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世界。

夢を見ていた。

ミライが地球に居た頃の記憶。


といっても、ミライに、いや未来(みらい)にそこまで強い思い出はない。

ありふれた軽ゲーマー男子高校生の日常だ。


いや、ありふれていると言うには少しおかしいかもしれない。

けどそれはそれ。いじめも存在しなければ、喧嘩の人も存在しない、簡単に言えば、平和な世の中だった。


政治的には不安定な時期を乗り切って、安定期に入ったところ。珍しく憂いのない、あるいは「激動の年」でない時期であった。



未来はミライの目の前に居た。

初めは信じられなかったが、これが夢なのだと悟ると、案外簡単に受け入れることが出来た。


ブレザーを着て眠そうな顔で授業を受ける未来。

他の懐かしいクラスメイトの顔は、霞んでよく見えない。

まるで白昼夢のような、霧の中に居るように錯覚する教室の中で、睡魔を呼ぶ授業は淡々と続く。


当然、魔法を使えないどころか存在自体知らない未来は、そのまま授業を受け続けている。

今にも眠りそうな自分を端から眺めるのは、中々貴重な体験だ。


広げたノートは白紙のまま進展しておらず、書き写された乱雑な文字が前のページに広がっている。

同じく、メッシュの筆箱を重しにして開いてある教科書はすっかり折り目がついている。


ある意味では不気味な、しんと静まり返った教室での授業だった。



黒板の文字は霧に阻まれて見ることも、何故か近づくことすら叶わない。

よく見回すと、ほとんどのものに靄がかかっていて見えない。


さらによく見ると、その靄はどんどんとその領域を拡大している。

まるで、この夢が侵食されるかのように。



ミライは魔法を使おうとした。

魔法に頼れば、ミライは何でもすることが出来た。


しかし魔法は発動しない。

ここは夢なのだ。

現実をかき混ぜ、歪ませる夢は希望通りになることもあればそうでないこともある。

ミライは魔法を使えなかった。


やがて霞んでゆく未来に、ミライは前に持っていた何かをまた、心に宿した気がした。

文字数も少なくなってきている;

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