表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪の手先の風上にも置けぬ  作者: なおほゆよ
第2章 過去話編
52/95

シリアス?あぁ、あいつなら退職したよ。


write48


ザアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!(雨の音)


和「う~ん…いい天気だ」


茜「いい天気って…あんた」


ウキクサ「やった、兄貴が壊れた」


茜「いや、心配しろよ、兄弟」


和「な、いい天気だと思わないか?」


ザアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!


茜「う、うん。…まぁ天気がいいかどうかなんて人によって違うもんね」


和「いや~、ほんと日曜日の朝からこんな天気だなんて…泣けて来る…」


茜「ああ、なるほど、そういう意味ね」


ウキクサ「どういう意味?」


茜「雨でお気に入りのお昼寝に行けないけど、意地でも行きたいから自分の心の

なかでだけでもいい天気だと思い込みたいのよ」


ウキクサ「ああ、ようするにバカってことか」


茜「そう、ようするにバカってことよ」


和「それじゃあ日曜日のいい天気の朝だからお昼寝に行って来る」


ザアアアアアアアアア!!!!!!!!!


茜「…いってらっしゃい」






お昼寝床


ザアアアアアアア!!!!!!!


和「ふっふっふっふ…最高だ、最高の寝心地だ」


ザアアアアアアアアア!!!!!!!!!!


和「ふっふっふっふ…ふっ…ふふ…グスッ」


和「これは涙なんかじゃない、魂の鼻水なんだ、だから悲しいことなんてなにも

ないんだ…。ただ魂が風邪気味なだけなんだ…」


子供「ママー、あそこにびしょぬれになって独り言言ってる人がいるよ」


母親「見ちゃダメよ」


和「はっはっはっはっは…これは涙なんかじゃない、魂のよだれなんだ、ただ魂

のお腹がすいてるだけなんだ…」


ザアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!


和「…帰ろ」


恵「あれ?和さんじゃないですか」


和「…あれ?牢屋に入ってたんじゃないの?」


恵「ノリで入っちゃった牢屋に長居なんてしませんよ」


和「ノリ言うな」


恵「それはそうと…なにやってるんですか?」


和「見てわからないか?」


ザアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!


恵「…すみません、わかんないです、人生をあきらめたってこと以外は」


和「あきらめてなんかない。ただオレは魂の汗を流しているだけだ」


恵「…よくわかんないですけどご苦労様です」


和「そういう恵さんはなにをしてるの?」


恵「う~ん…秘密です」


和「なぜ?」


恵「う~ん…それも秘密です」


和「まぁ、無理に聞きはしないが…」


恵「それはそうと、今日は例のおっさんはいないんですね」


和「そりゃあ、まぁ…」


ザアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!


和「この天気だし」


恵「そりゃあそうですよね。…実はですね、わたしあの人をどこかで見た覚えが

あるんです」


和「へ~、どこで?」


恵「確かあれは…小さいときに…どこかであったんです」


和「へ~、けっきょくどこかわかんないんだ」


恵「まぁ、そうなんですけどね。…あの人、家族はいないって言ってましたよね

?」


和「まぁね」


恵「でもですね…わたしの記憶が正しいならあのひと…結婚してたんですねよ」


和「…へぇ。…離婚でもしたのかね?」


恵「…そうかもしれないですね」


和「………」


ザアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!


