準備。
スキルの組み合わせって便利。
再び赤くなってしまった草原にて。
「罪人に裁きを《聖火》」
どうやら、この血だけを焼くことが出来るようで、アルトの魔法により血を取り除いている。
スプラッタ草原とか名がついたらなんか嫌だし。
居もしない殺害犯を警察が追いかけるハメになるのも可哀想だし。
くすぶる聖属性の明るい炎。放っておいてもちゃんと燃え尽きるらしいので、僕らは一足先にネコネコ王国に帰ることにした。
といっても徒歩ではない。
《[地下の迷宮] オートマッピング》にネコネコ王国の位置が記録されているから、その記録を参照して転移するだけである。
実に簡単。味気ないし、行ったことがない場所には使用できないから帰還にしか使えないが。
一瞬で景色が切り替わる。僕としてはそこまで魔力を消費しているつもりはないのだが、実は魔力が高速化をしているのかもしれない。
まるでCMが切り替わるみたいな速さの転移に、モモカもアルトも言葉を失っている。
転移先であった正門前からネコネコ王国を見るが、今のところ被害はない。
ただ、宣戦布告でもあったのか慌ただしい感じになっている。
「おーいそこの冒険者さん」
「え?ここは危ないから、街の中に入ってな!」
「そうじゃなくて、宣戦布告でもありました?」
「お前スパイだったのか!?」
スパイ疑惑をかけられた。不本意だ。
だが、宣戦布告的ななにががあったのは分かったので、その場を離れる。
続いて海の方を見る。
大災害以来荒れているとのことだったし、海を渡った時も波が強いとは思ったが今はまるで都営プールかと言うほど波がない。
波や風は人為的に発生させていたのか?疑問が発生するが、今はそんなことを考えている暇はない。
目を凝らすと、水平線(この世界では、本当に平らなようだ)の先に影が見える。
人だろうか。遠すぎて分からないが、こちらに接近してきているのは確かだ。
先に攻撃しようにも、あれが攻めてくる人でない可能性があるため、確認できるまでは攻撃できない。
というか、防衛なのだから攻撃してくるまでは攻撃できない。
どうやらその影はそれなりに速いようで、パッと見て接近してきているのが分かる程度には速度がある。
存在を確認出来るだけだったシルエットがはっきりと見え出す。
それは、どうやら半透明の直方体のようだ。
僕の結界新幹線に近い。流石に強度は過剰ではないが。
水色で、空と海を背景にするとかなり見づらい。
さて、使ってないチート能力でも試してみますか。




