立ち上がれ、悪者よ
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「…私には罪のない人を助けることができないんでしょうか?」
そうかもね…きっと俺にもその人たちは助けられない…でも…
「でも?」
君にしか救えない人がいる
「…私にしか…」
救えなかった人たちには助けてくれるヒーローがいる
「でも私たちには…悪の手先には助けてくれるヒーローはいませんね」
ヒーローにも助けられない人はいる
「ヒーローにもできないんですね」
でも俺は助けることができた、それはきっと…俺たちにしかできない
「私たちにしかできない」
…だから、俺は…
下等「今回はシャレにならんな」
櫻井「今回もだろ」
新人「捕まえた人たちをどうするつもりなんですか!?」
下等「人質にするつもり」
新人「な!そんなこと許せません!!今すぐ助けてあげましょう!!」
櫻井「止めた方がいいよ、爆発するから」
新人「…爆発?」
櫻井「説明の途中だったから言えなかったけど、悪将軍に逆らったり、敵に顔を見せたり、正体を話したりすると背中にとりつけられた機械が爆発するようになってるよ」
新人「…じゃあ、どうすれば…」
櫻井「待つしかない」
新人「…待つくらいなら助けに行きます」
櫻井「死んじゃうよ」
新人「かまいません!」
下等「無理だ!止めろ!!」
新人「そんなことやってみないとわかりません!!」
下等「無駄死にするだけだぞ!!」
新人「それでもかまいません!ショッカーとして生きるくらいなら死んだ方がましです!!!」
下等「ふざけんな!!!」
櫻井「二人とも落ち着け!助けに行くのは止めろ!人質も死んじゃうよ」
新人「…どうして?」
櫻井「爆発は結構大きいから人質も巻き込まれるって意味」
新人「…でも、このままじゃ…」
櫻井「俺たちショッカーには人を助けることはできないんだよ」
新人「………なら生きていたって…誰かを傷つけるだけなんですね…」
櫻井「………違う…」
新人「死んだほうが世の中のためになるんですね…」
櫻井「違う!」
新人「違くなんかないです!死ぬことでしか…人を救えないんです!」
櫻井「うぬぼれんな!!!」
新人「えっ?」
櫻井「お前は死ぬことで人を救えるのか?それは違う!!」
新人「…どういうことですか?」
櫻井「ショッカーは大勢いる!そのうちの一人が死んで何になる!」
新人「………」
櫻井「お前が死んだって、また新しい人がショッカーになるだけなんだよ!!」
新人「………」
櫻井「死んだって誰も救えないんだよ!!!」
新人「……そんなことはないです」
櫻井「勘違いすんな!お前はヒーローなんかじゃないんだ……ショッカーなんだ………だから…」
新人「……だから?」
櫻井「死んだって誰かが悲しむだけなんだよ…」
新人「………」
櫻井「それくらいなら…生きて誰かと幸せを分け合うべき…だと思うよ」
新人「……居ませんよ」
櫻井「えっ?」
新人「私が死んで悲しむような人なんて居ませんよ!」
レッド「そこまでだ!!にんにくとジンジャーエールがミックスされた悪将軍!」
悪将軍「待ってたぞ!まもるんジャー!」
レッド「夢見るヒマワリの種!希望の中のイチョウの葉!最近まで図書館だった実家のお隣!今はもう亡き祖母の娘の息子!それがオレ!まもるんジャーレッド
!!」
イエロー「愛する妹探すため!ヒーローなったよ、お兄ちゃん!最近思うけどこんなことしてないで妹探したほうがいいんじゃないか?まもるんジャーイエロー
!!」
レッド「グリーン以外の4人そろって」
レッド イエロー「「まもるんジャーファイブ!!」」
