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悪の手先の風上にも置けぬ  作者: なおほゆよ
第3章 ラストバトル編
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正義を名乗る者は…

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『山荘


櫻井「まもるんジャーより人気なものがないなら、まもるんジャーになればいいんです」


佐藤「なるほど」


カトウ「確かにまもるんジャーの声ならみんな信じるな」


櫻井「俺は兄からもらったまもるんジャーレッドのブレスレッドを使う」


マヤ「私はお兄ちゃんから取ったまもるんジャーイエローを」


佐藤「私はもともと持っていたまもるんジャーピンク」


カトウ「俊から託されたまもるんジャーグリーンは俺が使う」


櫻井「あとはまもるんジャーブルーのがあれば…」


部長「あるぞ」


マヤ「どうして持ってるんですか?」


部長「こうなることを見越したのか…佐藤恵から渡された」』







櫻井 佐藤 マヤ 部長 カトウ「まもるんジャーファイブ!!」


議員「えっ?まもるんジャー?」


議員2「どうしてまもるんジャーがここに?」


議員3「しかしまもるんジャーレッドは中山卓では…」


櫻井「中山卓はまもるんジャーなどではない!!。まもるんジャーを利用しようとした偽物だ!!」


部長「それどころか、中山こそがショッカーを生み出した悪の元凶!!」


カトウ「故に我々はその悪の元凶を妥当すべく、ここに参った!!」


マヤ「皆様は戦闘に巻き込まれぬよう、避難してください」


佐藤「覚悟…中山!!」


その場にいたものはまもるんジャーの言葉の真偽はわからなかったが、とりあえず避難を開始した。







学校


クラスメート「えっ?なんでまもるんジャーが?」


クラスメート2「どっちが本物なんだ?」


その時、避難に巻き込まれてカメラが壊れたのか、中継が途絶えた。


クラスメート3「あ、映らなくなった」


クラスメート4「これじゃあどっちが本物かわかんないよ」


クラスメート5「でもさ、本物のまもるんジャーなら偽物に負けるわけないじゃん」


クラスメート6「それもそうだな」


クラスメート7「勝った方が本物ってわけだ」


先生「別にどっちが本物でも構わないが、反省文部科学省は作ってもらう」








あっという間に人はいなくなり、櫻井たち5人と中山、そしてメイド長だけが残った。


中山「…やってくれたな、偽まもるんジャーよ。まさかそういう手で来るとは思わんかったぞ」


櫻井「あなたに偽物呼ばわりされたくありません」


中山「だが…やることは変わらない。貴様らを倒してその正体を大衆の目に晒せばいい。お前たちは指名手配犯だ、正体を晒されては誰も信用すまい」


部長「だが、我々が勝てばお前は偽物となる」


中山「正義は勝つ、というが…古来より勝ったものが正義となった」


カトウ「俺たちは負けない」


マヤ「正義を名乗るのは私たちです」


中山「わが野望のために、死にさらせ!!」


櫻井「誰も死なせやしない!!」


マヤ「手加減はしません!くらえ、ヒーローブレイク!!」


マヤはヒーローブレイクを中山に向けて発動する。


しかし、中山の前に現れたメイド長が中山を守った。


マヤ「そんな…ヒーローブレイクをもろにくらって無傷だなんて…」


ヒーローブレイクを無傷で防いだメイド長は余裕そうな素振りをみせた。


その隙に、カトウが背後から接近する。


カトウ「どんなに丈夫であろうが…未来に飛ばせば邪魔はできないだろ?」


メイド長「そうね。飛ばせたら、ね」


カトウがメイド長にもう少しで手が届くところで、カトウは突如現れた半透明な壁にぶつかっり、跳ね返された。


カトウ「ぐはっ!!」


櫻井「あれは…」


部長「おそらくやつの能力なんだろう」


櫻井「バリアみたいなものか?」


メイド長「そう、これが私の能力よ。でもちょっと華がないと思わない?」


櫻井「ピグマの能力っていうんなら…SEAL!!」


櫻井はメイド長に手を向けて能力を発動した。


しかし、メイド長はすかさず飛び上がり、SEALをかわした。


