浮遊人間。
日もすっかり傾いて、鮮やかな夕日が王城に差しこむ今日この頃。
人形くんが目を覚ました。無表情のまま手足を動かそうとしているが、全然動いていない。
「やっと起きたか」
「……わるいひと?」
「うん、多分ね」
幼女のスカイの質問に答える。
この子、意外と賢いのか?うーん、まあ捕まってる人=悪い人か、貴族の子供なら尚更そう思うかな。
いや、誘拐とかもあるから一概には言えないか。
ちなみに、後ろにデルタ国王が椅子に座ってくつろいでいる。
既にモモカとアルトは街だ、外で異変が起こった時にいち早く出動することを口実にスイーツを買い食いしているようである。
ちなみに、マップに全部映っている。バージョンアップ―もといレベルアップでもしたのか、マップ表示可能範囲ならそこに自由に視点をおいて映像を視聴できるようになったのだ。
インターネットに引き続きえげつない情報チートである。
さて、浮遊人間に視線を戻すと、まだもがいているようだ。
ふと見ると、《物理超現象》の残り耐久力は1%未満しか変動していない。
ありゃりゃ、オーバースペックだったか。
「おーい……ん?転移は許さんぞ《呼び戻し》」
なんだか相手が逃げそうな予感がしたので、《条件司令》と転移の魔法を使用して自動で戻ってくるように設定する。
すると、半分予想通りで、半分予想外の出来事が起こった。
浮遊人間はひときわ大きく身体を動かしたかと思うと、それきり動かなくなった。
そして―謎の人間がここに転移してきたのである。
そう言われれば、転移のイメージの時に「相手が藁人形とか身代わりを使って転移を免れることを防ぐ」ようにしたけど、あれか?マリオネットか?
謎の人間は、外見と服装が中途半端なせいで性別が判別できないが、軽装で武器などは持っていないように見える。少なくとも、外から見える程度の大きな武器は現在装備していない。
その人間は立ち上がると、足を挫いたのか痛そうにしているがそこに目立った油断は見られない。
隙と見たミライは、忘れずに結界を張り巡らすと、一気に《圧縮光球弾幕》で畳み掛ける。
その瞬間だった。
ミライは、それを心の何処かで予想はしていたが、いざ現実に起こると開いた口がふさがらなくなった。
相手はまだ何もしていない。
していないというのに。
弾幕は総てノーダメージで防がれた。
相手のチートも描写しにくいなぁ




