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悪の手先の風上にも置けぬ  作者: なおほゆよ
第1章 悪の手先編
7/95

『………』はね、間を表現してるんだよ、間を。

Write3


10年前


突如東京に現れた謎の破壊集団、ショッカー


彼らは全員全身タイツと覆面をかぶり大規模に大胆な


破壊行動、拉致、殺人を繰り返した


規模が大きいうえに正体がわからない


しかも全員が超人的運動能力を有していたため


警察ではたちうちできず


市民を巻き込まないために


大規模な軍の出動はできなかった


そこで政府は対ショッカー用の少数精鋭部隊


まもるんジャーを出動させた


ショッカーの超人的運動能力を


はるかに超越する運動能力を有していたまもるんジャーは


次々とショッカーたちの陰謀を阻止した


しかしショッカーの情報セキゥリティーは堅く


ショッカーの首謀者、目的、拠点が割れることはなく


ショッカー壊滅には至る事はなかった


そして6年前、オレの兄、櫻井和は殺された、ショッカーの手によって


兄の面影が残らないほどの


激しい爆発に巻き込まれた


それからはショッカーをより嫌うようになった


そして兄を守れなかったまもるんジャーも…


そしてだいたい1年前


高校生になった俺は


まもるんジャーにまかせていられない


自分もなにかできることをしたい


そう思った俺は


東京の超マンモス校である、桜田北高校に来た


このショッカー研究部、正確には愛好会に入るために…


そして今俺は先日ショッカーとして襲撃し


中山さんと再会し


そして中山さんが死んだ


キャンプ場に向かうバスにいる







佐藤「…ポッキー……いる?」


櫻井「…プリッツ派だからいいでや」


部長「キノコの山いるか?」


櫻井「3年前にたけのこの里に忠誠を誓ったんでいらないです」


下等「都コンブいる?」


櫻井「いらない」


下等「そっか…」


部長「………」


櫻井「………」


佐藤「……空気重い…」


下等「どうしたんだ櫻井!?このタイミングの都コンブなんてツッコミどころ満載だろ!!っていうかこのネタのためだけにわざわざ持って来たんだぞ!!それ

をおまえはいらないの一言で…」


部長「櫻井、お前テイションが低いぞ」


櫻井「すいません」


下等「いつものお前ならその後に下等が息してるからテイションが上がりませんとか言うだろ」


櫻井「あぁ、わり」


部長「………」


下等「………」


佐藤「……下等」


下等「なに?」


佐藤「……とりあえず…窒息しろ…」


下等「人が死んでテイション上がる?」


佐藤「……お前なら…」


下等「……(涙)」


櫻井「………」


部長「いつものお前ならここで近所にいいペット霊園見つけたぞとか言うだろ」


櫻井「…すいません。下等」


下等「なに?」


櫻井「近所にいいペット霊園見つけたぞ」


下等「だから?」


櫻井「……ええっと…………安心しろ」


下等「………」


部長「………」


佐藤「………テンポ悪」






櫻井「もしもし」


姉(電話)『もしもし』


櫻井「このたびはご迷惑かけちゃいました」


姉『連絡遅いんや、もっと早よしーや』


櫻井「…なんかしゃべり方変じゃない?」


姉『なんや?いつもこんなやろ!別に最近見たドラマに影響されたわけやないで!』


櫻井「言っとくけど関西人の前でにわか関西弁使っちゃだめだよ、イラッとさせるから」


姉『別ににわか関西弁なんか使ってないんやでやろ!』


櫻井「もうボロが出て来てる」


姉『そんなもん出とらんけんとよ!』


櫻井「はぁー、わかったわかった、……姉ちゃん」


姉『なんとよ?』


櫻井「ありがと」


『ツー、ツー、ツー』





下等「櫻井、起きろ、着いたぞ」


櫻井「…下等か…人生最悪の目覚めだな」


下等「やっぱりそのまま一光年くらいずっと寝てろ」


櫻井「言っとくが一光年は距離の単位だぞ」


下等「知ってる、俺はバスがそのまま一光年走るまでずっと寝てろって意味で言ったんだ」


