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告白と涙の別れ

♪〜プルプルプル


私はまた誰かに電話をかけた。


「もしもし?」

「あ。もしもしお母様?」

「あら海李うみり。どうしたの?」


私はお母様に電話おかけたのだ。


「子供の頃私・・・陸の近くに行ったことある?」

「あるわよ。波に流されて・・・。もうお母さん達探し回ったのよ」

「そうなんだ・・・。ありがと!じゃね」

「バイバイ」



ガチャッ



私は電話を切った。


私・・・1回会ったんだ・・・。




♪〜ピーンポーン


家のチャイムが鳴った



ガチャッ



「はい?」


ドアを開けるとそこには裕樹ゆうきが立っていた。


「よぉ」

「何?」

「つめてーな。ちょっと歩かね?」

「いいけど・・・」


私達はまた海に向かった。



ザザーン



波の音が聞こえる。


懐かしい音・・・。


海李うみり・・・」

「ン?」

「昨日マーメイドに会ったんだ」

「え?!」


それは私だった。


「昔にあった奴と一緒だったんだ」

「それっていいことじゃん?」

「おぉ。そーなんだけど・・・」


裕樹ゆうきは下を向きながら話し始めた。


「なんかさ・・・俺そいつとはちがう世界にいるような気がして・・・」


・・・¨ちがう世界¨。


「だってさ、俺は人間でアイツは人魚。俺は陸にいてアイツは海。ちがうとこに住んでいて種類も違う・・・」


裕樹ゆうきは・・・」

「ン?」

「そのマーメイドのこと好きなの・・・?」


裕樹ゆうきは少し黙り込み、口を開いた。


「好き・・・」



ズキッ



私の心が痛んだ。


「ゴメン・・・。帰るね」


私は走り出した。


海李うみり!!」



バタンッ



私は家のドアをおもいっきり閉じた。


「・・・やだよ」


私は目に涙を溜める。


「どうしてなの・・・?どうして・・・」


私の目から涙が溢れ出した。


「どうして裕樹ゆうきの好きな人が私の人魚の姿なの?!」


私は泣きながら叫んだ。


・・・どうして人間の私じゃないの?!

私は人魚だけど、人間の私を見てよ・・・。


私はその日、泣きながら眠りについた。




次の日、

私が学校に行くために家から出て学校に向かった。


「よ・・・よう」


裕樹ゆうきが声をかけた。


・・・明るく笑顔で話さなきゃ!

裕樹ゆうきに罪悪感が・・・。


「おはよ。裕樹ゆうき!あれ?どうしたの?なんか暗いねぇ??一日の始まりは朝だぞー??」


私は苦笑いをしながら明るくふるまった。


「・・・そうだな」




教室に入った。


筆箱を見るとシャーペンに芯が入ってなかった。


「ゆうーき!!」


私は裕樹ゆうきの肩をトンッと叩いた。


「どしたんだよ」

「シャー芯ない?」

「あるぜ」


裕樹ゆうきはそう言いながらシャー芯を出した。


「はいよ」


私の手にシャー芯を乗せた。


「あ、ありがと☆」


私は笑顔で自分の席に戻った。



ガタンッ



裕樹ゆうきが大きな音を立てて立ち上がった。


「ちょっと来い」


裕樹ゆうきは私の腕を掴み、トイレの前へと連れて行った。


「お前さ、何無理してんだよ・・・?」

「え?な・・・なんのこと??」

「とぼけんな!!俺には分かるんだよ」

「・・・」


「なんでよ・・・」

「え?」

「なんで分かっちゃうのよ!!わざと明るくしてたのに・・・。裕樹ゆうきの前では明るくしてたのに!!!分かったら意味ないじゃない」


私はまた涙を流していた。


「なんでそんなに強がんだよ・・・」

「だって・・・」

「だって裕樹ゆうきが私のマーメイド姿に恋するからでしょ?!」

「え?!」

「おま・・・人魚だったのか・・・」



ハッ



私・・・言っちゃった・・・!


『人間に自分がマーメイドだとバレたら、陸にあがることすら、海上にあがることさえ出来なくなる


「私は・・・」




「私は裕樹ゆうきのこと人間の姿で好きなのに!!」



「え」


そう言ったとき、裕樹ゆうきは私をギュッと抱きしめた。



「俺が・・・人魚のお前が好きってことは・・・」




「人間のお前も好きだってことだ」




「ゆう・・・き」

「好きだよ」

「ありがとぉ」


私は涙が溢れて溢れてしかたがなかった。



海李うみり!!」


誰かが私を呼ぶ。


「お・・・お母様?!」


そこには人間の姿のお母様がいた。


「な、なんで・・・」

「あんた!正体ばらしたね!!」

「・・・」


「もう・・・帰るよ」


お母様が強引に私の腕を引っ張った。


「痛いよお母様!!」



バッ



その時、お母様が私の腕を掴んでいた手を無理やり放した。


「な・・・!?」

「お母さん!海李うみりが痛がってるじゃないですか!!」

「・・・」



「でもこれは決まりなんだよ」



「え?!」


「人間にマーメイドだってバレたらもうココには来れないんだよ」


「・・・嘘だろ」


「嘘じゃないよ!!」


私が口をはさんだ。


「じゃぁ海李うみりは分かってて言ったのか?!」


私は静かにうなずいた。


「なんでだよ!!会えなくなるのに・・・」

「言わなきゃ!言わなきゃ裕樹ゆうきは分かんなかったでしょ?」

「・・・」

「だから言ったの・・・。でも悔いはない・・・。もういいの。帰るわ裕樹ゆうき。元気でね」


私が歩き出した瞬間、



グイッ



裕樹ゆうきが私の腕を引っ張り、自分の唇と私の唇を重ねた。


「んッ?!」


裕樹ゆうきは私の唇を離した。


「じゃな・・・。海李うみり


裕樹ゆうきをフッと見ると、涙を流していた。


「ゆう・・・き」


「行くよ。海李うみり


私は無理やりお母様に引っ張られた。




裕樹ゆうき!!愛してる!!!!!!また会おうね☆」



私は大声で叫び、ピースした。


裕樹ゆうきもピースしてくれた。



・・・バイバイ裕樹ゆうき


好きだよ・・・。裕樹ゆうき






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