グリーン到着。
指の調子の良くない時に書き溜めしたものです。
味方の増やし方が強引すぎる。
あれから1ヶ月。
どうやらレッドとブルーの間よりもブルーとグリーンの間ほうが離れていたらしく、時間はかかったがグリーンに着いた。
グリーンは軍事的な王国なので、閉鎖的な外観となっている。
まあ、軍事的と言っても、魔物相手だが。
グリーン周辺の魔物は非常に数が多く、強い個体も少なくない。
ということで、普通の冒険者は街中の道場で訓練してから外に出るか、他国で実戦経験を積んでからこの国の兵士となる。
兵士は不定期な仕事だが、冒険者より少し収入が高いので割りと人気がある。
なので兵士人気が高いという不思議な軍事国家である。
まあ、そんなシステムが築かれたのも、現在の国王によるものなんだとか。
王国は国王の趣向によって大きく国風が変わるから、警戒しないとね。
クレア商会の馬車に乗ったまま、先頭の商人が総て説明してくれ、いっしょに中に入る。
中は結構賑わっていて、街中に兵士などが常駐しているが警戒心はないようだ。
楽しそうである。
そういえば、例の「ルーパン」所属の女の子、モモカは僕が独自開発(ではなく適当なイメージを作ってみた)した魔法《檻》と《行動制限》で大人しくしてもらった。
今は目の前に出しているが、いつ逃げ出すかわからない。
「ごめんなさい…反省しましたから、許して」
「って言われてもな…僕としても、犯罪者を野に放つなんてことは出来ないし…」
「……私が犯罪を犯すような人に見える?この目を見て?」
「いや、見た目はそうなんだけど現行犯なんだよな…」
ああ、いや目の前に出すと言っても《行動制限》を緩くしたものはかけっぱなしだ。
緩くした方の魔法の効果だが、体力上限とその他身体能力を数値的に5分の1まで落とし、魔力を使用不可にする。更に僕の半径10m以内に出られない効果だ。
結構キツいと思うだろ?でもこうしないと、犯罪者って暴走するんだよな……
「この人でなし」
うん、若干言葉のナイフも飛んできてはいるが、まだ大丈夫だ、削れきってはいない。
さて、犯罪者は前世では警察にGOだったんだが、グリーンでは何処かな。詰め所でもあるのか?
とキョロキョロするが、以前不明なままである。
地図を見たり、町の人に聞いてみたりしていると、不意に大きめの魔力の変動を感じたので、ふと見るとアルトがモモカにかけた魔法を解いていた。
魔法解除系の無属性魔法でゴリ押ししたか。傍にあったMPポーションからも伺える。
だが、モモカは僕から逃げようとしない。
やっぱり、数瞬過ぎても何も起こらない。
モモカは僕のすぐ前にいる。
威圧もかけてないのに。
怯えているわけでもなさそうだ。
「……分かった、不本意だが見逃そう。何処へでもお好きにどうぞ」
そう言ったが、モモカは動かない。
いや、話し始めた。
「あなたは、帰りたいとか思わないの?」
聞かれた。でも、僕にはそれの明確な答えはない。
「別に。帰りたいとは思うけど、必死こいてやるわけじゃないし―」
「あたしは帰りたい」
彼女の強い視線は、決意を僕に示した。
「だけど、あたし一人じゃなにも出来ない。それこそ、盗賊ぐらいしか」
ノリノリだったという話だが…うーん、余りある矛盾はまあいいか。
「分かった。もう、勝手についてくれば良いさ」
「「ありがとうございます!」」
「……ん?気のせいか、返事が1人多かった気がするんだが」
声の方向を向くとアルトが、目をキラキラさせてこちらを見ていた。
何と言うか、「なかまになりたそうにこちらをみている!」という感じである。
意味は分からなかったが、味方が増える分には別にいいや。
僕は深く気にもとめず、2人を先導して歩き出した。
……ご都合主義を通り越して、不自然になってきたぞこれ。
反省してます。