櫻井「寝起きでそんな深いこと言うな」





部長「さて、夜にキャンプ場に侵入するから、今のうちに泊まるところを探そう」


下等「個人的にはラブホテル希望」


櫻井「そうなっても一緒に寝るのは多分俺だぞ」


下等「断固ノーマルホテル希望!」


佐藤「……旅館がいい…」


櫻井「俺も泊まるなら旅館がいいです」


部長「まぁ近くにあればな」


下等「旅館……入浴のぞきフラグ!」


櫻井「多分お前が八つ裂きにされるのがオチ」


下等「そのまま浴衣すがたフラグ!」


櫻井「そのまま病院に入院して見れないのがオチ」


下等「最後に卓球で浴衣から下着をポロリフラグ!」


櫻井「お前は病室で目からよだれをポロリ」


下等「…ちょっとくらい夢見たっていいじゃん」


櫻井「入浴のぞかなかったら残り二つは可能性あるだろ」


部長「おぉ!こんなところに、よし!このビジネスホテルにしよう」


佐藤「……残念…」





下等「ラブホテルでも旅館でもないのは残念だが…さぁ、櫻井、夜まで青春を語り明かそうか」


櫻井「俺は眠いから寝るわ」


下等「寝るだと、冗談が過ぎるぞ、櫻井」


櫻井「お前と語ったって変態話か変人話か変幻話しかしないだろ」


下等「どんだけ変わってるの俺!?」


櫻井「うるさい、眠れん」


下等「本気で寝る気かい!俺一人でどうすりゃいいの?」


櫻井「……悟りでも開いとけ」







櫻井「もしもし」


姉(電話)『言っとくけど通話の内容録音してるで!』


櫻井「なんで!?」


姉『電話越しでお金要求したって渡さへんで!』


櫻井「お金?」


姉『もうオレオレ詐欺なんかあきらめて自首せい!大丈夫!人生これからや』


櫻井「オレオレ詐欺?」


姉『な、自首せいや』


櫻井「本人です」


姉『自首せいや』


櫻井「はぁ~中山さんのことで話あんでしょ?」


姉『…なんでそれを知ってる?』


櫻井「だから本人だって」


姉『ふふふっ姉ちゃんったらドジしちゃった』


櫻井「気持ち悪いし、関西弁忘れてる」


姉『ふふふっ姉ちゃんドジってもうたねんけんと』


櫻井「関西弁のかの字もない…で、話って?」


姉『ニュース見て知っとると思うけんけどな、中山…死んでもうてんねん』


櫻井「…うん」


姉『んで、葬式来てもらおうとしたんやんけどな、もう終わってんじゃけん』


櫻井「そっか…ごめん」


姉『それは中山の墓の前でいうじゃけんとや!』


櫻井「…わかった…でも姉ちゃん思ってたより元気でよかった」


姉『どいう意味じゃき?』


櫻井「だってさ…幼なじみが死んじゃったならさ…もっと悲しんでるかと…」


姉『悲しんでもあいつら喜ばないからね…』


櫻井「…姉ちゃん」


姉『ん?』


櫻井「関西弁」


姉『悲しんでもきゃつらは喜ばんじゃん」


櫻井「……もやはどこの方言でもない…」


姉『あ!あと最後に言わなあかんじゃけんときことがあるけんじゃんやんか』


櫻井「…なに?」


姉『なんくるないさー!!』


櫻井「それ沖縄だから…」







部長「おい、起きろ、櫻井」


櫻井「……部長、このホテルってオートロックですよね?」


部長「それがどうした?」


櫻井「どうやって入ったんですか?」


部長「○ッ○○○」


櫻井「伏せ字にしたって犯罪は犯罪です」


部長「このホテルはカードキー式だったから開けるのに2秒もかかったぞ」


櫻井「普通に開けるより早くないですか?」


部長「そんなことより下等を起こしてくれ」


櫻井「起きろ!下等!」


下等「……変態…故に我あり」


櫻井「頭大丈夫か?」


下等「我が脳みそはすでに気化した、しかし、悟りを開けと汝は命じた」


櫻井「悟りを開いてなんか成果あったか?」


下等「彼女ができた」


櫻井「頭大丈夫か?」


下等「かわいくて、俺のことをとても愛してくれる彼女ができた」


櫻井「人には見えないタイプの彼女だろ?」


下等「それさえ気にしなければ俺は幸せになれる」


櫻井「ちなみに名前は?」


下等「小野妹子」


櫻井「言っとくけどそいつ男だぞ」