メイド長「遅い遅い。でも遠距離から打てるようになったんだね、おめでとう」


部長「馬が将から離れてどうする?」


部長が中山に接近する。


しかし、中山の目の前に現れた壁がそれを阻止する。


中山「遠距離から発動できるのはこっちも一緒だ」


メイド長「残念でした」


中山「ついでに一つ、いいことを教えてやろう。お前たちが探してるお仲間はこの建物内で幽閉してる」


メイド長「もう衰弱し切ってるから早く会いに行かないと…死んじゃうよ」


マヤ「それが本当だという証拠はあるんですか?」


メイド長「別に信じなくてもいいけどね」


部長「…こいつらの言ってることは本当だ。いま能力をつかって確かめて見た。確かに俊と三谷はこの建物内にいる」


中山「和の能力か…」


部長「だが衰弱し切ってるということも本当だ。すまないが、私は探してくる」


カトウ「俺も行かなきゃ」


マヤ「ならここは一時撤退してみんなで探しましょう!!」


マヤが部屋を出ようとしたとき、またもや半透明の壁に跳ね返られた。


マヤ「きゃっ!!」


メイド長「残念ながら…すでにこの部屋には結界を敷いてるの」


中山「お前たちはもうここから出れない」


櫻井「だったら俺のSEALで…」


メイド長「あなた…目障りなのよね」


櫻井が部屋を覆うバリアに手を伸ばした瞬間、メイド長が櫻井の真後ろに現れた。


あまりのスピードにまるで対処できなかった櫻井は、メイド長が振り上げた腕に反応ができなかった。


櫻井は死を覚悟した。


しかし、その間に佐藤が現れ、メイド長の拳を素早く振り払い、蹴りを決めた。


メイド長は2、3m吹き飛んだ。


佐藤「みんなは探して来て。こいつは…私が食い止める!!」


櫻井「そんな無茶な…」


このとき、櫻井は佐藤が赤い蒸気のようなものを発しているのに気がついた。


佐藤「早く!!」


佐藤は怒鳴り、皆を急かした。


櫻井「そんな、佐藤さんを置いていけないよ」


部長「なら櫻井は残れ。私たちは瞬間移動でここを脱出する!!」


カトウ「頼んだぞ!!」


マヤ「死なないでくださいね!!」


部長たちは足元のワープマークから姿を消した。


おそらくはこの部屋に入る前に描いておいたワープマークに移動したのだろう。


メイド長「逃げられたか…」


中山「問題ない。いまのうちに2人にとどめをさせ」


メイド長「…了解」


一瞬、メイド長は悲しそうな顔を中山に向けたが、すぐにこちらに向き直した。


メイド長「たっぷり可愛がってあげるわ」


佐藤「………」


佐藤は無言でメイド長に飛び込んで行った。


メイド長「遅いわね」


メイド長は迫りくる佐藤に拳を繰り出したが、佐藤はそれを読んでいたかのようにかわし、メイド長の攻撃の勢いを利用したクロスカウンターを決めた。


またもや、佐藤の一撃はメイド長を吹き飛ばした。


佐藤「…なんか言った?」


メイド長「…やるわね」


中山「気をつけろ、おそらくこれも能力の一種だ」


メイド長「しかし、彼女の能力は…」


中山「そう、彼女の能力は5感を操る能力だ。例えば、視力を上げる代わりに他の感覚、聴力、触覚、嗅覚、味覚を遮る。一言に視力と言っても様々な種類がある。遠くをみる遠距離視力、見える範囲の広さの周辺視力。そして…動体視力」


メイド長「じゃあ、まさか…」


中山「そう、おそらくいまは動体視力を極限まで高めたんだろう。それによって、全ての動きが超スローに見えるのだろう。視界からの大量の情報を常人には処理できないほど早く、彼女の脳は処理しているのだろう。すなわみ彼女の真の能力は…情報処理能力の加速!!」


メイド長「では…あの赤い蒸気は?」


中山「あまりの情報量に彼女の頭がパンクして、熱を発する。その熱による血液の蒸発、といったところか…。明らかな許容オーバーな技だ。案ずるな、やつは放っておけば自滅する」


櫻井「そんな!!」


メイド長「かしこまりました、ご主人様」






部長「おそらく、こっちだ」


マヤ「おそらく?。さっきの能力で位置はわかったんじゃないんですか?」


部長「さっきの能力は正確に言うと、位置が分かる能力じゃなくて、対象者が見てるものが見える能力だ。これで俊が見てるものをみたとき、薄暗い部屋の窓からも旗が見えた。だからこの建物内にいると判断したんだ」


