?」


城の中に居ないってどういうことだ。

このホログラム、結構遠くから飛ばしてるのか?

それとも映像か?


「ふふふ、気づいたようだな…そうだ、私は今その城には居ない」


映像ではなさそうだ。

であれば、なんとかなるな。《残留思念読取》の感覚を応用して…


思念の元を呼び寄せよ

「《原因呼出(リーズンコール)》」


直訳だがOKだ。この世界の詠唱は何故か直訳のものが多いからな。

ダサくはない。決して。



ホログラム国王は目論見通り呼び寄せられ、空中で実体化して重力に従って落下した。

ずしん、と音が聞こえる。国王は太っているわけではないため、純粋に高すぎたようだ。


「痛っ…貴様、何をした」

「いや別に?ホログラムがあったから、それの元を呼んだだけだ」

「ほろ…?まあ良い、完全に想定外だがこれしきで動揺する私ではないわ」

「そうか、それなら良かった《完全障壁(パーフェクトバリア)》」


僕はリカルタとやらの周囲に結界を付与する。

この結界は、指定の人物・物質を通すといった融通が効かない代わりに、物理・魔法・未解明スキル等あらゆる攻撃を防ぐ結界だ。

基本的に裏表はなく、自分の攻撃も阻まれてしまうのが普通の《完全障壁(パーフェクトバリア)》だが、《想像補助(アディショナルイメージ)》でどんな効果が付与されているのか、僕の攻撃やスキルは貫通する。

流石に獣人国王の攻撃は素通りしないだろうが。


最近は魔力の限界に興味があるので、いちいち全力を出しているが、今回もまた伸びたか。

値はまあ、今度の楽しみに取っておこう。

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