脱出。
シリアス展開の一つも入れたい気分。
だって完全なネタではないし……
特段暑くもないが、寒くもなく、しかし快適でもない微妙な環境の中、僕は目覚めた。
寝起きは良いほうだと自負しているので寝ぼけている状態なんてものは存在しない。
二度寝はするけど。
さて、早速寝袋から出ようとしたところ、身体に何かが引っかかって出ることが出来ない。
そう言えば、昨日の寝る前には2人から抱きつかれていたなと思いつつ、状況の確認を行った。
結果、昨夜よりひどい状況になっていることが分かった。
機能は抱かれているだけだったが、今現在は完全に絡みついている。
寝ていて大した力は入れていないはずだというのに、抜け出せない。
ふと見ると、寝袋のアルトの居るところの上に小さな白に近い炎が浮かんでいるのを見つけた。
《鑑定》。
■火の玉
《聖火》によって作られた火の玉。ミライの魔力使用を封じる。
そこまでして抱いていたいかよ!
というか術者の正義に依存する性質ってこんな所にも使えるのか!
《聖火》が結構万能で便利な魔法ということは知ってはいたが、ここまでとは思わなかった。
自由に使える使役獣とかより便利じゃないか。この世界に使役獣が居るのかどうかは知らないが。
とりあえず、魔力による筋力強化すら発動できないのでそのまま絡まれたまま過ごそうと思う。
起きている時に封じる系統の魔法を使われると弾けるんだが、寝ている間に使われると対処できない。
なんか僕の能力、チートというよりは極振りのような気がしてきた。
という訳で、ほとんど身動きも取れない寝袋に戻る。
戻ると言っても移動距離はセンチ単位だ。
ほとんど移動できていない。
というか、この2人寝相が良いな。
抱いたまま転がってどっちかから離れてもおかしくないんだけども。
それか、中が良いのかな。
すると突然、太もものあたりから弱い刺激が走った。
「にゃッ!?」
思わずピクッと反応してしまい、変な声が出たので恥ずかしくて誰も見ていないというのに赤面して俯く。
なんだ今のは。
そう思ったが、単に彼女らが動いただけのようだ。
良かった、動くのは動くんだな。
しかし毎回思うがこの身体、敏感すぎるだろ。
戦うっていうのにこれはまずくないか?
魔法少女の服を作った奴は相当イカれてたんだろうな。
そんなこんなで日が昇った。
寝てただけなのに疲れたのは僕だけだった。
時間の流れがまちまちすぎるなぁ




