悪将軍が残したもの
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佐藤「………」
櫻井「…メグみょんが?」
部長「もう一度言うが…確証はない」
カトウ「だが先生は実際見たんだろ?」
部長「…ああ」
佐藤「………」
マヤ「大丈夫ですか?佐藤先輩」
佐藤「…大丈夫」
櫻井「あ、あんまり無理しない方がいいと思うよ」
佐藤「………」
部長「?」
マヤ「あ、そういえばケンカ中でしたね」
部長「そうなのか?」
櫻井「ま、まぁ…ちょっと…」
佐藤「…わたし帰る」
マヤ「え?」
佐藤「…お姉ちゃんに…直接聞いてくる」
部長「待て、佐藤。仮に恵さんがやつら側の人間なら聞いたって教えるわけがない」
佐藤「…じゃあ、どうすれば…」
カトウ「マークしとくぐらいしかできないんじゃねえの?」
部長「まぁ…そうだな」
佐藤「…それはいや」
マヤ「先輩?」
佐藤「…わたしは直接聞いて来る」
部長「…わかった、なら止めない」
佐藤「…ありがと」
部長「佐藤がいなくなったが…もうひとつ話がある」
櫻井「なんですか?」
部長「おまえらがショッカーをやっていたときのアジトがあるだろ?」
マヤ「あ、はい。そうですね」
部長「いまあそこはもぬけの殻になってるんだ」
櫻井「ってことはいまのショッカーはまた別のアジトを作ったの?」
部長「おそらくはな」
カトウ「で、もしかしたらなにか手がかりが残ってるかもしれないから調べるのか?」
部長「ああ。だから今日の夜は開けといてくれ」
マヤ「佐藤先輩は?」
部長「わたしからメールしとく」
佐藤家
携帯『プルルルル』
佐藤「…メール…部長から…」
メール「今日の深夜12時、公園集合」
佐藤「…12時か…」
それまでにお姉ちゃん帰って来るかな…
夜
部長「けっきょく佐藤は来ないか…」
カトウ「まぁ、いいんじゃないの?」
マヤ「『いいんじゃないの?』はひどくないですか?」
櫻井「………」
神崎「待っていてもしかたがない。来ないなら行こう」
カトウ「あれ?護さんも来たんですか?」
神崎「まぁな」
マヤ「あ…えっと…部長のお父さんですよね?」
部長「そうだが?」
マヤ「え~っと…はじめまして、中山マヤです」
神崎「薫がいつもお世話になってます」
カトウ「あれ?ふたりって初めてだったっけ?」
マヤ「いや、会ったことは何度もあるんですけど…」
神崎「ゆっくり話せる機会は今回が初めてだな」
部長「だがゆっくり話してる時間はない、さっさと行こう」
佐藤家
メグみょん「ただいまー」
佐藤「…おかえり」
メグみょん「あれ?起きてたの?」
佐藤「…うん。帰ってくるの待ってた」
メグみょん「え、そうなの?。なんで?」
佐藤「…聞きたいことがあって…」
メグみょん「ならメールで聞いてくればよかったのに…」
佐藤「…どうしても直接聞きたかったから」
メグみょん「…どうしても?」
佐藤「…うん、どうしても」
元ショッカーアジト
部長「着いたな」
櫻井「………」
マヤ「…立ち入り禁止って書いてますね」
カトウ「関係ない、さっさと行こう」
部長「早く来ないとおいてくぞ」
マヤ「あ、ちょっと待って下さいよ」
神崎「…やはり中はもぬけの殻か…」
カトウ「なんにも残ってないな」
部長「紙切れ一枚でもいいからなにか探そう」
櫻井「………」
カトウ「ってかおまえさっきから一言もしゃべってないな」
マヤ「佐藤先輩のこと心配なんですか?」
櫻井「ん、まぁ…」
カトウ「そんな仲直りしたいなら謝罪メールのひとつやふたつ送ればいいだろ」
櫻井「いや、そうじゃなくて…」
部長「なんならわたしが代わりにメールを送ってやろうか?」
櫻井「遠慮します」
マヤ「…ダメです。ほんとなんにも残ってません」
カトウ「やっぱり全部回収されてるか…」
マヤ「あと調べてないのは悪将軍の部屋くらいですね」
神崎「あいつの部屋なんてあったのか?」
カトウ「一応な」
マヤ「ここがその部屋です」
