ちわーっす。
なんか、瞬殺か敵わないかの二択になってるなぁ
風による、前世を思い出す安っぽい松明が両脇に並べられた通路を歩く。
足音はあまり響いていない。広くない空間のようだ。
既に僕のマップには中立の反応が表示されているが、それを敢えて2人には教えずに突き進む。
といっても、空間が空間だけにすぐに着きそうだが。
廊下は幾重にも曲がっており、狭い空間でなるべく長い廊下を作ろうとした製作者の意図がありありと伝わってくるが、やがてそれも尽きて、突き当りに出た。
突き当りには狭めの部屋があり、その中に一人の人が佇んでいる。
……というか。
「何故アニオタ!?」
ツッコミの風圧で廊下全体の床・壁・天井が鏡面仕上げされ、その細かい粉が僕らに降ってくる。
それを吸い込まないように気をつけながら、相手の方を見る。
……あ、アルトが大声にビビって腰を抜かしてる……
「……誰だ?お主らは」
やがて、訝しげな声が返って来る。
低めの男声。深夜ラジオで聞くと落ち着くアレだ。
怪しい人物ではないのか。
いや、しかし。
部屋の中に所狭しと並んでいるのは、どう見ても地球と同じようなアニメグッズ。
僕が見たことあるアニメは残念ながら少ないが、少なくとも知っているキャラクターは居る。
フィギュアが中心だが、ポスターなどもあるようだ。ハチマキやTシャツのようなグッズも地球では見かけたが、ここでは再現できなかったか、あるいはスペースがないのかこの部屋にはないようだ。
「地球のことを知っているとなると、生かしては帰れんな」
しかし、そんなことは敵はお構いなしのようだった。
マップ上の光点が、中立の反応から敵色に変わる。
どうやら本気で来るようだ。
まだ敵とは一言も会話をしていないのだが、物凄い超展開だな。
というかアイツは誰なんだよ。
「とりあえず、あんた誰?」
「我の事を知らぬと申すか……まあ良い。我は唯一にして絶対、魔王と名乗る者也」
「うわー厨二臭い」
「厨二病言うなゴルァ!!」
あ、怒らせたか。えらく短気だなぁ。
いや、気にしてたのか。まあ僕には全く関係のない事だ。
厨二病野郎を倒すのは簡単である。
何故なら、能力が実際にある・ないに関わらず詠唱が無駄に長いため、隙だらけなのである。
つまり、詠唱中にやさし~く攻撃してやればOK。
「いでよ、混沌の闇より現れsぐはッ!?ひ、卑怯だぞ!」
「今時詠唱とかないわー。遅れてるわー」
「なに!?無詠唱……だと!?がはぁッ!!」
あ、やり過ぎちゃった。
動かなくなったけどまあ良いか。
魔王(笑)