ブルー ピンク「「………」」
櫻井「とうとうグリーンまで欠けて決めポーズが二人に…」
下等「しかもイエローが正気に戻りかけてる…解散の危機だな」
新人「キャーー!!!!生のまもるんジャー!!!!!」
新人「生のまもるんジャーです!!初めて見ます!!」
櫻井「…テイション高いね…」
新人「ずっと憧れてたんです!あ!サインもらわないと!!」
下等「…さっきまで命を賭けた話をしてたよね?…」
新人「あんな話は生のまもるんジャーに比べたらバクテリアみたいなもんです!」
櫻井「……俺の話は微生物クラス(涙)」
下等「俺にはかっこよく見えたぞ」
櫻井「カマドウマに褒められても嬉しくない…」
新人「サイン、サイン…あ!色紙がない…さっきそこで拾ったレシートでももらえるでしょうか?」
下等「いや、無理でしょ…」
新人「そうですよね…レシートじゃ失礼ですよね…」
櫻井「そういう問題ではないんだが…」
下等「ところでグリーンがいないけど…どうしたんだろ?」
悪将軍「ところでグリーンはどうした?」
レッド「ヒーローの価値観の方向性が違うとかなんか言って辞めた」
櫻井「ヒーローにもいろいろあんだな…」
悪将軍「子供の夢を壊すようなセリフひかえたら?」
レッド「それなら森に帰ったっていうことで」
悪将軍「ターザンなの?グリーンって」
ブルー「…星になった」
悪将軍「勝手に殺しちゃだめだと思うよ」
ピンク「森になった」
悪将軍「どこの森の守り神!?」
イエロー「俺の妹になった」
悪将軍「2メートルの巨漢の妹がいたら泣きたくなるよ、ワシなら」
悪将軍「ショッカーども!まもるんジャーどもを捕らえろ!」
ショッカー「キキッー!」
イエロー「どうするの?」
レッド「大丈夫、策はある…ここだけの話、グリーンが上の階から奇襲を仕掛ける作戦になってる」
悪将軍「…聞こえてるぞ、敵の目の前で秘策を話すか?普通…」
レッド「よくある、よくある」
悪将軍「……そうか!ハッタリだな?…」
レッド「………」
悪将軍「前にもあったからな…お前にだまされたこと」
レッド「………」
悪将軍「もう一度聞こうか…グリーン奇襲作戦はハッタリだな?」
レッド「………」
悪将軍「ふふふ残念だったな!同じ手は二度も食らわんぞ!!」
ドゴオオオン!!!(巨体の着地の音)
グリーン「何をごちゃごちゃ言ってるアルね」
悪将軍「え?ぐばっ!!く、いつのまに?」
レッド「作戦を聞かれて一時はどうなるかと思ったが…奇襲作戦成功だ!」
悪将軍「恥ずかしい…勝手に勘違いして自滅して恥ずかしい…」
ピンク「あほだろ」
グリーン「今日こそ年貢の納め時アルよ!悪将軍」
悪将軍「いや、まだだ!あらかじめこの東京タワーに爆弾を仕掛けた!」
レッド「何!?」
悪将軍「10分後に最初の爆弾が爆発するぞ、おそらく30分後にはこの東京タワーは崩れるな」
イエロー「ま、待て!悪将軍!!」
悪将軍「いいのかな?人質の救出が先だろ?」
レッド「また消えやがった」
櫻井「俺たちもさっさと脱出するぞ!」
新人「先に行ってください、私は人質の救出を手助けします」
下等「そんなことはまもるんジャーにまかせときなさい!」
新人「…私…まもるんジャーに憧れてたんです」
櫻井「…どうしたの?急に」
新人「…ショッカーでもこれくらいはできます!だから…やらせてくだ
さい!」
櫻井「……無理はすんなよ」
新人「はい」
新人「大丈夫ですか?」
人質「ひ!ショッカーだ!助けて!!!」
新人「お、落ち着いてください!」
ブルー「まだいたのか!ショッカー!」
新人「ま、待って下さい!」
ドゴッ!!