神崎「ここか…」
ガチャ(ドアを開ける音)
部長「…やはりなにも残っていないか…」
カトウ「さっさと他のトコ探そう」
神崎「いや、待て」
マヤ「どうかしたんですか?」
神崎「悪将軍の…川上のことだ、絶対になにか残してるはず…」
カトウ「でもなんも残ってないじゃん」
神崎「あいつだったらどうするか…。やつらにバレることなく、ヒントを残す方法…」
カトウ「あいつはそんなことしねえよ」
部長「なんだ?。決めつけるなんてらしくないな」
カトウ「………」
部長「わたしが以前、この部屋に侵入したときのことだが…」
マヤ「…部長ってこの部屋に入ったことがあるんですか?」
櫻井「マヤちゃんがいなくなった後、このアジトに侵入したことあるんだよ、部長は」
マヤ「さすがですね…」
部長「この部屋でわたしは写真を見たんだ」
カトウ「写真?」
部長「ああ、小さい頃のおまえが映ってる写真だ」
カトウ「………」
部長「この部屋にあったパソコンのパスワードもおまえの名前だった」
カトウ「…それがなんだよ?」
部長「おまえの父親はおまえのことをずっと思ってたってことだ」
カトウ「だからなんだよ?」
櫻井「カトウ?」
カトウ「思ってるからってなんだよ…けっきょくあいつはやつらのいいなりになってるだけじゃねえか…」
マヤ「………」
カトウ「けっきょく…なんにもできてねえじゃねえかよ…」
神崎「いや、ひとつできることがある」
櫻井「できること?」
神崎「ああ、ひとつだけやつらにバレることなくヒントを残す方法がある」
マヤ「いったいどうやって?」
神崎「やつの能力をおぼえているか?」
櫻井「透明人間化でしょ?」
神崎「正確には透明にする能力のはずだ、人でも物でも」
櫻井「確かに着ていた衣服も消えてたしな」
マヤ「それがなにか?」
神崎「もしこの部屋に透明にした何かを残していたら?」
部長「どうやって?」
神崎「それはわからない」
カトウ「それになにか残してるにしても、どうやってそれを見つけるんだよ?」
神崎「それが可能な人物がいるだろ」
部長「…あ、そうか」
神崎「適合者の力を打ち消す能力…櫻井君、君の能力なら」
櫻井「オレの能力?。櫻井エクストリームアルバトロスレジェンドですか?」
神崎「そう、君の櫻井エクストリーム…なんて?」
櫻井「櫻井エクストリームアルバトロスレジェンドです」
神崎「長いな…SEALでいいだろ」
櫻井「けっきょく略された…」
神崎「とにかく、SEALなら見つけられるはずだ」
櫻井「で、でも悪将軍は死んでるのに能力が発動したままってあり得るの?」
部長「さあな、だがあり得ても不思議ではない」
櫻井「それにオレは対象者に触らないと打ち消せないし…」
神崎「適合者の能力を打ち消すぐらいなら触らなくてもできるかもしれんな」
櫻井「でも…」
マヤ「いいからさっさとやってみましょうよ」
部長「そうだ、減るもんじゃないし」
櫻井「…わかりましたよ」
カトウ「………」
マヤ「………」
神崎「………」
部長「………」
櫻井「…SEAL」
櫻井「………」
マヤ「…なにも変化はありませんね」
神崎「いや、ビンゴだ」
櫻井「え?」
部長「壁を見てみろ」
マヤ「も、文字が書いてある…」
櫻井「これは…赤いペンキかなにかかな?」
神崎「いや…血だ」
カトウ「…血?」
神崎「ああ。なるほどな、やつも考えたもんだ」
部長「たしかに適合者の力は血で決まる。その力の源である血なら能力者が死んでも効果が発動し続けてもおかしくない」
マヤ「…で、これはなにが書いてあるんでしょうか?。宝の地図みたいに見えますけど…」
神崎「もしかしたらなにかそこに埋めたのかもな…」
マヤ「あ、これってもしかしてさっきの公園じゃないですかね?」
部長「そうだな、行こう」
佐藤家
メグみょん「それで、聞きたいことって?」
佐藤「最近…先生に会った?」
メグみょん「先生?。それって彩の担任の先生ってこと?」
佐藤「…そう」