カトウ「なるほどな…」


部長「そしておそらく…窓から見えた角度的に…この部屋だ」


マヤ「さっそく開けましょう」


カトウ「俊!無事か?」


俊「カトウ…か。信じてた…来てくれると…」


部長「私もいるぞ、俊」


俊「薫…よかった…元の姿に戻って」


マヤ「しっかりして、お兄ちゃん」


三谷「強くなったな…マヤ」


カトウ「悪いけど、あんまり時間がなさそうだから…さっそく始めさせてもらう。俺の作戦通り…いまから二人を俺の能力でできる限り未来に飛ばす」


三谷「…未来に?」


カトウ「そう。成功すれば約10年後、正確に言うと9年と半年ちょっと、もっと正確に言うと500万分後の未来に飛ばせる」


マヤ「そんなことできるんですか!?」


カトウ「あぁ、なぜかわからんが、飛ばせると分かってる。ただ、確実にオーバーワークで俺の記憶が飛ぶと思われる」


三谷「しかし…未来にとばして…どうするんだ?」


カトウ「その間に、俺がお前たちを助ける方法を見つけ出す」


俊「…いいのか?」


カトウ「なにがだ?」


俊「つまりそれって…俺たちのためにお前の人生の10年を無駄にするんだぞ?」


カトウ「無駄なんかじゃねえよ。親父の研究成果は、けして無駄なんかじゃねえよ」


三谷「しかし…」


カトウ「はっきり言って…お前たちはついでだ。俺はどの道、将来ピグマを研究する道を選ぶ。親父の研究を無駄にしないため、そして親父を超えるために。お前たちを救うのは…そのついでにすぎないんだよ、だから…気にすんな」