下等「じゃあエリザベス」


櫻井「まさかの外国人」


下等「実は1時間前に式をあげた」


櫻井「国際結婚おめでとう、この小説始まってから初めて良いこと起きたな」


下等「ありがとう、あれ?幸せなのに目から涙が…」


部長「気にするな、ただのよだれだ」





キャンプ場


部長「侵入成功だな」


下等「案外簡単に入れたな」


櫻井「………」


佐藤「……顔色悪いよ…」


櫻井「…大丈夫」


部長「無理すんなよ」


下等「具体的にはなにを調査するだ?」


部長「なぜショッカーがここを襲撃したのか…それが知りたい」


下等「…たしかに…気になるな…」


部長「それがわかればやつらの目的もわかるかもしれんからな」






櫻井「ここは……」


部長「土がむき出しになってる…木も焦げて倒れてる…何かの爆発の跡か?」


下等「そういえば、この襲撃の被害者は爆死だったよな?」


部長「そうだな。たしか被害者の名前は…」


佐藤「…中山卓…」


櫻井「……うっ」


下等「大丈夫か?櫻井」


櫻井「…吐きそう」


部長「櫻井、そこで休憩してろ。佐藤、見といてくれるか?」


佐藤「…了解」


部長「私と下等はもう少しこの辺を見てくる、なにかあったら電話してくれ、ここは圏外じゃないからつながるはずだ」






佐藤「……大丈夫?」


櫻井「…無理っぽい…花畑の中の川の向こうでフラミンゴが手を振ってる…」


佐藤「……頭以外は…大丈夫だね…」


櫻井「…なんか…冷たいね…佐藤さん…」


佐藤「……元気がない櫻井は…キャラがかぶりそう…」


櫻井「……納得…」


佐藤「………だから…」


櫻井「ん?」


佐藤「…早く元気になってね//」


櫻井「……//」





下等「ん!俺のリア充レーダーが反応してる…部長、今すぐ戻らないとこの世にリア充が増えそうな気がする」


部長「別にいいんじゃない?」


下等「嫌だ!そんな腹立たしいこと許せない!」


部長「お前結婚してるんだから別にいいんじゃないか?」


下等「もう破局寸前です!、人にも見える彼女が欲しい!!」






櫻井「…あそこに落ちてるのはなんだろ?」


佐藤「………携帯…かな?」


櫻井「…ボロボロだ…」


佐藤「……キーホルダーも…ボロボロ…」


櫻井「このキーホルダーは……メイド?」


佐藤「…誰のだろ?…」


櫻井「……たぶん…中山さんのだ…」


佐藤「……知り合い…なの?」


櫻井「…うん、友達…かな?」


佐藤「………ごめんね」


櫻井「…なにが?」


佐藤「…なんでもない……それより…顔色悪いよ」


櫻井「ちょっと気分が…横になってていい?」


佐藤「…うん」






下等「大丈夫かな?」


部長「櫻井のことか?」


下等「うん、リア充になってないか心配だ」


部長「そっちかよ……お前にはエリザベス夫人がいるだろ」


下等「そもそもオレには戸籍がないんで結婚なんてできない」


部長「そういえばそうだったな」


下等「………」


部長「………」


下等「部長と一緒に森の中歩きてたら昔のこと思い出すな…。よく3人で遊んだ」


部長「………」


下等「憶えてない?」


部長「そんな汚らわしい記憶はとうに忘却した」


下等「あの時部長泣いてたでしょ?」


部長「……………そういうお前たちも目からよだれ流してたな」






櫻井「あ、そうだ、姉ちゃん」


姉『なんじゃ?』


櫻井「中山さんって…なんか言ってなかった?」


姉『どういう意味じゃ?』


櫻井「なんていうか…ショッカー関係で」


姉『…いや、特にはなんも言っとらんかったよ、ワシには』


櫻井「ワシって…」


姉『あ、でも和とはよくそういう話をしてたのう~』


櫻井「えっ?兄貴とは?」


姉『ワシにも話せと言っても話せないの一点張りでのう~』


姉ちゃんには話せない、けど…


兄貴とは話せていた?


一般人には話せないショッカーの情報を


兄貴とは話せていた?


ショッカー同士でしか話せないことを話していた…


つまりそれは………兄貴も………










ショッカーなの?