イエロー「どうした?」
ブルー「…残党がいただけだ」
イエロー「気絶してるさせたか」
人質「た、助かった!ありがとう」
レッド「さっさと人質を連れて脱出しろ!」
イエロー「このショッカーはどうする?」
レッド「ほっとけ」
イエロー「…でも」
レッド「それよりも人質の救出だ!」
ブルー イエロー「「了解」」
櫻井「大丈夫かな?あの新人」
下等「他人のことよりもまず自分が脱出が先だろ」
櫻井「誰か来る!隠れるぞ!」
イエロー「ほんとにいいのか?あのショッカー気絶させたままほっといて…」
レッド「気にするな……しょせんはショッカーだ」
イエロー「でもあの身長の低さはもしかしたらオレの妹かもしんないんだぞ!」
レッド「…お前の妹は何人いるんだよ…」
櫻井「…聞いたか?今の」
下等「………」
櫻井「もしかしたらあの新人のことかもな…身長低いって言ってたし…」
下等「…まさか助けに行こうなんて言わないよな?」
櫻井「…救出しに行こう」
下等「言い方を変えただけで意味は一緒だろ」
櫻井「そう言わずに頼むよ」
下等「…お前ショッカーじゃ人は救えないとか言ってなかった?」
櫻井「それは一般人は救えないって意味だ」
下等「…どういうことだ?」
櫻井「一般市民を救うのはヒーローの仕事だ…それなら…悪の手先を救うのは?」
下等「…悪の手先の仕事ってことか?」
櫻井「そういうこと」
下等「できるのかよ?ショッカーに」
櫻井「できるさ、俺も助けられた身だからね」
下等「助けられた身?」
櫻井「俺もショッカーに助けられたんだよ、命がけで」
ドオオオオオオオオオオオオオン
櫻井「最初の爆発だ…残り20分」
下等「しょうがないから一緒に行ってやるよ、オレの変態的跳躍力が必要だろ?」
櫻井「ありがとう、もしもの時のためのお前(盾)が一緒だと心強い」
下等「(盾)ってなに!?」
櫻井「新人!!しんじ~ん!!」
下等「いないのか~!!」
櫻井「ロリしんじ~ん!!」
新人「なんですか!?ロリ新人って?」
櫻井「そこにいるのか?」
新人「はい……助けに来てくれたんですか?」
下等「べ/別にそんなんじゃないわよ//あ/あんぱん!/あんぱん買いに来たついでなんだからね////」
櫻井「…大丈夫か?」
下等「べ/別に異常ないわよ/頭以外はね//」
櫻井「いや、お前にきいたわけじゃないし、それはもう知ってる……大丈夫か?
」
新人「はい…でもガレキの下敷きになってうごけないんです」
下等「多分最初の爆発の時に下敷きになったんだな」
櫻井「急いでどかそう」
下等「どかせるガレキはどかしたけど…」
櫻井「…これどかせるかな?」
下等「マッチョ20人でも無理っぽいな」
櫻井「とりあえずどかしてみよう…」
下等「無理だろ…」
櫻井「いや、わかんねーぞ、一応オレらショッカーに改造されたから運動能力は上がったっていう設定だし」
下等「そういやあったなそんな設定…とりあえずやってみるか…」
櫻井 下等「「せーの!!」」
………
櫻井「ビクともしない…しょせんはショッカーの力か…」
下等「あと15分…」
新人「…わざわざ助けに来てくれてありがとうございます…もういいです、早く脱出してください」
櫻井「まだ時間はある」
新人「……でも…」
櫻井「下等!もう一回持ち上げるぞ!!」
櫻井 下等「「せーの!!」」
………
櫻井「もう一回」
下等「いや、別の方法を探そう」
新人「…早く脱出してください。これ以上、誰かに迷惑かけたくないです」
櫻井「まだ時間はある!」
下等「…あと10分…櫻井………脱出しよう」
櫻井「見捨てるのか!」
下等「仕方がないんだ…」
櫻井「俺はあきらめない…もう一回持ち上げるぞ」
新人「もういいんです!!ショッカーじゃ誰も救えないんですよね!!」
櫻井「………」
新人「あなたは生きてください…幸せを分かち合うんですよね?」
