状況的にシリアスな展開の時はクラスメートがギャグ要員になってくれるから助かる
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カトウ「よッ」
俊「………」
カトウ「また会ったな」
俊「…オレは逃げろと言ったはずだが?」
カトウ「アホが。あんなんで逃げる気なんか出て来るわけないだろ」
俊「………」
カトウ「…オレは薫におまえのこと言うぜ」
俊「…言ったろ。それは無理だと」
カトウ「おまえが中毒者だからか?」
俊「………」
カトウ「おまえなぁ…オレがその程度で引き下がるような男じゃないのは知ってるだろ」
俊「やめろ。薫に無駄な期待をもたすな」
カトウ「………」
俊「オレはいつ死んだっておかしくないんだ。だから…」
カトウ「ほんとは恐いだけなんだろ?」
俊「………」
カトウ「もうぐだぐだ言うなよ。信じろ」
俊「…『オレら三人ならやれる』と?」
カトウ「…違うな。三人じゃない」
俊「………」
カトウ「とにかく、べつにおまえは一人じゃないぞ」
俊「…なんにしたって、もう遅いんだ」
カトウ「オレは待ってるぞ」
俊「………」
カトウ「おまえはまだ生きてるんだぞ、俊」
学校
櫻井「オレ佐藤さんを取り戻す作戦を考えたんだけどさ…」
カトウ「どんな?」
櫻井「ゼロの能力を使えれば佐藤さんの居場所がわかるだろ?。だからゼロを捕まえて居場所吐かせれば…」
カトウ「…んで、そのゼロの居場所はどうやって特定するんだ?」
櫻井「あ…」
カトウ「…そうとう切羽詰まってんな、おまえ」
櫻井「…しょうがないだろ。いまこうしてるうちにも佐藤さんは…」
部長「まぁ、慌てたってしょうがない」
櫻井「わかってる。わかってるけど…あー!!学校なんて行ってる場合じゃない!!」
カトウ「おい、どこ行く気だ?」
櫻井「佐藤さんを探しに行く」
部長「やめとけ」
クラスメート1「そうだ、やめとけ、櫻井」
クラスメート2「そうだそうだ。おまえがいなくなったら学校の描写がなくなる」
クラスメート3「それすなわち我々の出番がなくなる」
クラスメート4「おまえ、この小説からオレらの出番がなくなったらどうなるかわかってんのか!?」
カトウ「…特に変化ないだろ」
クラスメート5「だからこそオレらには出番が必要なんだ!!」
クラスメート6「おまえらにはわかるまい。脇役の出番がなくなった先に待ってるものを」
クラスメート7「出番がなくなり、フェードアウトし、そして…存在が消える」
クラスメート8「わたしたちはいつなんときだって存在の消去に脅かされているの…」
クラスメート9「恐いのよ、ほんとは」
クラスメート10「櫻井よ。主が彼女のことを気になるのはわかる」
KASU「すぐに会いに行きたくなるのもわかる」
クラスメート11「でもだ、もう少しクラスメートを…友のことを思ってくれてもいいんじゃないのか?」
カトウ「もう行っちゃったぞ」
クラスメート12「嗚呼…これでまた死での旅路に一歩前進してしまったか…」
クラスメート13「大丈夫。わたし…みんなとなら恐くないから」
先生「おら、はやく座れおまえら。反省文書かすぞ」
クラスメート14「それで出番が増えるなら喜んで!!」
カトウ「ほんと必死だな、おまえら」
先生「え~っと…反省文がひとり見当たらんな。佐藤からは連絡があったからいいが…」
カトウ「もやは櫻井はただの反省文か…」
部長「ちょっと待ってくれ。佐藤から連絡が?」
先生「ん?正確には佐藤の姉からだが体調が悪いから休むそうだ」
部長「…メグみょんからか」
先生「あいつ最近休みがちだな…卒業する気あるのか?」
カトウ「卒業か…」
櫻井「………」
学校サボって出て行ったのはいいが…
当てがない
ってかこの前佐藤さんがいなくなったときもそうだったよな…
学習しないな、オレ
ほんと役立たずだな、オレ
櫻井「はぁー」
工場長「はぁー」