俊「…ありがとう」


カトウ「いいんだよ。さて、じゃあ始まるぞ…二人とも、別れの挨拶しとけ」


マヤ「もう子供扱いできないね」


三谷「なんでだ?」


マヤ「だって…10年も経ったら、私の方が年上になるんだよ?」


三谷「…そうだな」


マヤ「お姉ちゃんって呼ばせてあげるよ」


三谷「…それでも、家族でいてくれるんだな」


マヤ「当然だよ、お兄ちゃん」






部長「私は待つからな、十年」


俊「俺にとっては、多分一瞬の出来事だと思う。だが薫を十年待たせるのは、心苦しい。だから…」


部長「お前ごときが私を説得しようなど、10年早い」


俊「…それもそうだな。それで…今度は20年早くなるのか」


部長「10年でさらに美しくなってやるさ、楽しみにしてろ」


俊「…うん、知ってるさ、薫は綺麗だもんな」


カトウ「挨拶は済んだか?。それじゃあ行くぞ」


カトウは目を閉じて、俊たちに手をかざし、集中しだした。


やがて小さな光がカトウの手を包んだ。


その光は少しずつ大きくなり、カトウの全身を覆う。


そして徐々に、その光が手のひらに集まり出した。


やがてカトウの手のひらに光の球体が形成される。


光の強度がどんどん強くなり、眩しくて見えなくなったとき、カトウは言葉を発した。


カトウ「能力…発動!!」


まばゆい光が部屋を覆った。


負けんなよ…、誰の声とも分からないがそんな声が聞こえた。


そして光は俊と三谷をさらい、消えてなくなった。


カトウはその場にバタリと倒れた。


部長「お疲れ、カトウ」


カトウは気を失った。


マヤ「…早く戻らないといけませんね」


部長「そうだな。私はカトウを安全なところに連れて行く。先に行っててくれ」


マヤ「わかりました。…部長、一つ聞きたいことがあるんですが」


部長「なんだ?」


マヤ「どうしてメイド長はこの部屋に結界をはらなかったんでしょう?。私だったら足止めのためにもこの部屋に結界を貼ります」


部長「なにかしらの制約があるんだろう」


マヤ「やっぱりそうですよね。じゃあお先に行ってきます」


部長「あぁ、私もすぐに向かう」






佐藤「………」


佐藤は再びメイド長へと歩み寄る。


中山「カウンターに気をつけろ。ただ反応が上がっただけで、攻撃力や速さが上がったわけではない!!」


メイド長「かしこまりました」


メイド長は佐藤の目の前にバリアを貼る。


櫻井「SEAL!!」


しかし、櫻井の遠距離からのSEALによって、バリアは取り除かれる。


そこにすかさず佐藤はメイド長に飛び込む。


メイド長は佐藤に蹴りをかますが、佐藤は体をひねり、回転させてそれをよける。


メイド長はカウンターを避けるため、後方に飛んだ。


しかし、佐藤はそれも分かっていたのか、ライフルを取り出し、回転しながらメイド長にそれを撃ち込む。


メイド長はとっさにバリアをはり、それを防いだ。


メイド長「ほんと厄介な能力ね。なら、今度は反撃の隙を与えない」


メイド長は佐藤に飛びかかり、反撃の余地もないほどのラッシュ攻撃を繰り出した。


佐藤は徐々に後ろに下がりながら、それらの全てを紙一重でかわす。


ところが佐藤は足元の半透明な物質に躓き、体制を崩す。


メイド長「ちょっと小細工させてもらったわ」


メイド長が腕を大きく振りかぶる。


佐藤はよけられないことを確信し、顔を腕で防御する。


そして、メイド長の一撃が佐藤を襲う。


佐藤は後ろに10mほど吹き飛び、壁に激突しそうになったが、体を反転させ、壁に足を着き、着地した。


メイド長「やるわね。攻撃が当たる寸前で後ろに飛んで衝撃を吸収したのね」


マヤ「ヒーローブレイク!!」


突如現れたマヤがメイド長にヒーローブレイクを繰り出した。


しかし、バリアによってそれは防がれた。


メイド長「無駄無駄」


マヤ「なら、これはどうですか?」


マヤは両手に二つの空気の球体を形成した。


そして、その一つをメイド長に、もう一つを中山に向けて投げた。


メイド長「くっ…」


マヤ「ヒーローブレイク!!」


メイド長はすかさず中山の元にも駆け寄り、バリアを貼り、攻撃を防いだ。


マヤ「どうしてわざわざご主人様の元まで駆け寄ったんですかね?バリアを2枚貼ればよかったのに」


マヤは少しニヤニヤしながら問いた。


マヤ「答えは簡単、バリアは同時に2枚以上は貼れないから、です」


メイド長「よく気がついたわね」


中山「…どうやら、私がここにいては足手まといになるな。悪いが、この場は任せた」


メイド長「かしこまりました」


中山は裏から部屋を出て行った。


マヤ「そう簡単には逃がしません!!」


メイド長「ここを通るなら…私の許可が必要よ」


マヤの行動はバリアによって阻まれた。


マヤ「くっ…」


佐藤「ならまずはあなたから…」


佐藤がメイド長に接近する。


同時にマヤも空中から接近した。


メイド長「二人とも強いわね」


メイド長は佐藤の目の前にバリアを貼り、佐藤の侵入を防いだ。


マヤは空中から急降下し、メイド長に攻め込もうとした。


しかし、メイド長がマヤの方を睨むと、危険を察知し、軌道を変えた。


メイド長「あら…残念ね」


櫻井「SEAL!!」


櫻井のSEALにより佐藤の目の前のバリアは消え去り、佐藤が再び接近する。


しかし再びメイド長が佐藤の目の前にバリアをはる。


それと同時に、マヤはヒーローブレイクを形成し、投げつける。


佐藤の対応に追われていたメイド長はそのヒーローブレイクを防げなかった。


メイド長「くっ…」


メイド長はヒーローブレイクを食らったが、服がボロボロになった程度でダメージは見られなかった。


メイド長「ちょっと痛かったな」


マヤ「ヒーローブレイクでもほぼダメージは無し…だったら!!」