櫻井「………」
新人「大丈夫です…私が死んでも誰も悲しみませんから」
櫻井「……俺は悲しいよ…」
新人「大丈夫です。それは一時的なものです。すぐ忘れます」
櫻井「…家族は?」
新人「……いません」
櫻井「育て親は?」
新人「わたしのことなんて興味がない人です」
櫻井「友達は?」
新人「いません…わたし最近までずっと、入院してたので…」
櫻井「…これからだろ?学校卒業したばっかりなんだろ?小学校通うんだろ?」
新人「なんで義務教育を二度受けなきゃいけないんですか…高等学校です」
下等「高校は楽しいぞ、場合によっては昆虫扱いされるが…」
櫻井「お前は害虫だけどな」
新人「でも私は…無理して勉強して合格した高校に行ったって多分勉強についていけないと思いますし…」
新人「友達もできずに終わると思いますし…」
新人「…背もちっちゃいから彼氏もできなさそうだし…」
新人「おまけにショッカーにもなっちゃって…」
新人「…でも今日はよかったです東京タワーに来れて…ずっと行きたかったんです…」
新人「…ほんとはスカイツリーの方に行きたかったんですけど…」
新人「だからもういいんです、せめて最後くらい人に迷惑かけたくないです」
櫻井「…これからだろ?」
新人「…もういいんです」
櫻井「じゃあ、なんで高校入試受けたんだよ!?」
新人「………」
櫻井「どうして無理して頑張って勉強したんだよ?高校行きたかったんだろ!?」
新人「………」
櫻井「友達ほしかったんだろ!?彼氏つくってデートしたかったんだろ!?」
新人「…でも…でも」
櫻井「スカイツリーだってまだ行ってないんだろ!?」
新人「…もう…無理です…」
櫻井「まだなんにも叶ってないんだろ!?それで終わっていいのかよ!?」
新人「…もう、無理なんです!」
櫻井「できる!!ずっと病室にいて、やっと退院したんだろ!?」
櫻井「これからなんだよ!もっと楽しいことは!!」
新人「でも、どうやって?…」
櫻井「とりあえず…黙って素直に…助けられなさい」
下等「しょうがないから俺も命かけてやるよ」
櫻井「まだ居たんだ、でもお前は別にいらね」
下等「冷たい…」
櫻井「さっさと一人で脱出しとけ」
下等「ふと思ったんだが…俺のモットーを憶えてるか?」
櫻井「汚名挽回だったけ?」
下等「あながち間違ってないけど違う、人に優しく自分に優しくそして何より女性に優しくだ!そんな俺がここで逃げたらカッコがつかないだろ?」
櫻井「…カッコついたことあったけ?」
下等「それにここで逃げたら何のためにここまで来たかわからんだろ?」
櫻井「…あんぱん買いに来たんだろ?」
櫻井「もう一回持ち上げてみる」
下等「別の方法探した方がいいんじゃね?」
櫻井「…今ならできそうな気がする」
下等「…いや、無理だろ…」
櫻井「ところで新人、名前なんていうの?」
新人「私ですか?」
櫻井「そっ」
新人「森カネテです」
櫻井「森…カネテ?」
森「はい、予定の予って書いて森予です」
櫻井「…変わってるね…」
下等「でもフルネーム書くの楽そうだね」
森「ときどき森予っていう名字だと思われます」
下等「俺は加藤勝」
櫻井「櫻井です」
森「櫻井…下の名前は何ていうんですか?」
櫻井「まだ決まってない」
森「…どういう意味ですか?」
櫻井「作者がまだ決めてないの…」
下等「なんて残念な主役なんだ…」
下等「無駄話してる間に後5分になったぞ」
櫻井「もう一回持ち上げてみる」
下等「だから無理だろ…」
櫻井「カマドウマは黙ってなさい!必ず助け出す!おれはあきらめない!」
下等「二人でも無理なのに一人でできるわけないだろ…ほかの方法を…」
櫻井「うっさい!…カマドウマは黙って…あんぱんでも…買いに行けーー!!!」
森 下等「な!」
下等「…も、持ち上げた…」
櫻井「今のうちに…早く!」
森「は、はい!」
ドンンンンン!!!