メグみょん「最近ねえ…。あ、たしかに会ったよ」
佐藤「…いつ?」
メグみょん「いつって…ショッカーが再び現れる前だから三週間前くらいかな?」
佐藤「…なんで?」
メグみょん「なんでって…なにが?」
佐藤「…なんで先生と会ったの?」
メグみょん「え~、なんでって…会っちゃダメなの?」
佐藤「…いや、そういうわけじゃ…」
メグみょん「なんか聞くことが回りくどいよ。単刀直入に聞いてくれないと」
佐藤「…じゃあ…先生をまもるんジャーに勧誘した?」
メグみょん「ん?。したけど?」
佐藤「え…」
メグみょん「それがどうかした?」
佐藤「…な、なんで…」
メグみょん「なんでって…そりゃあ先生が元まもるんジャーだからじゃない」
佐藤「…でも…どうして…」
メグみょん「どうしてって…人を正義の味方に勧誘することがいけないこと?」
佐藤「……い、いや」
メグみょん「それに彩だってまもるんジャーじゃない。なにかおかしなとこでもある?」
佐藤「………」
でも…なにか引っかかる…
メグみょん「で、それを聞くためにわざわざ待ってたの?」
佐藤「…うん」
メグみょん「そんなのメールで聞いてくれればよかったのに…」
佐藤「………」
そういえば…
佐藤「…お姉ちゃん」
メグみょん「なに?」
佐藤「…なんでお姉ちゃんは先生を勧誘したの?」
メグみょん「それはさっき言わなかった?」
佐藤「そうじゃなくて…なんでショッカーが再び現れる前に勧誘したの?」
メグみょん「………」
佐藤「…おかしいよね?。…それってもう一回ショッカーが出て来るのを知ってたってことだよね?」
メグみょん「………」
佐藤「お姉ちゃん……わたしになにか隠してない?」
メグみょん「………」
佐藤「ねえ。お姉ちゃんは…わたしの味方だよね?」
メグみょん「ふふふ…」
佐藤「…お姉ちゃん?」
メグみょん「…彩」
佐藤「………」
メグみょん「ちょっと…知り過ぎたね」
佐藤「…おねえ…ちゃん…」
公園
神崎「…だいたいここら辺だな」
マヤ「掘り返しましょう」
ザッザッ(掘り返す音)
櫻井「………」
カトウ「ほんとになんか埋まってるのかね」
神崎「埋まってるさ、絶対」
部長「…なにか出て来たぞ」
マヤ「…箱ですね」
神崎「…この箱は…」
マヤ「なにか知ってるんですか?」
神崎「まぁな。だがいまは関係ない、はやく開けよう」
パカッ
マヤ「これは…ファイルですね」
神崎「おそらく…あいつが残した研究成果ってところか」
部長「研究成果?」
神崎「ちょっと待ってくれ、いま確認するから…」
櫻井「………」
マヤ「さっきから黙ってますけどどうしたんですか?。久しぶりの自分の活躍に酔いしれてるんですか?」
櫻井「いや…」
マヤ「ならどうしたんですか?」
櫻井「やっぱり佐藤さんのことが心配で…
マヤ「そんなに心配ですか」
櫻井「だってもしメグみょんが敵だったら…佐藤さんもただじゃ済まないだろうし…」
部長「心配するな。まだ恵さんが敵と決まったわけじゃないし、それに仮に敵だとしてもむやみやたらに手を出さないさ」
櫻井「どうしてですか?」
部長「佐藤はまもるんジャーだからだ」
櫻井「………」
神崎「…なるほどな。やはり研究成果だな、これは」
マヤ「研究成果?」
神崎「ショッカーやまもるんジャーの力はある薬によるものだということは知ってるな?」
マヤ「はい」
神崎「実はその薬は川上が作ったものなんだ」
カトウ「………」
神崎「悪将軍となった後もその薬の研究を続けてたんだろうな」
部長「じゃあそこに書かれてるのはその成果?」
神崎「そういうことだ」
マヤ「じゃあもしかしたらやつらの強さの秘密もわかるってことですか?」
部長「かもな」
神崎「読むぞ。『これはわたしが悪将軍として生きた10年間のピグマの研究成果である』」
カトウ「…ピグマ?」
神崎「『ピグマとは血液に混ぜることで爆発的に身体能力をあげるとこができる薬である』」
部長「ショッカーやまもるんジャーに打ち込まれた薬のことだろうな」