櫻井 工場長「ん?」
工場長「櫻井君!!」
櫻井「…だれ?」
工場長「いや、だれって…工場長だよ、工場長。ピンポン球工場の…」
櫻井「は?」
工場長「『は?』って…この前レストランの面接にも来てたじゃないか」
櫻井「そういえばそんなことあったような、なかったような」
工場長「ボクもまた櫻井君と働けると思って期待してたんだけどね…」
櫻井「そういえばあれから連絡ありませんでしたけどどうしたんですか?」
工場長「ごめんね。お店が爆破されちゃったから、ショッカーに」
櫻井「………」
工場長「まだ開店3日目だったのに…」
櫻井「………」
工場長「…なんかごめんね」
櫻井「同情します」
工場長「…櫻井君はこんな平日のお昼にどうしたの?」
櫻井「ちょっと人探しを…」
工場長「人探しね…」
櫻井「でもまったく当てがなくて…」
工場長「う~ん…ボクからこんなアドバイスするのはどうかと思うけど…ひとついいことを教えてあげるよ」
携帯『プルルルル』
櫻井「もしもし?」
部長『佐藤は見つかったか?』
櫻井「そう簡単にはいかないよ」
工場長「でね、古い考え方と思うかもしれないけどさ…」
部長『そうか。学校も終わったことだから昨日の続きの話をしたい。いまからわたしの家に来れるか?』
櫻井「わかった。いまから行く」
工場長「けっきょくなにが言いたいかと言うと、スパゲッティはやっぱりペペロンチーノがおいしいんだよ」
………
工場長「…あれ?。いなくなってる…」
部長家
神崎「…そろったな」
部長「さっそく話を」
神崎「そうだな。まずは佐藤の話だ」
櫻井「………」
神崎「知っての通り彼女はやつらに連れ去られた」
マヤ「連れ去られた場所とかわからないんですか?」
神崎「わからない。おそらくは新しいアジトだろうが…」
カトウ「でもそこもわからないんだろ?」
神崎「だからその場所を知ってる者に聞くしかないだろうな」
マヤ「でもレッドやメグみょんに聞くのは難しそうですよね」
部長「だからもっと聞き出しやすいやつから聞き出すことにした」
櫻井「聞き出しやすいやつ?」
部長「ショッカーだ」
マヤ「…なるほど」
櫻井「でもどうやって?」
神崎「やつらが次に襲撃してきた時にひとり連れて帰る」
カトウ「そんなおとなしく連れて来れるか?」
部長「無理矢理でも連れて帰るさ」
マヤ「でもショッカーは情報を話すと爆発するんじゃ…」
神崎「それとなく聞くさ」
櫻井「でも居場所がわかってもやつらが邪魔をしてくる」
部長「どの道やつらとの戦闘は避けられない」
マヤ「中毒者の強さの秘密がわかっても…けっきょくどうしようもないですよね?」
部長「いや、手はある」
神崎「実はこの研究成果によるとだな…適合者の能力は使えば使うほど進化するらしい」
カトウ「進化?」
神崎「能力の応用が広がったりするらしい」
マヤ「でも能力は使いすぎるとオーバーワークするんじゃ…」
部長「あまり負担にならない程度に使えってことだ」
櫻井「じゃあオレたちはまだ強くなれるってこと?」
神崎「そういうことだ」
部長「特に櫻井の能力の成長次第では結果が大きく左右されるからな…」
神崎「期待してるぞ」
櫻井「…はい」
マヤ「他になにか情報はないんですか?」
神崎「他には…特にないな」
部長「それじゃあさっそく修行でもするか」
カトウ「待った」
櫻井「なんだよ?。せっかくみんなやる気になってるのに釘さすなよ、空気読めよ、キモイんだよ、死ねよ」
カトウ「一言しゃべっただけでそれはひどくね?」
マヤ「で、なんなんですか?」
カトウ「ひとつ言っておきたいことがあって…」
櫻井「なんだよ?。とっととしゃべれよ、死ねよ、無駄にためるなよ、死ねよ」
カトウ「二回も言うなよ」
部長「で、なんなんだ?。死ねよ」
カトウ「なんで部長まで?」
マヤ「さっさと言ってくださいよ。死ねよ」
カトウ「なにこれ?。新手の伝染病?」
