小さな落武者
いつもは決まったお店でハイドのトリーミングをお願いしていた。
真夏のある日、ホームセンターで犬用のバリカンを見つけ購入する事にした。足裏の長くなった毛や、お尻の回りなど、家で出来たらと思い、少しだけカットするつもりで買ったのだが、あまりにも毛が伸びて暑苦しそうだったので、「この間、買ったバリカンでハイドのカットしてみようか?」なんて旦那と話しをして初めてだったがやってみる事にした。
プードルは毛が細く、絡まりやすい。毛玉が出来ると、もうどうにもならなくなり切るしかない。
また、毛玉を放置していると皮膚病になると聞いていた。
ハイドを台に乗せ、私が軽く押さえる。バリカンは旦那にお願いした。
素人がカットするんだから色々なカットは出来ないが、ある程度は短くは出来ると思っていたが・・・
最初はバリカンに7ミリのゲタを付け体を刈っていく。切れ味の良いバリカンなのか意外と上手く整った。
シッポも丸くボンボンが付いているみたいに可愛く出来た。
次は頭、ここが難しい。「ハイド動くなよ!」
ゲタを付けると時間が掛かるし、ハイドもだいぶ飽きてきているしノーマルの状態でやると言い出した旦那、
『大丈夫?ゲタがないと切り過ぎちゃうよ!』と言ったが聞かず、ハイドの頭をバリカンで「サーサー」とやり始めた。最初は遠慮気味にやっていて、このまま続けてたら可愛く仕上がったのに。
旦那の手直し・また手直しが・・・
これが落武者の始まりだった。
仕上がったハイドの頭の毛の長さは約3ミリ、フワフワ感はゼロ!
あまりにも頭の毛が短く平らになって落武者にしか見えなかった。ハイドだって、いつまでもジッとはしていない。あんな変な髪形にするなんて、私は旦那を恨んだ。
それからと言うもの、ハイドを見ると旦那は笑ってしまう。
『犬は・・・特にハイドは自分が笑われているの分かるんだから、ハイドの前で笑ったらダメ』と言い
もう2度と旦那にはバリカンでカットさせないと思った。