マヤ「なんでピグマって名前なんでしょうかね?」
神崎「『わたしは元科学者でピグマの開発者である』」
カトウ「………」
神崎「ここから先はしばらくピグマの製法とかが書いてあるが…いまは読むのをやめておこう」
マヤ「まぁ、読むのやめようっていうか作者も知らないだけなんですけどね」
櫻井「………」
神崎「『ピグマを打ち込まれた者の中には著しく身体能力が上がる者がいる。わたしはそれを適合者と呼ぶことにした』」
マヤ「わたしたちのことですね」
神崎「『適合者は各々違った特殊な能力を使うことができる』」
マヤ「なんだかわたしたちがすでに知ってることばっかりですね」
神崎「そうだな。知ってることは端折ろう」
マヤ「それにしても…なんでピグマなんでしょうかね?」
部長「そんなに気になるのか?」
マヤ「ピグマってなんだか可愛らしいネームじゃありません?」
部長「まぁな」
マヤ「わたし的にはもっとイカツイ名前のイメージなんですよね。ハローキテェみたいな」
部長「イカツイか?それ」
神崎「『適合者の能力は脳に負担がかかる』」
カトウ「…脳に?」
神崎「『そのため能力の連続使用、長時間の使用は多大な負担となる』」
マヤ「…それは初耳ですね」
神崎「『そして脳の限界まで能力を発動すると気を失い、場合によっては…記憶喪失に陥る』」
部長「…記憶喪失?」
カトウ「じゃあ…もしかして先生って…」
マヤ「メグみょんさんもそうかもしれませんね」
神崎「『それをオーバーワークと名付けた』」
部長「先生とメグみょんの記憶喪失は能力の使い過ぎによるオーバーワークによるものか…」
神崎「『そして…ピグマにはもうひとつ特徴的な効果がある』」
部長「特徴的な効果?」
神崎「…『死者の蘇生である』」
マヤ「え?」
櫻井「…死者の…蘇生?」
神崎「『死体にピグマを大量に投与することで蘇生するケースがある』」
マヤ「す…すごい…」
神崎「『ただし、死後一時間以内にピグマを投与した場合に限り、蘇生に成功する確率は限りなく低い』」
部長「確率が低いとはいえ、そんなことが…」
神崎「『そしてもうひとつ。その方法で蘇生した者は中毒者となる』」
カトウ「中毒者?」
神崎「『中毒者は定期的にピグマを投与しなければ身体の機能が停止し、最終的には死に陥る』」
マヤ「…ようするに薬に頼らなきゃ生きていけなくなるんですね」
神崎「『また、ピグマの投与によって蘇生しても心臓は再び動き出すことはない』」
部長「…心臓が?」
カトウ「………」
神崎「『ピグマが代わりの機能を果たすためである』」
マヤ「つまりは心臓は動いてないんですね」
櫻井「…だったら…ゼロだって…」
カトウ「生きててもおかしくないな」
神崎「『そして…驚くべきは中毒者の身体能力。その身体能力は適合者をもはるかに凌ぐ』」
櫻井「…やっぱりゼロは…」
カトウ「中毒者だろうな」
マヤ「先輩の言う通りレッドはゼロかもしれませんね」
神崎「…どうやらこの研究成果はもっとくわしく調べてみる必要があるな」
マヤ「じゃあ、今日はもう遅いし解散ですか?」
神崎「…いや、少し待ってくれ」
カトウ「…なんだ?」
神崎「最後の方に気になることが…」
櫻井「気になること?」
神崎「え~っと…『もうひとつ話しておきたいことがある。ショッカーのことである』」
櫻井「………」
神崎「え~っと…ちょっと端折るぞ。『そしてやつらの内のひとりの名前を特定することができた』」
カトウ「やつらっていうと…黒幕のことか?」
部長「おそらくはそうだろうな」
神崎「『その者の名は…佐藤恵』」
櫻井 カトウ 部長 マヤ「!!」
神崎「佐藤…恵…」
マヤ「や、やっぱり…メグみょんさんが…」
カトウ「…これはマズいんじゃないのか?」
櫻井「佐藤さんが危ない!!」
部長「オ、オイ、待て、櫻井!!」
佐藤家の前
ドン!!ドン!!(ドアを叩く音)
櫻井「佐藤さん!!佐藤さん!!」
ドン!!ドン!!