マヤは足元でヒーローブレイクを発動させ、素早く飛び上がった。


空中で再びヒーローブレイクを発動させ、爆風にのって軌道を素早く変え、相手を翻弄する。


響き渡る数発の空爆音、飛び回るマヤ、まっすぐ接近する佐藤。


メイド長「ちょこざいわね」


その時、半透明な球体がメイド長を包んだ。


メイド長「これで手出しはできないね」


櫻井「俺を忘れるなよ、SEAL!!」


櫻井がメイド長に向けてSEALを放つが、メイド長が飛び上がり、よける。


その間もバリアの球体はメイド長を包んでいた。


メイド長「忘れてなんかないわよ、だからあなたから潰す」


メイド長は櫻井に接近する。


マヤ「させるか!!」


ヒーローブレイクを発動させるが、バリアによって防がれた。


佐藤も接近戦を試みるが、バリアによって、接近することができなかった。


佐藤「…くそ!!」


櫻井「SEAL」


しかし、これもかわされる。


マヤ「先輩!!逃げて!!」


メイド長「逃がしてあげない」


メイド長は一瞬のうちに櫻井の背後に回り込む。


しかし、ここでメイド長の動きが止まる。


櫻井「…え?」


マヤ「止まった?」


佐藤「………」


部長「どうやら燃料切れのようだな」


マヤ「部長!!」


部長「すまない、遅れた。だがよくやってくれた」


佐藤「勝った…の?。うぅ…」


櫻井「佐藤さん!?」


佐藤「大丈夫…少し頭が痛いだけ…はぁはぁ…」


部長「無理もない、あれだけの技を使ったんだ。少し休め」


マヤ「そうだ!こうしちゃいられません。中山を探さなきゃ」


その時、メイド長から機械音が流れ出した


メイド長「ピー、ネンリョウギレヲカクニン、ピグマノジドウセイセイニモードニハイリマス」


櫻井「…え?」


メイド長「フッキュウカンリョウマデ、アト5フン」


部長「ピグマの自動生成だと!?」


マヤ「まだ終わってない!?」


部長「だが5分間なら相手も動けないはず、今のうち破壊すれば…」


マヤ「でも私のヒーローブレイクでさえまともなダメージを与えられなかったんですよ!?。どうやって破壊すれば…」


櫻井「俺のSEALも効かないし…」


佐藤「私が…倒す…」


櫻井「佐藤さんはもう動いちゃダメだ!!」


マヤ「…私がやります」


マヤは目を閉じて、両手の掌を前にかざした。


マヤ「私がオーバーワークで限界まで空気を収縮したヒーローブレイクを生成します。ですが、おそらくこれを作ったら私は気を失うので、後は櫻井先輩のSEALで私の能力で収縮した空気を解除して爆発させてください」


櫻井「マヤちゃん!?」


マヤ「…みんな命懸けなんです。私もこのくらいしなきゃ!!」


部長「…手伝うぞ、マヤ」


マヤに手を差し伸べて、部長は能力を発動して、マヤの能力をコピーした。


マヤ「ありがとうございます」


部長「行けるか?マヤ」


マヤ「もちろん!!」


二人ががりによる空気の収縮によって、辺りには嵐のような大風が吹き荒れた。


その全てが二人の手のひらに集まる。


部長「まだまだいけるぞ!!」


マヤ「もちろんですとも!!」


やがて気圧に耐えきれなくなったのか、建物の一部が崩壊しだした。


櫻井「なんて空気の量なんだ…」


部長 マヤ「はあああああああ!!」


崩壊した部分からも空気が流れ込んできた。


大風は二人を包み込み、大きな竜巻を形成した。


やがて風は小さくなり、一つの球体となった。


マヤと部長の二人は倒れこみ、気を失った。


球体はその後もしばらくは浮いていたが、やがて浮力を失い、重力に従い、落下し出した。


そこをすかさず佐藤がキャッチする。


佐藤「…重い。櫻井には持てない。…私がこれをもって奴に近づくから、櫻井は遠距離からSEALで爆破して」


櫻井「…わかった」


メイド長「ピグマ、セイセイ、カンリョウ、キドウシマス」


メイド長「…まさか燃料が切れるとは思ってなかったわ」


櫻井「…目覚めてしまったか」


メイド長「さてと…もう手加減はしないわよ」


メイド長は自身の周りにバリアを張ったまま、こちらに近づいてきた。


佐藤「お前を倒す」


佐藤から再び赤い蒸気が発生した。


メイド長「できるかしら」


櫻井「SEAL」


櫻井がメイド長に向けてSEALを放つ。


メイド長「そんなものが当たるわけがないだろ!!」


しかし、メイド長は飛んでそれをかわす。


佐藤「あなたが飛んでかわすことはわかっていた」


しかし、宙に飛んだメイド長を佐藤が追撃する。


メイド長を包む球体の障壁に足を着き、バク転からの逆サマーソルトをメイド長のバリアの真上から叩き込んだ。


メイド長は地面に向かって真っ逆さまに落下した。


櫻井「SEAL!!」


落下と同時に櫻井がメイド長にSEALを当て、メイド長のバリアを解除した。


佐藤「今だ!!櫻井!!爆破させろ!!」


佐藤は上空からマヤたちから託されたヒーローブレイクを持った手をメイド長にかざす。


櫻井「避難して!!佐藤さん!!」


佐藤「かまわない。私ごとやれ!!」


櫻井「できないよ!!そんなこと!!」


ここで体制を立て直したメイド長が起き上がり、後退する。


佐藤「くそ…。どうしてやらなかった?」


ここで佐藤の体からは発していた蒸気が途絶えた。


櫻井「できるわけないよ、佐藤さんごと。そんなことしたら、今度こそ佐藤さんが死んじゃう」


佐藤「だからそれがかまわないって言ってるの。…どうせ無くなる命なんだから」


櫻井「…え?」


佐藤「櫻井、私は…この戦いが終わったら死ぬんだ」


櫻井「…どうして?」


佐藤「私は一度ならず、二度までも同じ過ちを犯した。ヒーローという偽りの正義を掲げた悲劇のヒーローショーで何人もの人を傷つけてきた。…これ以上罪を重ねないためにも…私は自ら命を絶つ」


