九死一生!
2人目の転生者。
また盗賊かよ(溺
あたしは藤田桃華、カタカナでモモカと呼ばれている。
チート転生後、盗賊稼業をしている。
なんでこんなことしてるかって?
簡単な話、割が良いから。
だって、一時の仕事だけで数十万よ?魅惑的でしょ。
転生後は転生地点が森のなか一人だったから戸惑ったし、焦ったりもしたけど、今は彼らと頑張って働いてるんだ。
もちろん相手は盗賊だから、最初は襲われそうになったけど、攻撃を思いついた魔法で跳ね返したら頭にしてくれた。実力主義なんだね。
初めはこの能力が普通だと思ってたんだけど、使っているうちに、なんか違うなって思い始めた。
それで、あーこれがチートってやつかぁと思ったんだ。
今の頭はあたしなので、作戦を考えるのも私。軍師的な人は昔居たらしいけど、前の頭に「気に食わない」って殺されちゃったらしい。かわいそう…
でも、あたしも相手を殺してるんだ。お互い様ね。
そう思いながら、ブルーから出てきた馬車を追いかける。魔法で高速移動してるので馬車と同じスピードで飛行可能。
うん、視界には写ってないからあっちからはバレてないはず。嫌な予感はするけど。
スキル《探索眼》を発動させ、死角から馬車を追いかける。
作戦としては、まず大半の盗賊で足止めして時間を稼ぐ。
そして後ろの警戒が甘くなった所を、あたしたち追っ手側が仕留める。そんな感じ。
その時突然「おめでとうございます!」という声が聞こえた。
驚いて一瞬地面についてしまったが、飛行を再開する。
今のは何?敵の罠?
すごく聞き覚えのある声…●んまさんか!
え?地球ネタ!?嘘っ!?
別の転生者か!ということは…依頼のランクA+よりはるかに強い護衛がいる可能性がある。
「ちょっと聞いて…向こう、かなり強い護衛を雇ってるかも」
「マジですか?分かりやした、警戒いたします」
よし、説明は済んだから…警戒を怠らずに追せk「阿呆~」どころじゃないし!
また!?今度は誰か知らないけど…イントネーションから関西系かな?
気にしてる場合じゃない、撤退の準備をきちんと整えておかないとあたしがやられる…
あたしがチートだからって言って、相手もチートだったらまともに勝負になってしまうかもしれないね。
それだけは避けないと!
っと、どうやら馬車がうちの仲間に足止めされたっぽいね。
急ぐよ!
馬車と仲間がはっきりと見え始める。
仲間の一人がなにか食らったみたいね、肘がちょっと切れてる。
と思ったら今度は仲間の前線が一斉に炎上した。
オレンジ系統の炎…何?《鑑定》!
■発動された魔法(新着順)
・聖火…人の罪を燃やす炎を指定範囲に放出する。罪は術者の正義に依存する。
これまた厄介な魔法ね…つまり、あたしたちも気づかれたら一発アウトかもって事ね。
あれは《反転》出来るか分からないし。不可視の攻撃とはね…
悠長に話す冒険者…「神」…?ぶふっ!
神じゃないっつーの紙よその装備!
その背後から仲間の盗賊が短剣で一突きする。
もらった…と思ったら、弾かれた。
え?《鑑定》!
■発動された魔法(新着順)
・物理・魔法両結界…物理・魔法攻撃を防ぐ結界を指定範囲に展開する。強度は術者の魔力依存。
・聖火…人の罪を燃やす炎を指定範囲に放出する。罪は術者の正義に依存する。
結界…ですと?
しかも両結界…こりゃ予想よりもヤバいかもね。
両結界は2つの攻撃を無効化出来る結界のことで、本来は特定の属性魔法2つだけを完全ブロックとか、属性制限がある代わり強いというものなんだけど…物理・魔法というチョイスからして狂ってる。
次にその紙装備の少年は、何事かを唱えている。
間違いない、あれは詠唱!
あたしは、追っ手仲間にもかけていた低空飛行の魔法を《反転》し、とっさに引く。
多分彼らは体を引き裂かれるような痛みに襲われてると思うけど、一瞬だし、あの中にいたら多分本当に―
流れ星が落ちてきた。《鑑定》。
■ERROR:上位の《鑑定》に自動で弾かれました。
鑑定不能ですか!たまには役に立たないですね《鑑定》先輩!
しかし見られないのかぁ…
…と考え事をしていたのが不味かったのか、例の光球が目の前に迫っていた。
回避!したはずだが、何故か追尾して衝突。
ズザザザザ…
バランスを崩し、思わず低空飛行の魔法を解除して地面を滑る。
最初に装備していた革鎧が結構すり減った…ショック。
ううー、諦めないからね!
あたしは目標となる荷馬車の最後尾を《探索眼》でマーキングした。
女の子の描写は難しい。
台詞は男女関係なく難しい。
→台詞率5%という悲惨な状況が改善せず




