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悪の手先の風上にも置けぬ  作者: なおほゆよ
第3章 ラストバトル編
59/95

そういえばこいつら全然高校生っぽいことしてないよね


Write55


終業式


ザアアアア(雨の音)


校長「え~、雨のなかですが…とうとう三学期も終わって…」


櫻井「ようやく三学期も終わりか…」


下等「案外長かったよな、三学期終盤」


櫻井「まぁな」


校長「え~、この世には大切な木がみっつありまして…」


下等「それより櫻井、なんだおまえ昨日のデートは?。あれでも主役か?おまえ


櫻井「おまえ…佐藤さん隣にいるんだから説教なら後にしろよ」


佐藤「………」


下等「バカやろ、おまえらふたりに説教すんだよ。まずは櫻井、おまえ死ね」


櫻井「ストレートだな、オイ」


下等「それで佐藤の方だが…」


櫻井「オレの説教それだけ?死刑宣告だけ?」


部長「おまえのはあからさまだからな」


下等「それで佐藤の方だが…おまえは櫻井にまかせっぱなしだ」


佐藤「………」


下等「おまえもある程度積極性を持たなきゃダメだ。登場三言目で告白したおま

えはどこにいった!!」


佐藤「…下等の分際で…」


校長「本というのは心の栄養でありまして…」


下等「まぁ、そういうわけでおまえらのデートは100点中3点だ。今度からも

っと読者をキュンキュンさせるデートをしろ」


櫻井「けっきょくおまえも読者の目線を気にしてんじゃねえか」


部長「まったく…おかげでこっちは一日無駄にしたんだぞ」


櫻井「部長まで…。というか、そういう部長はどうなんですか?」


部長「なにがだ?」


櫻井「下等の恋愛経験がカスなのは知ってますけど、部長は人のデートに口出し

できるほど恋愛経験あるんですか?」


佐藤「…そういえば…あんまり聞いたことない」


櫻井「あんがい下等とデキてたりすんじゃないのお?」


部長「わたしが?下等と?…ふっ、ないな」


下等「…そうだよ、てめえオレの現実の恋愛経験の浅さなめんなよ!!」


櫻井「強調するなよ」


校長「まぁ、そういうわけでね、春休みの始まり始まり」




ザアアアアア


下等「とうとう春休みか…去年の春休みはどんなんだったっけ?」


櫻井「たしか4行で最終日になったんだよな」


下等「なんてさみしい春休みなんだ…」


部長「どうする?この後どこか行くか?」


下等「行こう、今年の春は違うってことを見せてやる」


櫻井「だれにだよ?」


佐藤「…それで…どこ行く?」


部長「う~ん…雨降ってるからな…室内系だな」


下等「カラオケとか?」


櫻井 佐藤「いやだ!!」


下等「…なぜ?」


櫻井「だって…わけがわからない…どうしてわざわざお金まで払って人前で歌わ

なきゃいけないんだ…」


佐藤「…どうしてみんなテストいやだ、とか言ってるのにわざわざ採点なんてす

るのか…」


櫻井「あの密室は逃げ場のない地獄!!」


佐藤「あのマイクは恥を公にする悪魔の手先!!」


櫻井「イケルと思って歌ってもけっきょく出せない高音!!」


佐藤「イケルと信じて声を張った分…恥ずかしさは倍増する!!」


櫻井「この17年、いろいろなことがあったさ…」


佐藤「悲しみの涙で明日の光も見えないときもあった…」


櫻井「羞恥心の檻に縛られ全てを投げ出したいことも多々あった…」


佐藤「でも…わたしの人生…」


櫻井 佐藤「あれほど死にたいを思った時はない!!」


下等「…ようするに…音痴だと?」


櫻井 佐藤「なにが悪い!!」


部長「よし、じゃあ行くか、カラオケ」


櫻井 佐藤「いやだあああああああ!!!!!!!!」




カラオケ


下等「ポテトポテトポテトポテトポテト♫ポテトポテトポテトポテトポテト

、伝説のポテト~♫」


部長「はいはいはいはい!!」(合いの手)