櫻井「…そんな」


佐藤「だから…どうせ無くなる命なら、せめて価値のある死に方で死にたい。だからお願い…あなたの手で、私を殺して」


櫻井「そんなの…できない」


メイド長「もう怒った。もう我慢できない。どんな手を使ってもあなたを殺す」


するとメイド長は再び球体のバリアを張った。


メイド長「いくら反応がよくても…逃げ場が無ければ当たるよね!!」


メイド長は空中に飛び上がった。


メイド長「くらえ…はああああ」


メイド長を包むバリアが少し大きくなった。


その大きさはどんどん大きくなり、そしてその巨大化をどんどん加速させた。


地面とバリアが触れた時、地面がバリアの圧力に耐えきれなくなり、地面をえぐりながら大きくなっていった。


さらにバリアは大きくなり、地面をえぐりながら佐藤たちに接近してきた。


メイド長「全てを飲み込め!!」


凄まじいスピードで巨大化したバリアが佐藤を襲った。


櫻井は自身の能力でバリアの一部を破壊し、なんとか凌いだ。


櫻井の後方で横たわるマヤと部長もなんとか被害が無くすんだ。


櫻井「佐藤さん!!」


佐藤「…大…丈夫…」


口ではそう言っていたが、どう見てもボロボロであった。


メイド長「流石に全方位攻撃はかわせないね」


佐藤「それが…どうした!!」


しかし、言葉とは反して、佐藤は膝から崩れ落ちた。


佐藤「くそ…あともう少し…もう少しでいいのに…」


櫻井「…もう、一人で背負わなくていいよ、佐藤さん」


佐藤「…櫻井。…私は罪人だ」


再び佐藤は立ち上がり、赤い蒸気をまとった。


メイド長「…もう一回、同じのを見せてあげる。そして、これで終わりにしてあげる」


メイド長は今度は飛び上がることなく、立ったまま、バリアを展開し出した。


佐藤「…はぁはぁ」


もう…動けない…頭がビリビリする…


櫻井「俺の後に続いて、佐藤さん」


櫻井は佐藤の目の前に立ちふさがった。


櫻井「SEAL!!」


バリアの一部を破壊すると、今度は佐藤の手を引っ張った。


櫻井から初動の力を分けてもらった佐藤はまっすぐメイド長に向かって走り出した。


それに気がついたメイド長が蹴りをかますが、佐藤がそれを除け、ヒーローブレイクを持った右手をメイド長にかざす。


櫻井「…もしそれが、本当に罪というのなら…」


その隙に、櫻井は佐藤に近づき、佐藤の右手をつかむ。


櫻井「その罪、俺も一緒に背負うよ」


佐藤「…ありがとう、櫻井」


そして、小さな声で…


櫻井「…SEAL」


全てを嵐が包み込んだ。







薄暗い部屋で二人の人影が見える。


しかし、その姿を鮮明に見ることはできなかった。


距離もあったし、それに、湾曲した曇りガラス越しに見ていたからだ。


少しして、あることに気がついた。


周りのものがやけに大きいということだ。


まるで自分が小さくなったかのように、周りが大きく見えた。


体を動かそうにも、自分の意思では動かせなかった。


やがて人影がこちらに近づいてきた。


ぼんやりと映るその顔に、櫻井は見覚えがあった。


優也「うむ…これならいけそうだ」


父さん?










国家議事堂は見るも無残な姿になっていた。


とんでもない衝撃の爆風により、辺りは瓦礫のみが積み上がっていた。


中山「無事か?メイド長」


メイド長「なんとか…。とっさに強度を最大にしたバリアを貼り直さなかったらどうなっていたか…」


中山「ふむ…危ない戦いであったな」


メイド長と中山の目の前には、櫻井とそれを庇いこむように倒れている佐藤がいた。


中山「…まだ生きているのか」


メイド長「爆発の瞬間、佐藤の超反応でもっともダメージの少ない受け方をしたんでしょう」


中山「そうか…」


中山は拳銃を取り出した。


メイド長「…やはりほんとうに殺すのですか?」


メイド長は少し悲しそうな顔をする。


中山「無論だ。王に私情など必要ない。あるのは利を生むための冷徹さのみだ」


茜「そんなの…かわいそうだよ」


そこに突然、茜が姿を現した。


茜「かわいそう…あなたが」











…どうして父さんが?