櫻井「いたら返事して!!」
部長「返事は?」
櫻井「ないです!!」
カトウ「どいてろ、オレが突き破る」
ガチャ(ドアが開く音)
佐藤「…うるさい」
マヤ「さ、佐藤先輩…」
部長「よかった…無事だったんだな」
佐藤「…いま何時だと思ってるの?」
部長「悪い悪い。だか緊急事態なんだ」
櫻井「………」
佐藤「…緊急事態?」
マヤ「とりあえず…どうしますか?」
部長「とりあえずわたしの家に行こう」
佐藤「え?。いまから?」
櫻井「………」
カトウ「メグみょんはいるのか?」
佐藤「え?お姉ちゃんならいま…」
櫻井「…違う」
マヤ「え?」
櫻井「そいつは佐藤さんじゃない!!」
部長「なに言って…」
櫻井「おまえは…だれだ!?」
佐藤「…よく…わかりましたね。わたしが…」
メグみょん(佐藤だった人)「偽者だってことを」
マヤ「な…」
部長「変身しただと…」
カトウ「…なるほどね。あんたいまの悪将軍ってわけだ」
メグみょん「バレちゃいましたか…。それにしても、よくわかりましたね」
櫻井「なんか違和感を感じてね」
部長「ほんとに敵だったんですね…あなたが」
メグみょん「………」
櫻井「佐藤さんはどこだ?」
メグみょん「いまは家の中で寝てもらってますよ」
マヤ「…だったら…」
櫻井「おまえを倒して助けだす」
メグみょん「…5対1ですか。さすがに分が悪いですね…」
カトウ「おまえを捕らえて洗いざらい吐いてもらうか」
メグみょん「…それは困りますね」
櫻井「メグみょん…どうしてあなたは…」
メグみょん「まぁ、話してもいいんですけどね…。お客さんが来たんでいまはやめときましょう」
カトウ「お客さん?」
神崎「見てみろ、屋根の上だ」
部長「あいつは…」
レッド「………」
カトウ「…なるほど。最悪のお客さんだ」
櫻井「…ゼロ」
メグみょん「わたしは彩を運ぶので、あとは頼みましたよ」
レッド「………」
櫻井「待てよ!!佐藤さんをどこに連れて行く気だ!?」
メグみょん「それは…ヒミツです」
カトウ「部長はちょっと離れてて」
部長「…わかった」
マヤ「櫻井先輩も離れた方がいいんじゃないですか?」
櫻井「オレがいなきゃ勝てないでしょ?」
マヤ「それもそうですね」
神崎「わたしたちは君のサポートに回る。だから君はスキを見つけ次第…」
櫻井「わかってます」
メグみょん「果たして…そう簡単に行きますかね?」
カトウ「え?。ガハッ!!」
櫻井「カトウ!!」
マヤ「キャア!!」
神崎「グハッ!!」
櫻井「マヤちゃん!!神崎さん!!」
レッド「あとはおまえだけだな」
櫻井「………」
メグみょん「あれ?もう終わったんですか?」
佐藤(気絶)「………」
櫻井「佐藤さん!!」
部長「気を抜くな!!櫻井」
櫻井「ガハッ」
ドサッ(櫻井が倒れる音)
部長「なんて強さだ…」
レッド「………」
部長「これが…中毒者の力…」
メグみょん「あれ?ご存知でしたか」
レッド「…とっとと終わらそう」
ウウゥゥ!!(パトカーの音)
メグみょん「あら?だれか通報したんですかね?」
レッド「………」
メグみょん「面倒になる前にずらかりましょうか」
レッド「…そうだな。これに懲りてもう歯向かって来るのはやめることだな」
メグみょん「その通りです。力の差は歴然ですし」
部長「…だがおまえは櫻井に一度負けてるんだぞ」
