ヒットアンドアウェイ。
友人が家に来てて、投稿してなくて焦った。
■ステータス(RB法)
名前:タツヤ
体力:4000 / 4000
魔力:1500 / 5500
■スキル
□固有
・光学術師…光を自由自在に操る。効果範囲は目に見えるだけ。目に見える範囲なら見えていなくてもOK。
・座標空間認識…空間を魔法無しで操れる。効果範囲は自分が知る空間総て。
□一般
・鑑定 Lv.2
・空間魔法 Lv.9…転移魔法などの、空間属性系魔法の上位。
・光属性魔法 Lv.30max
・結界魔法 Lv.5…無属性魔法のスキル化版。結界付与の効果レベル倍、結界の強度レベル倍。
付与スキルは無しか。
こっちは僕の《HP自動回復 Lv.2》とモモカの《状態異常無効》があるから、「これだけでも」チートなんだよな……
しかし、このスキル群ヤバいぞ。光と空間特化だから、こっちの聖光属性魔法が効くのかどうか分からん。
ちょっと撃ってみるか。
残り魔力は、相手は1500あるみたいなので、1500を込めてみる。
数値で意識して魔力を注ぐのは、最初は偶然出来ただけだったが、次第になれた。
……うん、ちょっと込めすぎたがまあいいか。
「《赤外光線》っと…どうだ?」
意識して細く強くしたレーザーは、その小さな現象に見合わない禍々しさを込めて放たれた。
文字通り光速で飛んで行くレーザーを、タツヤはすんでのところで逸らした。
「危なっ!お前、どんだけ魔力チートなんだよ!」
「桁が違うからな」
「クソ…さっきから結界も破れねえし…」
「え?」
結界を破ろうとしていると聞こえたので、急いで結界を確認する。
すると、確かに結界は不可視の攻撃を受けていた。
急いで魔力8000だけ補填すると、結界は元以上の強さを手に入れた。
「残念だったな」
「オーバースペックじゃないか」
「褒めても誰も出ないぞ」
「結界の中にいる奴だからこそのジョークだな」
お互いに牽制しあう。
牽制と言っても、睨み合っているだけなので実際には攻撃を受け続けているこちらのほうが分が悪いはずだ。
しかし結界は破れそうにない。
そう言えば――重要なことを思い出した。
僕らは、イエローの勇者召喚、もとい奴隷召喚を止めに移動していた。
そして、邪魔が入った。
――これって時間稼ぎ?
ちょっと敵に、やんわりと聞いてみよう。
「ちょっとタツヤくん、もしかして君時間稼ぎしてるの?」
「ド直球じゃないか!!」「「ストレート過ぎない!?」」
あれ?間違った?まあ聞けたし良っか。
「はぁ……なんか調子が狂うぞ…そうだよ、俺は座標空間認識のタツヤ、イエローの勇者召喚を成功させるため、お前らを邪魔しに来た」
「あー、ステータスに乗ってたアレか。座標空間認識」
「な!?何故だ!鑑定は総て弾き返しているというのに」
へー、ゲームスキルの《[VISUAL SHOT] 敵情報の表示》は鑑定と同種じゃないんだ。
どちらかと言うと、原作のゲームと同じで世界から目の前の人の情報を読み出してる感じなんだろうな。HDDの代わりに。
でもいいことを知った。ゲームスキルはスキル発動としても基本的に認知されないということだ。
いいことを知ったお詫びに、一瞬で始末しようと思った。
魔力を限界までチャージする。
2秒貯めて、魔力32000が程よく溜まった《赤外光線》をぶっ放す。
光を自在に操るの説明は何だったのか、タツヤは避けることさえ叶わずに一瞬で焼死体になった。
死体が残っただけまだマシだろう。
僕らは開いた異空間の扉から、遺体を残して飛び出した。
やっぱり、人の死体は精神衛生上良くないな。