っていうか、これは夢か?


優也「これなら実際に使っても問題はないだろう」


沙百合「…本当にウキクサに使うの?」


優也「…あぁ、俺や和ではもうピグマに侵食されてるから無理なんだ。このアンチピグマに適性があるやつはもうウキクサしなかいない」


その時、ようやく櫻井は自分はフラスコの中にいるのだと自覚した。


それと同時に、今見ているのはこのアンチピグマの記憶なのだとなんとなく察した。


沙百合「…ほんとにそれでいいの?」


優也「俺の未来予知能力で見た未来は絶対に変えられないのは沙百合も知ってるだろ?。もう俺たちが死ぬことは分かってしまった。だから死ぬ前に、息子たちに託したいんだ」


沙百合「…でも」


優也「信じてくれ、俺も和もウキクサも」


沙百合「うん、わかったよ」


ただ櫻井は見ているだけだった。







中山「…どうしてここに来た?茜」


茜「恵から全て聞いたわ。もとから大体は察してたけど…」


中山「俺を止めに来たのか?」


茜「…どうだろ?」


中山「ならどうしてここに来た?」


茜「誰も死なせないためよ。そのためならなんでもする」


そういうと、茜は櫻井たちの前に立ちはだかった。


茜「撃つんだったら…わたしごと撃ちなさい」


中山「…くっ」


中山の銃を構える手が小刻みに揺れる。


中山「メイド長、茜を取り押さえろ」


メイド長「了解」


茜はメイド長にいとも簡単に捕まった。


茜「世の中の利益のためなら自分はどうなってもいいっていうの!?。自分の思いも願いも幸せも、全ていらないっていうの!?。そんなのあんまりだよ!!。世界のためにやりたくもないことして…自分の人生丸ごと捧げて…かわいそうだよ!!あなたが誰よりも、一番かわいそうだよ!!」


中山「…もう、あとには引けないんだ。始まってしまったんだ、親父を止めることができなかったんだ。それで大切な人が死んだんだ…何人も何人も死んだんだ…だからあとには引けなかったんだ!!」


茜「それをどうしてあなたが背負わなきゃいけないのよ!!」


茜の言葉にメイド長の手の力が緩む。


茜は再び櫻井たちの前に立ちはだかる。


茜「グルグル…あんたバカだよ…」


中山「…再び茜を捕らえろ、メイド長」


メイド長「…できません」


中山「…なんだって?」


メイド長「これ以上、ご主人様に傷ついて欲しくないからです!!」


中山「………」


メイド長「これ以上…自分を追い詰めるのはやめてください…」


中山「…命令が聞けないなら、何もせず見ておけ」


中山が銃を茜に構えた。


茜「………」


中山「…最終警告だ。そこをどけ、さもなければうつ」


茜「…どかない。絶対にどかない」


中山「………」


…消えろ、敵に情けをかける心も、誰かを傷つけることへのためらいも。


そして…茜への、この思いさえも!!


中山「うおおおおぉぉぉ!!!!」


中山は引き金を引いた。








優也「アンチピグマの特性としてピグマウィルスを食う特性がある。それにより、ピグマ能力を無効にし、またそのピグマを蓄えることができる」


沙百合「蓄える?」


優也「そう、蓄えるんだ。解放するために…」


解放するために?


優也「聞こえてるか?ウキクサ」


優也はまっすぐ櫻井の方を見て、語りかけてきた。


櫻井「え?」


俺が見えてる?


そんなバカな?


