情報戦。
うーむ。
ご指摘を受けたが、どの話だろうか。
あれから僕らは尋問を繰り返したが、あまりにもネタを繰り返すので次第に力尽きて帰った。
後は、グリーン所属のプロが尋問してくれるだろう。結界も首輪もあるし、大丈夫だ。
情報の入手に国を経由しないといけないのが悲しい限りだが……
さて、どうしようか。
僕は元々何か目的があってここに来たわけじゃない。
転移の行動範囲を増やしたかっただけだ。
僕がどんな目的で転移させられたのかは不明だが、僕は特にこの世界に執着していない。
多分、選択肢は2つ。
1つ、帰る。2つ、例の転移(転生かもしれない)が来た方向に向かって移動。
うーん…正直、帰ってもな…という気持ちはある。
レッドは家じゃないし。
家はもっと遠いところだ。
僕は考えながら、女の子2人は周囲を見ながら移動していると、まるで逃●中のエキストラのようなタイミングの良さで噂が入って来た。
「聞いたかよ…イエローで勇者召喚されるらしいぜ」
「マジ?ソースは?」
「なんか、ギルドの冒険者が帰りに恨み言呟いてた。それで、相談に乗ったらそんなこと言われた」
「ふーん……まあ、俺達には関係のない話だな」
「それがよ…困ったことになるかも」
「どうしてだ」
「お前、召喚って言葉だけ受け取ってないか?今のイエローの勇者召喚陣は…」
「あっ!隷属魔法がかかった状態で召喚される!」
「そういうことだ。今は魔物も少なくないし、協力体制を取ってはいるがいつ裏切られるか分かったもんじゃない」
どうみてもエキストラさんです。ありがとうございました。
しかし国は3つじゃなかったのか。レッドで読んだ本にはレッドについてしか書かれて居なかったから、これで最後だと思ってしまった。
いや国とは限定してないんだけども、イエローという色名から察するに国だろうな。
エキストラ1号くんにイエローの場所を聞くと、予想通り年季の入った顔(意訳:渋い顔)をされたが馬車があることを教えてくれた。
いつ出ているのかも聞いたが、グリーン⇔イエロー間の行き来は他と比べて格段に少ないらしい。
定期馬車だけでも、ブルー⇔グリーン間は1ヶ月4本。それに対してグリーン⇔イエロー間は2ヶ月に1本。この差が分かるだろうか。
次の運行は1ヶ月後らしいので、商隊の荷馬車も調べたが護衛依頼などはなく、不発に終わった。
◆
常人なら、ここで諦めただろう。
彼は、常人とは異なっていた。
どう違うって?楽しみができたら、1ヶ月も待てないのである。
3人は歩いて出発した。
ただし、ルンルンしているのはミライだけだった。