和「…ヘックション!!」


恵「大丈夫ですか?」


和「…帰る」


恵「無難な判断ですね」


和「そういえば…あのおっさんの名前って知ってる?」


恵「えっ?名前ですか?。え~っと…確か…川上」


和「川上?」


恵「はい、川上誠です」





学校


先生「あー、突然だが、明日は球技大会だ」


和「ほんと突然だな!!」


先生「持ち物は…まぁ、とりあえず適当に水筒でも持ってくればなんとかなる、

授業始めるぞ」


和「ほんと適当だな!!」


先生「やるからには勝てよ、おまえら」


クラスメート1「あったりまえよお!!」


クラスメート2「勝ったらみんなで焼き肉な、先生のおごりで」


クラスメート3「いいぇええええ!!!!おごりおごり」


クラスメート一同「お、ご、り!!お、ご、り!!」


和「おごるわけないだろ、先生が」


先生「いいぞ、勝ったらおごってやるよ」


クラスメート一同「マジか!?」


先生「でも負けたら全員反省文100枚な」


クラスメート一同「マジか!?」


先生「明日の球技大会、やるからには負けろよ」


和「反省文で寝返った!!」


クラスメート1「どうする?焼き肉か、反省文100枚か…」


クラスメート2「あたい反省文なんて書きたくない」


クラスメート3「じゃあこの賭けはなかったことにするか?」


クラスメート4「そうしよう」


先生「なんだよおまえら、つまんねえな。じゃあもう球技大会とかどうでもいい

や、焼き肉おごってやるから反省文書け」


和「だからどんだけ反省文書かせたいの!?」


クラスメート5「ダメだダメだ、焼き肉は魅力的だが反省文は書きたくねえべ」


クラスメート6「そうだよな…それが無難だよな…」


茜「なに言ってんの?あんたたち」


和「…茜?」


茜「最初から負けることを考えてどうするの?そんなやつに焼き肉の女神は微笑

まないわよ」


和「なんだ?焼き肉の女神って」


茜「いい?やるからには勝つ、そして焼き肉の女神を召喚する」


和「だからなんだ?焼き肉の女神って」


クラスメート「…そうだな、姉御の言うとおりだな」


和「…姉御?」


クラスメート2「みんな!!おれたちには姉御がついてる!!絶対負けるわけね

えべ!!」


クラスメート一同「そうだそうだ、オレたちには姉御がいるんだ」


茜「絶対勝つわよ!!!!」


クラスメート一同「おおおおおおおおおおお!!!!!!!!」


和「…ってか前もこんな件なかったっけ?」


茜「あったわよ。だってその件をコピペして体育祭を球技大会に書き換えただけ

だもの」


和「なんだ?めんどくさいのか?作者」


先生「あ、そうだ、言い忘れてたけど明日の体育祭の種目はセパタクローだけだ

から」


和「どんな球技大会!?」





球技大会当日


ザアアアアアアアアア!!!!!!!!!(雨の音)


校長「本日の球技大会は、雨天のため中止します」


和「さんざん言っといて中止!?」


茜「しょうがないじゃない、雨なんだし」


和「ってか雨多くないか!?最近」


茜「う~ん…まぁ梅雨だし、しょうがないわよ」


恵「今日はもう学校終わりらしいですよ」


茜「う~ん…きゅうに時間できたわね」


和「どうするか…」


恵「あの…時間あるなら和さんの家に行ってもいいですか?」


和「オレん家?なぜ?」


恵「実はですね…先日ウキクサさん会ったときにお手紙をいただきまして…」


和「手紙?」


恵「はい、その…実はラブレターをいただきまして…」


和「あんの六歳児は…」


恵「そのお返事を返したいなと思いまして…」


和「いや、いい、いい、オレが渡しとくから」


恵「でも、自分で直接渡したいんです」


和「まぁ、それならいいけど…」





和の家


茜「ただいま~」


ウキクサ「おかえりなさい」


和「ただいま」


ウキクサ「お帰りなさい、とっとと」


和「家ここ」


茜「ねえ、ウキクサ、恵がここに来るんだけどいい?」


ウキクサ「ボクが拒む分けないだろ?」


和「おまえにラブレターの返事を返したいそうだ」


ウキクサ「そうかそうか…それで、恵さんは?」


茜「返事の手紙をとりに一回家に帰ってから来るってさ」


ウキクサ「そうか…それなら最高級のお茶の用意をして待つことにしよう」


和「そうか、頑張れよ、どの道フラれるけど」


ピンポーン


茜「お、来たみたいね」


恵「おじゃましまーす」


ウキクサ「いらっしゃい、迷える子羊ちゃん」


和「オレにはおまえの方が迷走してるように見えるがな」


恵「あの…実は妹がついて来ちゃったんですけど…入れてもいいですか?」


茜「もちろんいいわよ」


和「それは居候のおまえが許可することではないと思うが…」


恵「入ってもいいよ、彩」


ガチャ(ドアを開ける音)