森「た、助かりました…ありがとうございます」
櫻井「…はぁはぁ…よかと」
下等「すごいな、櫻井、あれを持ち上げるとは…」
櫻井「…はぁはぁ…な…なせば…なると…はぁはぁ…」
森「…大丈夫ですか?」
櫻井「…はぁはぁ…無理っぽ…はぁはぁ…とても際限なく著しくこの上なくめっちゃ甚だしく限りなくすこぶる超激しく死にそう…」
森「…大丈夫そうですね」
下等「頭以外はな」
下等「あと3分しかないぞ」
森「急いで降りても間に合いませんね…」
櫻井「一か八かそこの窓から飛び降りよう!」
下等「ここは第一展望台だからな…3分じゃ降りられないぞ」
櫻井「いっしょにスカイダイビングしよう!」
森「3分でも、やれるだけやってみましょう!」
櫻井「重力に身をまかせよう!」
下等「…さっきからお前はなにを言ってるの?」
櫻井「ノーロープバンジージャンプを勧めている」
森「ここから飛び降りたら死にますよ」
櫻井「なんくるないさー!」
下等「一人で逝ってこい」
グリーン「そうアルよ、余裕で死ねる高さはアルよ」
櫻井「どうして…まもるんジャーグリーンがここに…」
下等「…やばいぞ」
森「彼は正義の味方です。事情を話せばきっと…」
櫻井「もう飛び降りるしかねえ!!」
グリーン「やめとくアルよ。無理がアルよ」
森「本当に飛び降りるんですか!?」
櫻井「考えてる時間なんてない!行くぞ!!」
下等「ちょ!引っ張んな!うおおおおお!!!!」
森「心の準備がまだ!キャーーーーー!!!!」
櫻井「なんくるないさ-ーーー!!!!!」
面接官「大丈夫ですか?」
櫻井「…ここは?」
面接官「ショッカーのアジトの中の医療室です」
櫻井「どうして?」
面接官「東京タワーの近くで気絶してる所を発見して保護しました」
櫻井「二人は?」
面接官「ふたりとも無傷です。となりのベットで寝てます」
下等「ここはどこだ?天国か?」
櫻井「カマドウマごときが天国に行けるわけないだろ」
下等「そんなことはないだろ!カマドウマだって必死で生きてるだけなんだぞ!」
櫻井「それがめざわりなんだよ」
下等「まさかの存在否定」
森「ここは…天国ですか?」
櫻井「残念ながらカマドウマ地獄の部屋です」
下等「存在が地獄なの?俺は」
森「あの場所から落ちたのになんで私たち無傷なんでしょか?」
櫻井「…小説だからじゃないの?」
下等「………」
テレビ『ごらんください!!ここが現場の東京タワーです!あの東京タワーが今はガレキの山と化しています!今日午後2時ごろ、突然ショッカーの爆破テロに
より東京タワーが爆破されました、まもるんジャーの素早い対処により幸い死傷者はいませんが…』
森「…とんでもないことをしてしまいましたね」
櫻井「……死傷者がいなかっただけでもよしとしよう」
森「…今回はよかったですけど…いつ死傷者が出てもおかしくないですよ」
櫻井「それは…しょうがないことだよ」
森「もしかしたら今度は自分の手で人を傷つけなきゃいけないのかもしれないんですよね?」
櫻井「うん」
森「…そのときはどうすればいいんでしょうか?」
櫻井「傷つけるしかないんじゃないの?」
森「櫻井さんはできるんですか?」
櫻井「えっ?」
森「そのとき人を傷つけることができるんですか?」
櫻井「俺は…できなかった」
森「今は?」
櫻井「…わからない…でもそのくらいならやりかねない」
森「どうして罪のない人を傷つけないといけないんでしょうか?」
櫻井「仕方ないことなんだ…生きるためには…」
森「…それは…つらいですね…」
櫻井「俺たちは誰かに迷惑かける生き方しかできない…だからこそ…」
森「だからこそ?」
櫻井「誰かを助けられるようになりたい、自分自身のために」
森「…どういう意味ですか?」
櫻井「…ただ誰かに迷惑をかけて誰も助けられない、そんな自分でいたくない」
森「でも…助けることができるでしょうか?私は…できませんでした…」
櫻井「でも俺は助けることができたじゃん、実際に」
森「…そうですね…でも私にはできません」
櫻井「そんなことはない、誰にだって助けられない人はいる」
森「…私には罪のない人を助けることができないんでしょうか?」
櫻井「そうかもね…きっと俺にもその人たちは助けられない…でも…」
森「でも?」
櫻井「君にしか救えない人がいる」
森「…私にしか…」
櫻井「救えなかった人たちには助けてくれるヒーローがいる」
森「でも私たちには…悪の手先には助けてくれるヒーローはいませんね」
櫻井「ヒーローにも助けられない人はいる」
森「ヒーローにもできないんですね」
櫻井「でも俺は助けることができた、それはきっと…俺たちにしかできない」
森「私たちにしかできない…」
櫻井「……だから、俺は…誰も、ヒーローさえも助けてくれない悪の手先を救う悪の手先…
ショッカーを救うショッカーになる
ショッカー「すばらしい言葉です…私めがいただきたいになりたいくらいです」
下等「誰?知り合い?」
櫻井「さぁ?」
ショッカー「158です、初にお見えになります、以後お見知りおきを」