下等「ポテトポテトポテトポテトポテト♫ポテトポテトポテトポテトポテト

、でも伝説のポテトー♫」


部長「いいぞぉ、下等」


下等「どうもありがとー!!」


櫻井「…なんだ…いまの歌は…」


佐藤「………」


下等「さあ、次はおまえの番だ、櫻井」


櫻井「いやだ…いやだいやだいやだいやだあああああ!!!!!」


部長「ほら、佐藤もいっしょに歌え」


佐藤「やめてよ…わたしにそんなことさせないで!!」


部長「いいからいいから」


佐藤「待って…わたしまだ死にたくないの!!」


下等「ほら、マイク持て、櫻井」


櫻井「マイク…こいつさえこの世に存在しなければ…」


部長「ほら、その憎しみを歌にぶつけろ」


下等「お、始まるぞ」


ジャンジャンジャン(イントロ)


櫻井「…とうとう…このときが来てしまったか…」


佐藤「…はぁはぁ…」


櫻井「気をしっかり、佐藤さん」


佐藤「わたし…はぁはぁ…もう…ダメ」


櫻井「あきらめちゃダメだ!!まだこれからなんだ!!」


佐藤「でも…はぁはぁ…ガハッ!!」


ドサッ!!


櫻井「佐藤さん!!」


佐藤「ごめん…櫻井…わたしはもうここまで…」


櫻井「待ってよ…まだ行かないでよ!!」


佐藤「ごめんね…」


櫻井「いやだ!!こんなの…夢だ!!絶対に夢だ!!」


佐藤「夢じゃない…アレも…コレも…」


櫻井「でも…オレ、おまえがいないと進めないよ…。ひとりじゃ未来への扉も開

けられないよ…」


佐藤「その手で…ドアを開けましょう…。祝福が…ほしいなら…」


櫻井「祝福?…ねえ、オレどうすればいいの?」


佐藤「悲しみを知り…ひとりで泣きましょ…」


櫻井「え……」


佐藤「…そして…輝く」


櫻井「ウルトラソウル!!!♫」


佐藤「はぁい!!♪」


下等「なんじゃそのコント?」





下等「鬼、鬼、鬼、鬼鬼鬼♪鬼、鬼、鬼、鬼鬼鬼♪」


部長「いいぞぉ、下等」


櫻井「…だからそれなんて歌?」


下等「ふぅ~、つかれたあ」


部長「さっきから何曲も歌ってるからな」


櫻井「あのクゥオリティの歌を?」


佐藤「…ねえ、櫻井」


櫻井「なに?」


佐藤「…カラオケってさ…案外書くことないよね」


櫻井「…書くこと?」


佐藤「ようするに…ネタ」


櫻井「ああ、作者の目線の話ね」


佐藤「どうしよ…なんか中途半端だけどこの辺でカラオケ終わりにしてもいいか

な…」


櫻井「まだコントしかやってないよ、オレら」


佐藤「でもね…ほんと案外書くことないの」


櫻井「まぁ、普通に歌っててもおもしろくないしね」


佐藤「なんかやろうよ」


櫻井「なんかってなにを?」


佐藤「わからない…でもなにかオチがないと終われない」


櫻井「じゃあウルトラソウルの部分で終わらせればよかったのに…」


佐藤「それだとせっかくのカラオケがすぐに終わってしまう…」


櫻井「ん~…オチねえ…」





下等「トマトトマトトマトトマト、単体のトマト~♫トマトトマトトマトト

マト、その独特のトマト~♫」


部長「いいぞお、下等!!」


櫻井「さっきも同じような歌だったよね?」


佐藤「…ネタなんてとっとくに尽きてるよ…作者は」


櫻井「そしてさっきから部長『いいぞお、下等』しか言ってないぞ」


部長「………」


櫻井「…ってか…なんやかんやで部長まだ一回も歌ってないよね?」


部長「…ギクッ…」


佐藤「…珍しいね、部長が『ギクッ』だなんて…」


下等「そういえば…部長が歌ってるとこ見たことないな」


櫻井「それでも幼なじみか?オイ」


佐藤「…歌ってよ、部長」


部長「………」


佐藤「…はやく」


部長「ま…待ってくれ、ちょっと今日はのどの調子が…」


櫻井「さっきまで『いいぞお』とかノリノリで言ってたくせに?」


部長「………」


佐藤「…はやく」


下等「ブ、チョ、ウ!!」


櫻井「ブ、チョ、ウ!!」


佐藤「ブ、チョ、ウ!!」


部長「………」


櫻井 下等 佐藤「ブ、チョ、ウ!!」


部長「わかったわかった。歌えばいいんだろ?」


下等「いよ、部長!!」


櫻井「待ってました!!」


佐藤「…ウズウズ…」


タラ~(イントロ)