彩「…初めまして」


和「初めまして、君が彩ちゃん?」


彩「うん。…なんかいい男がいるって聞いたから…来ちゃった」


茜「…いい男?」


ウキクサ「これはこれは、可愛らしいお嬢さんだ。どうです?いっしょにお茶で

も?」


和「ちょっとは自重しろ」


彩「あら?幼い割に積極的ね、あなた。そんないきなり喰いついちゃ引かれちゃ

うわよ?」


恵「こら、彩…」


彩「でも……嫌いじゃないわよ、そういう男」


ウキクサ「そうですか。ではこちらへ」


彩「ふふっ…ありがと」


スタスタ(二人が歩いて行く音)


和「…何歳児だったっけ?あいつらって」


茜「六歳児よ」


和「………」


恵「よかったです、仲良くしてくれて」


和「…仲良いのか?あれ」


茜「…悪くはないわ」


和「まぁね。ってか手紙の返事忘れてねえ?」





恵「そういえば…どうして茜は和さんの家に居候してるんですか?」


茜「あれ?知らなかったっけ?」


恵「はい」


和「この機会に話しちゃえよ」


茜「そうね。作者もずっと言う機会を探してたけど、いまがその時ね」


和「いらん一言を加えるな」


茜「まぁ、まずは…そうね…なにから話すべきか…。わたしと和は幼なじみなの


恵「はい、それは知ってます」


茜「それで…実はわたしの家はあるの、アパートだけど、近所に」


恵「そうなんですか」


茜「でも、家にいたって親は帰って来ないし一人だから、和の親のご好意でここ

によく居候してるの」


恵「そうですか…」


茜「でも、わたしはそんなにお世話になるのも申し訳ないし、なるべく自立して

生活できるにときどき家に帰ってるんだけど…」


和「もう二ヶ月近くライフラインが止まってる」


恵「…大変ですね」


茜「前までは本気で危なかったときくらいしかお世話にならなかったけど、最近

は仕送りもまったくないから入り浸ってるってわけ」


和「最近っていうかここ一年くらいだろ?」


茜「まぁね」


恵「…親は…なにやってるんですか?」


茜「さあ?よくわかんないけど、お母さんは多分水商売かなにかかな」


恵「…お父さんは…」


茜「う~ん…もう10年くらい会ってないし、わかんない」


恵「さっき親は帰って来ないって言ってましたけど…お母さんは?」


茜「そうね…もう一年くらい会ってないわね」


恵「なんなんですか!?それは!!」


茜「恵?」


恵「自分の子供をなんだと思ってるんですか!!。それでも親なんですか!?」


和「一旦落ち着こ、茜にそんなこと言ったってしょうがない」


恵「…すみません、取り乱しちゃって」


和「まぁ、怒りたくなるのも無理ねえよ。まぁオレん家の親もそんな大差ないが

…」


恵「…子供をなんだと思ってるのか……最低な親ですね」


茜「…確かに、人から見たら最低な親なのかもね」


和「………」


茜「でもね、それでもわたしの親なの。だから……最低、だなんて言わないで…


恵「………」


和「………」


茜「…なんか変な空気になっちゃったわね」


恵「すみません。今日はもう帰りますね…」


和「あっ、恵さん…」


バタン(恵が出て行く音)