神崎「まぁ、それはさておき…死ねよ」
カトウ「神崎さんまで!?」
櫻井「で、けっきょくなんなだよ?。死ねよ」
カトウ「もう黙っててくれない?。いまからまじめな話するから」
部長「で、なんだ?。言ってみろ」
カトウ「…俊が生きてる」
部長「え…」
マヤ「シュン?」
神崎「…それはいったい?」
カトウ「実際に会って話したからまぎれもない事実だ」
マヤ「待って下さい。俊ってだれですか?」
櫻井「部長の彼氏で…二年前に死んだって聞いてたけど…」
マヤ「部長の…彼氏?」
部長「………」
神崎「ほんとなのか?」
カトウ「本当だ。でもどういうわけかピグマの中毒者になっちまってる」
マヤ「じゃあもしかして…」
櫻井「ピグマによる蘇生?」
カトウ「だろうな」
部長「………」
マヤ「…部長?」
部長「…よかった…ほんとによかった」
神崎「………」
部長「もうダメだと思ってた…ただの見間違えだと思ってた…」
櫻井「………」
部長「わたしはまた…俊に会えるんだな…」
カトウ「…ああ」
部長「…うそだったら…承知しないぞ」
カトウ「大丈夫。オレが保証する」
櫻井「…でも中毒者ってことはやつら側の人間ってことじゃないの?」
マヤ「空気読めよ、てめぇ」
櫻井「え?。いまマヤちゃんから聞き慣れない響きが…」
カトウ「まぁ、おまえの言う通りおそらくはやつら側の人間だろうな」
部長「関係ないさ。あいつが生きてるならそれで…」
櫻井「あともうひとつ。仮にやつらを倒せても俊ってやつは中毒者なんだろ?。だったらその後も定期的にピグマを投与しないと死んじゃうんじゃ…」
マヤ「だから空気読めっつてるだろうが!!テンメェ!!!!!」
櫻井「ご…ごめんなさい…」
部長「なんとかするさ、それぐらい」
櫻井「なんとかなるもんかね?」
カトウ「でもピグマの製造方法はわかってるんでしょ?」
神崎「ああ。川上の研究成果に書いてるからわかるが…。作るのに大分コストがかかってな…ちょっとくらいなら個人でも作れなくもないが…大量となると…」
マヤ「でもなにがともわれその俊ってひとは生きてるんですよね?。だったらなんとでもなりますよ。ね?部長」
部長「ああ。…なんとかするさ」
櫻井「で、修行っていうのはなにを?」
神崎「はやり適度に能力を使うことだろうな」
マヤ「でも適度ってどのくらいですか?」
神崎「なんかヤバいかもって思うくらいだな」
カトウ「アバウトだな、オイ」
櫻井「そういえば…」
部長「どうした?」
櫻井「部長と神崎さんは親子ですよね?」
部長「そうだが?」
櫻井「だったら部長だってピグマさえ打ち込めば適合者になれるんじゃ…」
神崎「それはダメだ!!」
櫻井「え?」
神崎「なんで薫みたいなか弱い女の子をそんな危険な目にあわせなきゃいけないんだ!!」
櫻井「あ…え…」
神崎「とにかくな、薫を危険な目にあわすのは許さん!!絶対に許さん!!」
櫻井「す、すみません」
マヤ「か弱い女子ならここにもいるんじゃ…」
櫻井「か弱さで言えばオレの方が弱いから大丈夫だよ」
マヤ「…そこはウソでもそうだねって言って欲しかったんですけどね」
カトウ「それより、修行の話だ」
櫻井「それは適度に能力を使うってことでいいだろ?」
カトウ「それじゃあ字面的にも地味だろ。それに能力が進化したって戦闘で応用できるとも限らんだろ」
櫻井「だから?」
カトウ「また道場開けてください」
櫻井「…そういうことか」
マヤ「なんなんです?いったい」
部長「模擬戦闘を交えた実戦的な特訓だな」
櫻井「アレか…オレ全然強くなれなかったんだよね」
神崎「あのときは作者が主役の能力を決めてなかったから中途半端な修行になってしまったが、いまは違う」
マヤ「そうですよ。能力があるないでは違いますよ」
部長「佐藤を助けるんだろ?」
櫻井「そうだな。オレもやるよ」
神崎「そうか…じゃあさっそく…」
道場
ドゴオオオオオオン!!!!!