レッド「………」
部長「櫻井さえいればおまえひとりくらい倒せるさ。中毒者のおまえさえ倒せれば…あとはどうにでもなる」
レッド「………」
メグみょん「果たしてどうなんでしょうね?」
部長「倒せるさ」
メグみょん「…そうですか。だったら良いこと教えてあげますよ」
部長「…いいこと?」
メグみょん「こちらにはあとふたり、中毒者がいます」
部長「なん…だと…」
メグみょん「ですから…あなたがた五人で何とかなるようなことじゃないんですよ」
部長「………」
櫻井「そんなことは…ない…」
メグみょん「もう目を覚ましちゃいましたか」
レッド「しゃべり過ぎだ」
メグみょん「そうですね。そろそろ行きましょう」
櫻井「待て…よ…」
メグみょん「また会いましょうね、櫻井さん」
佐藤「………」
櫻井「くそ…佐藤さん…」
ウウゥゥ!!(パトカーの音)
さかもっちゃん「君たち!!ケンカはいけない…ってあれ?」
部長「よかった。坂本か」
さかもっちゃん「これはいったい?」
部長「せっかくだから送ってくれ。道中で話す」
マヤ「せ、狭いです…」
さかもっちゃん「そりゃあこのパトカー4人乗りだもん」
カトウ「じゃあさかもっちゃん降りてよ」
さかもっちゃん「君は警察官からパトカーを横領する気かな?」
櫻井「…佐藤さんは?」
部長「…やつらに連れて行かれた」
櫻井「だったらすぐ追いましょうよ」
カトウ「アホ。もう見失っちまったよ」
神崎「仮に追いつけたとしてもやられることが目に見えてる」
部長「安心しろ。まもるんジャーである佐藤にそう簡単に手を出さないさ」
櫻井「でも…」
マヤ「慌てたってしょうがないですよ」
カトウ「そうそう、一休み一休み」
部長「まぁ、たしかに眠いな」
さかもっちゃん「ここら辺であってる?」
カトウ「ほら、櫻井。お前ん家着いたぞ」
櫻井「なんで?」
マヤ「なんでって一番家が近かったのは櫻井先輩の家だからじゃないですか」
櫻井「そうじゃなくて佐藤さんが連れ去られたのに寝てなんていられないって意味」
カトウ「アホか。休めるうちに休んどけ」
櫻井「だから…」
部長「やつらは絶対に再び現れる。そのときの為に休めるときに休んどけ」
櫻井「…わかりましたよ」
バタン(パトカーから出て来る音)
部長「例の研究成果のことは後日詳しい話を話す」
マヤ「それじゃあ、先輩」
カトウ「じゃあな」
神崎「しっかり寝るんだぞ」
櫻井「へいへい」
ブロロロロ(パトカーが発進する音)
なんかみんな落ち着いてるな…
慌てたって意味がないのはオレだってわかってるんだけどな…
落ち着いていられない
チュンチュン(鳥の声)
櫻井「…もう朝か」
いまは休もう
大丈夫…
櫻井「絶対助けるから…佐藤さん」
ブルー「お疲れさま」
佐藤(気絶)「………」
メグみょん「え~っと…ちょっと報告があるんですけど」
ブルー「…なんですか?」
メグみょん「わたしの正体、バレちゃいました」
ブルー「そうですか…。まぁ、問題はありません」
メグみょん「ならいいんですけど…。じゃあ、わたしは失礼します」
レッド「…ほんとにいいのか?」
佐藤(気絶)「………」
ブルー「かまいません」
レッド「…だが…」
ブルー「わたしは…あなたのためならなんだってやるよ、和」
レッド「………」