佐藤「…大丈夫?」


櫻井「え?」


佐藤「……泣いてるよ…」


櫻井「………ほんとだ…」


佐藤「…なにがあったの?」


櫻井「……ごめん…話せない」


佐藤「……ダメ人間…」


櫻井「………」


佐藤「………」


櫻井「……佐藤さんは…」


佐藤「…何?」


櫻井「もし大切な人が…嫌いな人だったらどうする?」


佐藤「……難しい…質問だね…」


櫻井「………」


佐藤「……私なら…もっとその人のことを…知ろうとする…かな」


櫻井「……なんで?」


佐藤「…きっと……




その人のこと……好きになれるから」






下等「リア充はいねがー!!!」


櫻井「急にどうした?」


下等「俺のリア充レーダーが反応した、この中にできたてのアツアツなリア充はいねがー!!!いたら男の方だけ殺す!」


櫻井「とりあえずお前はエリザベス夫人と新婚ほやほやのリア充ライフを送ってるんだから自害しろ」


下等「大丈夫!もう離婚したから。理由はあいての浮気で」


櫻井「脳内の彼女にどうやったら浮気されるんだよ…」


下等「あそこでボブが出て来なかったらうまく行ってたんだよ…」


部長「騒がしいな、おまえの脳内は」


櫻井「部長、何か成果ありました?」


下等「もう少しくらいかまってくれよ」


部長「なんもなかった」


櫻井「これ見て下さい」


部長「…携帯…か?」


櫻井「おそらく中山卓さんのものです」


部長「…ボロボロだな」


櫻井「その携帯、調べてみたらなにかわかるかもしれません」


部長「……たしかにな…わかった、調べてみる、今日はもうホテルに帰ろう」





ホテル


下等「なんかお前元気になったな」


櫻井「そーか?お前が離婚したからじゃん?」


下等「なんで元気なかったんだ?」


櫻井「……昨日…姉と電話して…知ったんだけどさ…」


下等「なんだ?姉がいるっていう自慢話か?」


櫻井「でさ、そんときにさ…もしかしたらさ…」


下等「オレだってな、姉くらいいるぞ、心のなかに」


櫻井「オレの兄貴が…」


下等「姉だけじゃないぞ!妹もいるぞ!三人も!もちろん心の中に!」


櫻井「ショッカーだったのかもしれないってわかった」


下等「………ごめん、ふざけて」


櫻井「それでさ、さっき佐藤さんにきいたんだよ」


下等「…俺の彼女になってくださいと?」


櫻井「もし大切な人が嫌いな人だったらどうするかって」


下等「それでも付き合ってくださいって言ったんだな!」


櫻井「そしたらさ…何て言ったかわかる?」


下等「ごめんなさい…私、ほんとは…下等君が好きなのって言った!!!」


櫻井「その人のこともっと知れば好きになれるかもって言ったんだよ」


下等「だから下等君のこともっと知りたいって意味だな!!!」


櫻井「兄貴の友達が兄貴は立派な人だって言ってた」


下等「無視すんな……」


櫻井「だから俺…その言葉の意味………知りたくなった」



櫻井「もっと知りたい、兄貴のことも、中山さんのことも………ショッカーのことも…」






3月24日


櫻井「…7時50分…間に合ったな」


下等「とうとう二度目のお仕事だな」


面接官「早く着替えて下さい」


櫻井「今日はどこに出撃するんだろ」


下等「個人的には銭湯を希望」


櫻井「おまえは男湯を襲撃するハメになるのがオチ」


下等「それなら市民プールを希望」


櫻井「まだ桜もつぼみの季節に客は来ないのがオチ」


下等「温泉プール」


櫻井「お前の5倍長く生きた人がオチ」


下等「…更衣室」


櫻井「おばはんの下着姿にお前のマザコンが目覚めるのがオチ」


下等「……学校の更衣室」


櫻井「小学生の下着姿にお前のロリコンが目覚めるのがオチ」


下等「思想の自由って知ってる?」


櫻井「現実の厳しさって知ってる?」


下等「まぁ、小学生くらい許容の範囲だがな!!」


櫻井「いや、『!』なんて付けるなよ…しかも二本も…」


下等「それにマザコンはないぞ!なんせ母親はいないからな」


櫻井「えっ?」


面接官「早く車に乗ってください、わかっていると思うけど目的地は




桜田北高校だから」


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