和「行っちゃったよ…」


茜「和」


和「なに?」


茜「ちょっと恵のこと送って行ってやってくれない?」


和「なぜオレが?」


茜「いいから」


和「いいけどさ…まだ彩ちゃんが…」


茜「まぁ、そっちはわたしがなんとかしとくから、あんたは恵を送ってやって」


和「…わかった」





和「恵さん!」


恵「あ…あれ…和…さん。どう…して?」


和「いや…なんか知らないけど茜が送ってけって言うから」


恵「いい…ですよ。一人でも帰れますし…」


和「そういうわけにはいかない」


恵「なん…で?」


和「だって…恵さん…なんか泣きそうなんだもん」


恵「…だって…だって…うわあああああああん!!!!!!」


和「ちょ、ちょ…」





公園


和「はい、飲むヨーグルト」


恵「…ありがとうございます」


和「落ち着いた?」


恵「はい、おかげさまで…」


和「ならいいんだけど…」


恵「………」


和「………」


恵「すごいですよね、茜は…」


和「なにが?」


恵「あんな境遇なのに…あんなに明るくて…しかもわたしを気遣って和さんまで

送ってくるなんて…」


和「慣れてんだろうな、こういうのに」


恵「親に全然会えないって…どんな気持ちなんでしょうか…」


和「正直慣れてるからそれが普通って感じだな、オレの親も超放任主義だし」


恵「和さんの親は別にギャグだからいいんですよ、どうでも」


和「人の家庭環境をギャグ言うな」


恵「それに比べてわたしは…最低だなんて…」


和「気にしてねえよ、茜は」


恵「でも…」


和「恵さんが気にしてたら、よけい茜が気にすることになる」


恵「……そうですね」


和「まぁ、とにかく、茜やオレにとっては特別なことではないんだ、別に。だか

ら恵さんもあんまり気にしないことだね」


恵「…和さんが特別な存在っていうのがなんとなくわかりましたね…」


和「なにが?」


恵「頑張ってくださいね!!わたし、応援してますから!!」


和「だからなにが?」


恵「それじゃあ今日はありがとうございました。わたし、応援してますからね!

!」


和「だからなにが!?」


和「…ってかけっきょく手紙渡してないし」



櫻井家


和「ただいま~」


茜「おけーりー、ちゃんとエスコートはできた?」


和「できたよ、公園までだけど…」


茜「あんた途中で帰ってきたの?最後までエスコートしなさいよ、ウキクサを見

習って」


和「絶対ヤダ。…アレ?まだ彩ちゃんいるのか?」


茜「うん、なんか話が弾んでるらしくって…」


和「まぁ、妙に気が合いそうだからな」


茜「でもそろそろ家に帰さないとね」


和「ちょっと部屋を見て来るか…」





ウキクサの部屋


ウキクサ「でもだ、いまの日本政府はダメだ。無駄な建前に縛られすぎて大切な

ことを見失ってる」


彩「たしかに、いまの日本を動かしてるのは政治家じゃない、高級官僚、大手企

業、その他もろもろ…。はっきり言って政治家なんて必要ない」


和「………」


ウキクサ「さんざんに積み重なった汚職。無駄な歳出、エトセトラ…。正直国民

は政府を信用していない…」


彩「いま必要なのは…国を率いる真たるリーダーシップ、そしてそれをなし得る

ためのカリスマ」


茜「………」


ウキクサ「つまり結論を述べると、いまの日本政府は…」


和「おまえら六歳児いいいいいいい!!!!!!!!!」


ウキクサ「いま、ここは会議の場だ、静粛に」


和「うるせーよ!!六歳児が静粛言うな!!おまえらもっとキャラ設定を守って

行動しろよ!!」


彩「キャラ設定になんて縛られたくない。わたしはもっと自由と柔軟性を持って

この世界に羽ばたきたい」


和「羽ばたいてるっていうかむしろ激突しそうだよ、地面に!!」


茜「もうこんな時間だし、帰らないと」


彩「ほんとだ…もうこんな時間だ…」


ウキクサ「ま、待ってくれ。この後はバーで一杯飲んで夜景の見えるホテルでお

食事をする予定なんだ」


和「身分をわきまえろ!!六歳児!!」


ウキクサ「というか、もう予約を取ってしまったんだ」


和「気が早い!!10年以上早い!!」


彩「あきらめましょう、しょうがないわ。わたしたちは時間設定という名の薬で

体が小さくなってしまった者たちだもの」


和「おまえらはどこぞの名探偵か!!」


彩「さようなら。あなたとはまたどこかで会えそうな気がするわ」


ウキクサ「ボクもそう思うよ」


和「どこか遠い未来で再会を果たしそうな別れだな…」


彩「じゃあ、明日の1時に公園で」


和「明日かい!!」





茜「…今日は家に帰るわ、わたし」


和「どうした?」


茜「最近帰ってないし…。もしかしたらなんか荷物届いてるかもしれないし…」


和「そうかそうか」


ウキクサ「さみしくなったらいつでも帰ってきなよ」


茜「ふふっ、ありがと、ウキクサ」





茜「やっぱ電気はつかないか…」


わかってたけどね


やっぱ一ヶ月くらい帰ってないからな…汚いな…


そうだ、そろそろ家賃払わないと…


あるかな…う~ん…ちょっと足りない…


またグルグルの家でバイトさせてもらわないとな…気が引けるけど…


携帯さえあればなぁ…


そうだ、荷物…手紙は届いてないかな…


……ない…か…





櫻井家


和「………」


ウキクサ「………」


和(…なんかふたりだと気まずい)


