懐かしの仲間。
話の展開がすこぶる軽いぜ!
近年こういう小説が増えて、腹を立てて講座書く人がまたいらっしゃるみたいですね。
ちなみに直す気はないです。直したら、他の話も直せと言われそうですし。
声がする方向を見ると、勇者の一人が僕を指差しながら不思議そうな表情を浮かべている。
まあ、そうだろうな。今の僕は幼女姿だし。あ、ゲームプレイヤーという謎の種族だからアバターと呼んでも良いかもしれないが。
「せやで!」
適当な返事を返すと、他のクラスメイトもこっちをむいて驚愕の表情を浮かべ始めた。
なんだその珍しい生き物を見るような視線は。
そんなに信じられないか。
「ミライー?誰?」
「あ、モモカ。地球で、と言うか日本でのクラスメイトたち」
「へー…え!?」
モモカも同様の表情を浮かべる。
だから、そんなに珍しいかっての。
わりとテンプレだろ。
みんながざわざわしているところ悪いが、そういえば勇者召喚を止めに来たんだがな。
国王は居るかな。
覗くが、この周囲にはいないっぽいな。
《鑑定》先生も居ないって言ってる。
逃げたか?
そんな考えが頭をよぎるが、ないない、と一笑に付す。
国王が逃げれば、勇者をこちらにつけられる可能性がある。
つまり、国王には為す術がなくなる。
そこまでして逃げるか、と言われればそんなことはないと思う。
という仮定の元、国王を探すことにしたが、ここで超展開が待っていた。
国王が現れたのだ。
空中に。
いや、異世界だから空中に佇んでいるだけなら面白くともなんともないのだ。
しかし、あれは実態のない幻影。ホログラムだ。
つまり、国王は既に危険を冒さずに勇者を監視できるポジションを手に入れていたということになる。
ちょっと迂闊だったか。
流石に、王城に向かって正面突破くらい読まれるわな。
「よく来た、勇者たちよ」
…?あり?
隷属魔法の効果か、クラスメイトがそれに向かって尊敬の眼差しを送っているのは良いのだが、僕に気づいている様子がまるでない。
これはもしや、内部崩壊を狙えるコースか?いや、滅ぼしに来たわけじゃないんだが。
「さて、兵士から既に能力の説明は受けているだろう」
へえ。召喚したてに見えたけど、結構時間が経ってたのかもな。
多分いま聞いても答えてくれそうにないけど。
「君たちは、勇者として選ばれた人間だ。魔王に支配されてしまった3国を早急に浄化するんだ!」
はい!分かりました!と元気な声を上げるクラスメイトたち。
なんだこれ。隷属魔法は言うことを聞かせるだけであって、魅了系統の効果は無いはずなんだが。
常識にとらわれてはいけないのだろうか。
「よし、それでは城門をくぐって…て、おい!誰だお前は!」
「今気づいたのかよ!」
風圧で「パシン!」と小気味良い音がなるレベルの、全力のツッコミをしてしまった。
仕方ないじゃん、今更だもん。
国王はまるで通せんぼをされたかのように顔を真っ赤にしてキレ始め、
「勇者よ!手始めに、この無礼者を倒せ!」
と命じた。
クラスメイトは、「身体が勝手に…!」とか気づく奴も居たが、大抵のやつが「イエローの敵は勇者の敵!」とか言いながら突っ込んできた。
どうしよう。とりあえず結界貼っとくか。ついでに魔力を増やしてと。




