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警報発令。

木の上が神格化してますね。

宿(笑)

朝が来た。


木の上というものは本当に素晴らしい、眩しい陽の光が窓枠などという邪魔者に阻まれることなく直に差し込んでくる。

否―差し込むというよりは、もう普通に日が照っているだけである。


そんな素晴らしい(笑)朝を迎えた僕らは、いや特に僕だが、完全に失念していた。


「朝ごはん忘れてた…」


そんな言葉を聞いたアルトは信じられないという顔で僕を見て、モモカはあー…と納得したような風体。

僕は完全に忘れていたのだが、普通日本人は3食食べる。

それに対して僕は、一日一食しか食べてない気がする。


いやでも、護衛依頼中はご飯が振る舞われるから、その間だけはちゃんと食べていたわけか。

気づけよ。



そして朝ごはんの代わりに川の水を頂くご一行。

グリーンの中も探したのだが、朝食は普通各家庭かそれぞれの団体の寮で食べるのが一般的らしく、僕らには手が届かなかった。

いや、1人だけ


「お嬢ちゃんをちょっと貸してくれたら、奢ってやるよ!グヘヘヘ―」


とか抜かす奴が居たので家が潰れない程度にぶちのめしておいた。

え?心配するべきは家じゃない?

……あいつは変態の中でも耐久力が高かった、と言っておこう。



グリーンに入り直すと、真っ先にギルドに走った。

装備品は確か昨日のうちに全部買ったし、それでいい。


あと、ついでに言っておくと各国のギルドはあまり連携していない。

ただ、和平条約によってカードやランク制度だけ統一しているだけだ。


ギルドは、兵士人気が高いのでやはり兵士の方が多いのか、レッドやブルーに比べるとあまり混雑していなかった。

繁盛しているデパ地下ぐらいから、あまり繁盛していないデパ地下ぐらいまで人が……って分かりづらすぎる。

とにかく、空いている。


適当な依頼でも受けて、金でも稼いでくるか。そう思った時、

街中に響き渡る、けたたましいサイレンが鳴った。


「やかましいわああぁぁ!!」


僕の全力のツッコミも、隣りにいた2人には届いていないらしい。

ただ、心配そうな表情をしている。


鳴りっぱなしなら、新手の敵襲かと思ったのだが勿論音は鳴り止み、続いて男性の声で放送が入った。


「敵襲!魔物の軍勢が、正面門を出て右側から来ている!兵士及び冒険者は直ちに応戦せよ!」

「方角で言えやああぁぁ!」


なんだその「友達が玄関右手から凄い形相で走ってきた」みたいな紹介の仕方は!

軽すぎるぞ!


ツッコミに体力を取られてゼーハーしている間にも戦況は動く。

兵士たちは、まるで中学生の避難訓練みたいなノリで背後を歩いて行く。

冒険者達は、「腕がなるぜ―」とか言いながら歩いて行く、さながら遠足である。


「もう突っ込みたくもない……」

「大丈夫?ミライ」


しんどい……戦い自体よりこっちのほうが断然しんどい……

でもな、僕も冒険者だし行かねば。

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