チートの優劣。
魔法とは
結界に当たる攻撃は決して弱くはない。
そう、弱くはないはずだ。
はずというのは、結界が攻撃に屈しているような雰囲気が皆無なのである。
なんというか、絶対防御という言葉がぴったりだろう。
巨大な火の玉も、致死攻撃となりうる風の刃も、総て結界のこちら側にこない。
結界無効化系統の能力者もいたようだが、その魔法自体をブロックするというチートっぷりである。
末恐ろしい。
まあ、結界攻撃特化系魔法は結界に対して強いのか、普通の攻撃よりは耐久力を削っているようだが全然足りていない。
これなら数週間補充なしでもいけるな。
「モモカ、隷属魔法に《反転》って効くのか?」
「多分。なんでも反転させられるから、「奴隷である事実」を反転させて開放するか、「奴隷の主が敵である」ことを反転させてあたしたちの奴隷にするか、っ召喚自体なかったことにできるよ」
「へぇ。結構便利だな」
「それほどでもー」
照れるモモカ。その能力はモモカに与えられたものであって、モモカ自身のものではないんだけどな。
それはそれとして、モモカの《反転》はクールタイムが対象ごとにかかる為、これで一気にクラスメイトを助ける。
まずは手前にいた†漆黒†くんを開放。本名は…忘れてしまった。
続いて、奥にいた魔法使いくん―名前は頭から消え去った―に《反転》。
ここで問題発生。
《反転》が効かなかった。
■鑑定:《反転》のクールタイム
術者である、イエローの魔法使いに対して8時間のクールタイムが課されています。
マジか。そっちにかかるんだ。
ところで、隷属魔法って欠点とか無いのか?
■鑑定:《戦力召喚》
戦力となる人員を召喚する。召喚された人には、隷属魔法を無効化する能力のない限り隷属した状態で召喚される。召喚人数に制限や指定はなし。魔力を合計で5000以上扱う召喚を特に「勇者召喚」と呼ぶ。
あー、なるほど。そういうことね。
ところで、魔力って貯めておく手段があるんだろうか?魔力5000なんて一人では出力できないと思うが。
その辺りは今は良いか。
開放していないクラスメイトに、魔力10万程をぶつけてみる。
「奴隷解除!」と叫びながらぶつけると、イメージが良かったのか魔力が多かったのかは不明だが、奴隷の紋章的なものが浮かび上がっては消えていった。
ゴリ押しでもなんとかなるもんだな。




