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献上の品。

街を歩いていると、よろず屋的な店があったので入る。

小さな店舗で、まるで屋台を路地に押し込んだような外観だ。


地球でいう昭和臭漂う店内は空間系の魔法で広げられているのか見た目よりずいぶん広く、大阪梅田に昔からあるビッ●カメラの店内を思わせる広さだった。

そこに、入口付近は近接武器、奥手の方には魔法関連や高額商品が並んでいるのが見える。

店内は日本みたいに白い壁にタイル調のすべすべの床だが、蛍光灯は流石に無いらしく、白熱伝統型の発光魔道具が等間隔に据え付けてあった。


すぐさま店員さんが飛んできて対応する。


「いらっしゃいま…あれ?その服装はもしや国外から?」

「はい、それが何か?」

「もしや…っ」


店員さんはその言葉を放つと、よく分からないが臨戦モードになった。

特段武器は構えていないが、暗殺系の武器か、あるいは魔法でかかってくることは充分ありえる。


どうやら後者が正解だったようだ、風属性系統だろうか、耳がちょっと痛くなるレベルの風切り音をビュンビュン言わせて、小型のつむじ風がこちらにやってきた。


「任せて!《反転(リバース)》!」


何で迎撃するのが一番かな?とちょっと悩んでいると、モモカが先にやってくれた。

それを見て、一番良い迎撃方法だったなと思う。

自分の攻撃をやすやすと返されると、相手は動揺するだろうしな。


予想通り、店員さんは同様―否、貧血かショックの影響か倒れこんだ。


「モモカ、《危険察知》を発動させながら様子を見てくれ」

「あれは《常時発動(パッシブ)》だから大丈夫!OK」


モモカが店員に駆け寄ると、床に魔法陣が浮かび、それと同時にモモカが勢い良く飛び退く。

発動まで若干のタイムラグがあるのか、魔法陣は数瞬のうちに光をましていく。


ふと思い立って、紙の鎧の《魔法反射》を発動させて魔法陣の上に乗ってみた。

魔法陣は一瞬で消え去り、代わりに店員さんの下に現れた。

無論、光り輝いたままだ。


店員さんは、まさか自分に返って来るなんて思いもしなかったのか、焦って範囲外に出るが、時既に遅し。

店員さんの片膝から下は、炎熱属性系の魔法によって消滅した。

すごいな。ドキュメンタリーで見た対人地雷もこんな馬鹿げた威力じゃなかったぞ。





その後、僕が彼女の(意識してなかったが女性だった)怪我を治すと、彼女は怯えて

「この店のどんな装備でも差し出します、なので見逃してください」

と、THE☆土下座で命乞いを始めた。


最初から命など取る気もないので、とりあえず当初の目的であった装備品を揃えることにした。


まず、アルトは新調したローブと今持っている装備品でOKとのこと。

モモカは、パッチワークの服より性能の良い装備があったら欲しいらしい。ついでに、クールタイム短縮系の効果がついた装備。どうやら《反転(リバース)》の待ち時間はクールタイムとして存在するらしい。


僕は、とりあえず「ぼくのかんがえたさいきょうのそうび」を揃えることにした。

とりあえず、店の奥から手当たり次第に商品を《鑑定》していく。


すぐにモノは見つかった。



■魔法少女セット(RB法)

最大物理耐久力:2000

累積物理耐久力:0 / 500000

最大魔法耐久力:5000

累積魔法耐久力:0 / 500000

重さ:合計1.0[kg]

▼付与

・付与引越…無属性の中級付与。付与を他の装備から簡単に移すことが出来る。完全な代わりに不可逆。

・演出…光属性の初級付与。装備時、攻撃や魔法に合わせてエフェクトを追加する。常時発動(パッシブ)

・装備恩恵…無属性の中級付与。装備品に覆われていない身体の部位に攻撃を受けても、装備品が肩代わりする。ただし、普通に覆われているところで防ぐのに対しダメージが倍になる。

・飛行…風属性の準最上級付与。空中を自在に飛べる。装備者に直に触れているものも飛行できるが、操縦は装備者。風属性系統の空中移動系付与としては、一番消費魔力が多い。

・装備者補正…無属性と空間属性の混合中級付与。装備者を、装備に合わせて補正する。かけ離れている場合は補正されない。



ふーむ。効果だけ見ると凄い装備だな。買いたくなってきた。

しかも、《付与引越》というおあつらえ向きの、初回しか役に立たないスキルまである。


ただし見た目はアレだ。よくあるオンラインカードゲーみたいに、露出の多い格好だ。

何故これで身体を守れるのか謎である。

まあいいか。僕は効果さえ高ければ見た目は気にしない。

仲間は減るかもしれないが、大丈夫だろう。


「店員さん、これいくらです?」


店員さんに持って行くと、一瞬怪訝な顔をしたが、すぐに先ほどの惨状を思い出して下唇を噛み始めた。


「いえ……お代は頂きません……」


了解です、とそう返事し、試着室で着替えてみる。

セット内容は、服とスカート、下着類、それと先端に星のついたステッキだった。

これを、なんのためらいもなく着替えていく。

この世界をゲームだと思い込み、更に「効果さえ強ければ見た目は気にしない」という精神が、信じられないような光景を作り出していた。


着替え終わったあと、ふと思いついて、つい膝上10cmくらいのミニスカートをめくってみた。

完全に女の子だった。これには驚いた。



補正し過ぎだと思ったのだが、補正の強さは装備者の魔力で決定する上、顔が変わってなかった(元々女顔だった)事を踏まえると妥当である――と《鑑定》先生に教えられた。

ただ、試着室を出た時に思ったのだが、身長まで変わるとは思わなかった。

160cm強から120cm弱まで縮んでいた。



これを2人に見せたところ、アルトは「かわいいぃぃぃ!!」と僕を抱きしめ、モモカは「VRとか、現実で本当に効果重視の人初めて見た……」と引いていた。


似合ってはいたらしいです。

勝手にTS入れて大丈夫なのか。

筆者の趣味だからおk。

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