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今度はモモカ。

「ふむふむ……良いですねぇ」

「やめて……ホント見ないで……」


風呂に入った。

アルトがガン見してくるので怖い。

何が怖いって、なんかすぐ襲われそう。


僕の腕力は男の頃から変わっていないが、それでも冒険者であるアルトよりは格段に弱いため、すぐに捕まってしまう。

また、無詠唱で魔法を使えるとはいえ、イメージを完全に妨害するレベルで弄られたら魔法を発動できない。



「ミライ―、さっさとシャンプーしてきたら?ここの石鹸そう悪いやつじゃないよ?」

「それは知ってるって……!」

「あ、洗ってあげる」「絶対余計な事するよね!アウト!」


頼むから昼間のおとなしい感じで居てくれ。

いや、最近は昼間も深夜テンションになりつつあるかもしれないが……

気にしない。気にしない。



シャワーのところまで要所を隠した状態で歩き、色付き結界を展開して、《条件司令(リクワイヤメントコマンド)》によりアルトが触れると突風が発生するようにしておく。

これで一安心だ。石鹸を使って髪を洗う。


長くなった髪を洗うのは初めてだな。今まで風呂は入ったけど、髪を洗ったことはない。

適当にシャンプーを馴染ませつつ、洗い流す。

適当だけどこれで問題ないよな?あ、リンスが無い。オールインワンかな。


洗い終わった所で浴槽に戻る。

結界を解除して戻ろうとすると、まだアルトが居ることに気がついた。


どうしよう。

今何も隠してないんだけど。

どうしよう。


とりあえず、羞恥で気が遠くなった。





「おーい、大丈夫かー」

「はっ!僕は何を!」

「あ、起きた」


何か凄く思い出したくないことがあった気がするんだけど、覚えてないな。

とりあえず、目の前には朝日に照らされている僕を起こしていたモモカと、恍惚とした表情で寝ているアルトの姿があった。

うっ頭が……


「もう一回寝ようとしてるの?まあ良いか」


違う、眠いんじゃなくて辛いんだよ、と言いたかったが、突如別の刺激が身体に与えられる。


「くふふふふふふふ、にゃは、まって、やめっ!ひゃん!」

「起きるまで続けるね」

「だからっ!起きるって!言ってるじゃん!ふぃぅっ!」


必死に脱出しようともがくが、どうやら馬乗りにされているらしくてさっぱり動けない。

起こす気あるのか!?


「ホレホレーここが良いのかー?」

「にゃふふ、やは、やめてってっ!!」

「……ツッコミがないと寂しいね、腹いせにミライくすぐろう」

「なにゆえーー!?」



―モモカはくすぐりが拷問にも使われるって話、知ってるのかな。

結構苦しいんだからね。

こういう展開って、出し過ぎると良くないって聞いた。

今度からそうしようか。

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