優也「策略、陰謀、願い…その全てがいまお前の元で一つの結果となろうとしている」


櫻井「………」


もしかして、未来予知の能力でこうなることが…。


優也「俺はお前に親らしいことがなに一つできなかったから…代わりにその結果を選択する力をやる」


櫻井「力?」


優也「忘れるな、決して選択は勝つか負けるかの二者択一じゃない。何千、何万と無限大の選択肢がある。それをお前の手で決めろ!!」


景色が少しずつ白んでいく。


沙百合「私たちはあなたの…いや、あなたたちの幸せを願ってる…」


ありがとう、母さん。


優也「…じゃあな、ウキクサ」


ありがとう、父さん。


櫻井「行ってきます」







中山が放った弾丸は茜に当たることはなかった。


茜「ウキ…クサ…?」


行き場を見失った弾丸は、櫻井の手のひらの中にあった。


中山「…どうして立ち上がれる?」


櫻井「…REREASE」


その時、櫻井を中心に衝撃波のようなものが拡散した。


メイド長「…逃げてください。ご主人様」


危機を察したメイド長はすぐさま中山の目の前に立ちふさがる。


櫻井「…姉ちゃん、佐藤さんたちを頼むよ」


茜「…なによ、それ」


櫻井は茜にニヒルに笑って見せると、メイド長の方に向き直る。


メイド長「こんなところで覚醒かしら?。漫画の主人公じゃあるまいし…」


メイド長は少し冷や汗をかいている。


櫻井「誰も泣かない世界があるなら、それがいい」


櫻井はゆっくりとメイド長の方へと歩き出す。


櫻井「でもどうしても、誰かが泣かせちゃうから、悲劇はおわらない」


茜「ウキクサ…」


櫻井「ならせめて…」


メイド長は櫻井に飛びかかり、拳を振り下ろす。


しかし、櫻井は片手で拳を止める。


櫻井「僕の前では、誰も泣かせない!!」


メイド長に反撃の一撃を浴びせる。


メイド長は反撃により、吹き飛んだ。


櫻井はそれを追撃すべく、メイド長の方へ飛び込む。


それを見たメイド長はとっさに自分の周りにバリアを貼る。


櫻井「それでいいのが?」


櫻井がバリアに触れると、バリアは木っ端微塵になった。


櫻井「これで…終わり」


櫻井は強力な一撃をメイド長に叩き込んだ。


櫻井「…喰らい尽くせ、SEAL!!」


メイド長はその場に沈み、動かなくなった。


メイド長「たったの…一撃で…」


櫻井は中山の元にも歩き出した。


メイド長「待て…私は…まだ…」


櫻井「僕の敵は、あなたじゃない」


メイド長「しゅじ…ん…さま…」


メイド長は動かなくなった。


中山「どうやら…君の勝ちのようだな…」


櫻井「………」


櫻井は拳を振り上げ、中山に向かって全力で振りかぶった。


中山「これで…終われる…」


中山は一瞬、安らかな顔を見せた。


しかし、中山の寸前で櫻井の拳がピタリと止まった。


櫻井「僕は負けない」


中山「………」


櫻井「何度あなたたちが攻めてこようが、どうな手を使ってこようが、僕は負けない」


茜「………」


櫻井「だけど、勝ちもしない」


メイド長「………」


櫻井「だから、誰も正義を振りかざせないし、させない。…僕はあなたを見守り、抑止力となる。その代わり平穏な日々が欲しい」


中山「…君の言いたい事はわかった。だが、俺は裏切るかもしれないぞ?」


櫻井「構いません。そのときは、僕が勝ちます」


櫻井の瞳から満ちる自信と、強い意志、そしてなによりも溢れ出るその実力が中山を悟らせた。


中山「どうやら…君を無理やり抑え込むのはコストの割りにメリットが合わないようだ」


櫻井「………」


中山「…わかった。君たちの安住を約束しよう。見守ってみてくれ、私が作る歴史を」


櫻井「…ありがとう」


櫻井は静かに礼を言った。


茜「ウキクサああああ!!!!」


茜が櫻井に飛びかかる。


櫻井「ちょ、姉ちゃん!!やめろ!!」






こうして、この戦いはひとまず幕を開けた。


あの後、中山さんの働きによって俺たちの指名手配は誤報であったと流れた。


そして、会議が中断したことにより、中山がこの国の頂点に立つのは少し遅れることになった。


そして、戦いから一ヶ月が過ぎた。






学校


先生「はい、じゃあ今日から指名手配されてたクラスメイトが帰ってきたぞ」


櫻井「………」


佐藤「………」


カトウ「………」


部長「………」


クラスメイト「おお、犯罪予備軍が帰ってきたぞ」


クラスメイト2「散々だったな、お前ら」


クラスメイト3「まぁ、俺はお前らが無実だってのは信じてたけど」


クラスメイト4「嘘つけ、お前インタビューでいつかはやると思ってましたとか言ってたくせに」


戦いが終わってからはいろいろごたごたしていたが、最近ようやく落ち着いてきたので、僕たちは学校に戻ることになった。


先生「あー、一つ言っておくが、こいつらは今回のことが余程ショックだったのか…櫻井以外は記憶喪失になってんだ。あんまりデリケートな話題は出してやるな」


ただ、僕以外の4人は能力のオーバーワークにより、記憶を失っていた。


そして…僕は彼らの記憶を戻そうとは思わなかった。


その方がいいんだ。そのほうが…

もうすぐ最終話

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