櫻井「ガハッ…」
ドサッ(櫻井が倒れる音)
カトウ「相変わらず弱いな、オイ」
櫻井「だってオレ…身体能力は一般人…」
マヤ「やっぱりわたしたちが全力でサポートするしかないですね」
カトウ「次、オレが行きます」
神崎「いや、面倒だからふたりまとめてかかって来い」
マヤ「ふたりって…もしかしてわたしのことですか?」
神崎「それ以外にだれがいる?」
マヤ「一応わたしの設定って病弱ロリキャラなんですけどね…」
神崎「いいから来い」
カトウ「はぁはぁ…」
マヤ「はぁはぁ…」
櫻井(気絶)「………」
神崎「今日はここまでにしよう」
カトウ「くそ、全然ダメだ」
マヤ「さすがは元まもるんジャーレッドですね」
神崎「ふたりとも自分の能力を戦闘に生かせてない」
カトウ「生かせてないって言われてもな…。オレの能力は予め罠を仕掛けることぐらいしかできないし…」
マヤ「わたしなんかちっちゃくなったところでどうすればいいのか…」
櫻井(気絶)「………」
神崎「まぁ、考えておいてくれ」
部長「お疲れ、みんな」
学校
先生「…もうじき体育祭の時期だな」
クラスメート1「た…体育祭だと!?」
クラスメート2「ちゃ、チャンスだ!!」
クラスメート3「名前を手に入れるチャンスだ!!」
クラスメート4「っていうか高校三年にしてようやく初の学校行事だ!!」
カトウ「…たしかに学校行事は10年前の話でしかなかったからな」
部長「卒業式とか入学式とかはあったけどな」
クラスメート5「あんなの学校行事でもなんでもねえよ!!」
クラスメート6「そうだそうだ!!全部ただの世間話で終わってるじゃないか!!」
クラスメート7「このチャンスは生かさないと」
クラスメート8「悔いの残らない体育祭にするぞおおお!!!」
クラスメート一同「オォーー!!!!」
先生「あ、言い忘れてたが。この学校の体育祭は変わってるから本当の意味で悔いが残らないようにしろよ」
カトウ「なにさせる気だ?オイ」
櫻井「体育祭か…」
それまでに間に合うかな…
クラスメート1「体育祭のために…出来る限りのことはやっておくべきだと思うんだ」
カトウ「なにすんだ?」
クラスメート2「他のクラスで風邪を流行らす」
クラスメート3「他のクラスの体操着を盗む」
クラスメート4「体育祭当日に他のクラスのやつの登校を阻止する」
部長「やることが地味だな」
カトウ「もうちょっと競技で活躍しようとか思わないのか?」
クラスメート5「バカヤロー!!。オレらはまだ死にたくないんだよ!!」
カトウ「だからどんな競技させる気だ?オイ」
櫻井「………」
いまごろどうしてんのかな…佐藤さん
佐藤「………」
あれから何日くらい経ったのだろうか
いや、もう何週間も経っているのかもしれない
はやく帰らなきゃ…
カエルッて…ドコに?
佐藤「………」
そうだった…
お姉ちゃんが敵であるとわかった以上、わたしに帰る家なんてない…
そう、もうカエルところナンて…
いや、まだ…
レッド「…だいぶやつれたな」
佐藤「………」
レッド「飯だ、食え」
佐藤「…いらない」
レッド「食っておかなきゃいざというときに動けんぞ」
佐藤「…はやく…はやく帰して…」
レッド「…帰る場所なんてないくせにか?」
佐藤「帰して…。櫻井に…会いたい…」
レッド「………」
佐藤「まだあるよ…帰るところなら…」
レッド「…そうか」
佐藤「…あなたにはないの?。帰る場所が」
レッド「…ここがオレの帰る場所だ」
佐藤「…家族とか…友達とか…恋人とか…あなたにはいないの?」
レッド「………」
佐藤「会いたい人…いないの?」
レッド「…言ったはずだ、ここがオレの帰る場所だと」
佐藤「じゃあなんで…こんなことやってるの?」
レッド「生きたいから…それだけだ」
佐藤「生きたい…から?」
レッド「たとえ何を犠牲にしても、何人犠牲になったとしても…生きたいから。それだけだ」
佐藤「………」
レッド「次はこっちの質問に答えてもらおうか」
佐藤「………」
レッド「なぜおまえらが中毒者のことを知ってた?」
佐藤「………」
中毒者?
なんだ?それは
レッド「だれから聞いた?」
佐藤「…知らない。知ってたとしても…素顔も見せない人に教えたくない…」
レッド「…見たいのか?」
佐藤「…まぁ」
レッド「そうか…後悔するなよ」
スッ…
佐藤「え…」
レッド「………」
佐藤「な、なんで…」
レッド「これが…おまえが見たかったものだ」
佐藤「さ…櫻井…」