部長「…後悔するなよ?」


櫻井「はっ?」


部長「ディメンションにペペロンチーノ。ノーマークはゴルゴンゾーラ。ドーバ

ー海峡でサマーソルト。轟け、わたしのドキュメンタリー!!!!」


櫻井「えええええええ?????その曲!?」


佐藤「…まさかこの曲しか知らないとか?」


部長「だから歌いたくなかったんだああああああ!!!!!!」





ザアアアアア(雨の音)


櫻井「いや~、なかなかカラオケ楽しめましたね、部長」


部長「………」


佐藤「…アレをあの後3回も歌うなんて部長も物好きだね」


部長「それはおまえらが…」


下等「いやいやいや、なかなかの歌声でしたぜ、姫さんよ」


部長「この野郎…ほんとに戸籍消してやろうか…」


佐藤「…消してなかったの?」


部長「まぁ、そんな価値もないやつだし」


櫻井「ってか懐かしいネタだな、戸籍って」


下等「ほんとだな…ってか消してないならオレなんのためにゲリラライブしたん

だろ…」


櫻井「愛を伝えるためだろ?」


下等「それはそうと…部長もなかなかの音痴だったんだな」


部長「………」


櫻井「ってか幼なじみのくせに知らないのかよ…」


下等「中学校時代はよくカラオケ行ってたんだけどな…」


櫻井「行ってて知らないってことは…おまえひとりで歌いっぱなしだったのか?


下等「いや、あの頃はよく…三人で行ってたし…」


櫻井「三人?」


部長「………」


佐藤「あ…赤信号」


下等「うわ~、捕まっちゃったよ。ここの信号長いんだよなあ…」


ブロロロロロ(車の音)


三人って、だれとだよ?


下等「そういえばこの大通りってさ…」


そう聞こうとしたけど…なんかタイミングを逃した


佐藤「…そういえば部長と森ちゃんとでこの近くの店行ったよね?」


部長「………」


ドサッ(カサを落とす音)


佐藤「…部長?」


ザアアアアアア!!


部長「…俊」


下等「えっ…」


櫻井「部長?


部長「俊!!」


下等「ば、バカ!!危ねえ!!」


キキイイイイイ!!!!


下等「きゅうに飛び出すなよ!!危ねえ!!」


部長「いま向こう側に俊がいたんだ!!」


下等「おまえなに言って…」


佐藤「あ…信号青になった」


部長「俊!!」


櫻井「ちょ、待って下さい!!部長!!」




部長「俊!!俊!!」


櫻井「やっと追いついた…」


佐藤「…きゅうにどうしたの?」


部長「いまここに俊がいたんだ!!」


櫻井「俊?」


下等「…部長」


部長「下等、いまさっき俊がここにいたんだ!!」


下等「部長」


部長「探すぞ!!まだこの辺にいるはずだ!!」


下等「部長!!」


櫻井「…下等?」


下等「いい加減にしろよ!!ここに俊がいるわけないだろ!!」


部長「…でも…」


下等「見間違えだ、おまえの」


部長「でも…わたしが俊を見間違えるわけない…」


下等「…勝手にしろ」


櫻井「お、おい。待てよ、下等」


佐藤「…はい、傘。濡れるよ、部長」


部長「ああ…ありがとう」


櫻井「ま、まぁ、オレも探すの手伝おうか?」


佐藤「うん…手伝うよ」


部長「いや、いい。おまえらは下等といっしょに帰ってくれ」


櫻井「でも…」


部長「いいから、頼む」


佐藤「…いいの?ほんとに」


部長「大丈夫だ。気にしないでくれ」





下等「………」


櫻井「下等」


下等「なんだよ?」


佐藤「おまえ…あんな言い方はない」


櫻井「そうだよ。べつにあんな言い方しなくてもいいだろ?」


下等「………」


櫻井「で、俊ってだれだよ?」


下等「俊は…部長の彼氏だ」


佐藤「え…」


櫻井「部長って彼氏いたの!?」


下等「…ああ」


佐藤「…初耳」


櫻井「ってかそれならなおさらいっしょに探そうぜ。オレ見たいもん、部長の彼

氏」


佐藤「…わたしも」


下等「やめとけ。探したって…見つかるわけねえ」


櫻井「いやいやいや、それは探してみないとわからんだろ」


佐藤「…そうだそうだ」


下等「探したって無駄だよ…」


櫻井「なんでおまえそんなこと言い切れるんだよ?」


下等「…俊はもういないんだ、この世のどこにも…」


佐藤「え…」


ザアアアアア…


櫻井「それ…どういう意味だよ?」


下等「…そのままの意味だ」


佐藤「…死んだの?」


下等「いや…殺された」


櫻井「………」


下等「二年前に…オレたちの目の前で」




ザアアアアア


櫻井の家


櫻井「………」


なんか元気がでない…


まぁ…あんな話を聞かされて元気でるほうがどうかしてるが…


櫻井「…はぁ」


せっかくの春休みなのにな…


プルルルルル


櫻井「…もしもし?」


佐藤『…いま大丈夫?ダーリン』


櫻井「ん、大丈夫だよ、ハニー」


佐藤『…ねえ、昨日の部長の件…どう思う?』


櫻井「まぁ…ビックリした、あの部長に彼氏がいたことに」


佐藤『…それもそうだけど…それよりも…』


櫻井「まぁ…未亡人だったんだね、部長って」


佐藤『…ダーリンはわたしを置いてっちゃダメだよ』


櫻井「もちろんだよ、ハニー」


佐藤『…それでさ…多分だけど…部長は今日もその俊って人を探してると思うの

…』


櫻井「まぁ…そんな気はするけど…」


佐藤『だから…わたしたちもいっしょに探さない?』


櫻井「やだ、雨降ってるし」


ザアアアアアア


佐藤『…そんなこと言わないでいっしょに探そうよ、ダーリン』


櫻井「もちろんだよ、ハニー」


佐藤『…じゃあ、あの大通りで待ってるから』


携帯『ツー、ツー、ツー』


櫻井「………」


ダーリンはないな


櫻井「さて、行くとするか」





大通り


ザアアアアアア…


部長「………」


櫻井「…部長」


部長「…櫻井と佐藤か…。なんのようだ?」


佐藤「…いっしょに探す」


部長「…下等から俊の話は聞いたんだろ?。探しても無駄だ、やめとけ」


佐藤「……でも」


部長「いいからやめとけ。無駄なんだ」


櫻井「それなら!!…どうして部長はここにいるんですか?」


部長「………」


櫻井「ほんとに無駄だと思うんなら…いつまでもこんなところにいませんよね?


部長「……俊は死んだ、わたしたちの目の前で。…それは確かなことなんだ…」


佐藤「…なら…どうして?」


部長「…それでも…会いたいんだ」


櫻井「………」


部長「もう一度…会いたいんだ。…ただそれだけだ」


佐藤「…それだけで十分」


櫻井「うん、十分探す価値があるよ」


部長「…そうか」


佐藤「…そっくりさんでも見たい…」


櫻井「それに暇だし、オレら」


部長「…なんだそりゃ」


櫻井「それじゃあ、さっそく探しましょうか」


部長「そうだな…ありがとな、ふたりとも」





ザアアアアアア…


櫻井「それで、その俊ってどんな人なんですか?」


部長「どんな人というのは?」


櫻井「外見とかどんなんなんですか?」


部長「う~ん…そうだな…特にこれといった特徴はないな」


櫻井「いや、なんかあるんでしょ。いくら特徴ないって言ったって彼氏なんだか

らなんかあるでしょ」


部長「そうだな…う~ん…」


佐藤「………」


部長「俊の特徴…う~ん…」


櫻井「………」


部長「…う~ん………」


櫻井「どんだけ特徴ねえんだよ!!そいつ!!」


佐藤「…写真とかないの?」


部長「…悪い…一枚もないんだ」


佐藤「…一枚も?」


櫻井「なんでですか?」


部長「…下等のやつが勝手に全部捨てやがった」


櫻井「なんで下等が?」


部長「まぁ…それはあいつに聞いてくれ」


櫻井「…まぁ、そうしますわ」


佐藤「じゃあ…どうやって探すの?」


部長「ここで見たんなら…待ってればここに来るはず」


櫻井「じゃあ…待ちましょうか」


佐藤「…そうだね」


部長「………」


櫻井「………」


佐藤「………」


ザアアアアアア…


櫻井「アレ?これオレらいる意味なくね?」


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