ウキクサ「………」


和「…そういえば…おまえって茜にはあんまりナンパしないよな」


ウキクサ「ん?」


和「他の人にはナンパしかしねえのにさ…茜にはナンパしたことないよな…」


ウキクサ「そりゃ家族だからな」


和「まぁ、それもそうか…」


ウキクサ「それに…」


和「それに?」


ウキクサ「…なんでもねえ。俺から言うべきことではないし」





学校


先生「櫻井、中山、来い」


和「…なにようで?」


先生「とぼけんなや。…おまえらバイトしてたそうだな」


和「………」


先生「だんまりか?今なら反省文少なめですむぞ?」


グルグル「オレはバイトなんてやってないです」


先生「お~?シラをきる気か?」


和「そうだそうだ、そもそもこのスーパーボンボンがなぜバイトする必要がある

んだ!!」


先生「おまえがひとりじゃ不安だからいっしょに誘ったとかだろ」


和「………」


先生「図星か…」


グルグル「でも、そのオレらがバイトしてたっていう情報はだれからなんですか

?」


先生「顧問からだ、実際に目撃したらしい」


工藤「だれだ?顧問って?」


茜「さあ?知らない」


グルグル「部長なら知っとけ」


恵「誰なんです?その顧問って」


先生「さあ?オレも知らね」


和「同僚くらい知っとけや!!」


グルグル「ってか知らん人間の情報なんか当てにすんなや」


先生「まぁ、そうなんだがな…いいから書けや、反省文」


和「だからなぜそんなに反省文を書かせたがる?」


先生「…それは言えねえな、絶対に」


恵「どうしてですか?」


先生「そういう約束をしたからな…」


茜「…教えてくれそうにないわね」


工藤「あ~あ、聞きたかったなあ」


グルグル「教えてくれんなら反省文書いてもいいだけどなあ」


先生「あれはオレが教師を始めた1年目だった…」


和「話すんかい!!」


先生「なにせまだ新人でな、教師として右も左もわからなかった…」


工藤「先生にもあったんだな、そういう時期が…」


先生「自分が担当したクラスにな、いじめられてるやつがいたんだ」


茜「いじめカッコ悪い」


グルグル「なんだ?きゅうに」


先生「そのときのそいつのあだ名はモヤシ。まぁ、あだ名通りのやつだった…」


和「まぁ、ひょろひょろした感じか…」


先生「だが夏休みが終わり、二学期が始まると、やつのあだ名は変わった、サイ

ボーグ、ゴリラーΩに」


和「どんな変化?」


先生「やつは夏休みの40日全てを犠牲にして、生まれかわったサイボーグ、ゴ

リラーβに」


和「なんで最後ちょっと変わった?」


先生「あるときは砂漠で太陽にうちひしがれて、またあるとき海でサメと死闘を

繰り広げ、そしてあるときは山に芝刈りに、最後には川に洗濯しに行った」


茜「途中から童話になってる…」


先生「するとだ、彼はある変化に気づいた、川上から桃が流れて来たことに」


和「だからそれ童話!!」


先生「彼は桃を家に持ち帰りおじいさんの帰りを待った」


グルグル「だれだ?おじいさんって」


先生「しかし、おじいさんは帰って来なかった。なぜなら山で帰らぬ人になって

いたからだ」


和「なにがあった!?」


先生「彼は悲しみにうちひしがれた。憎しみに満たされた。絶望に包まれた。そ

してその負の感情は…全て桃に向けられた」


和「なぜ?」


先生「桃は器となっていた、彼の思いの全てを受け止める…。そしてとうとう桃

は自我を持ち始めた」


和「それどんな桃?」


先生「そして桃は彼に話しかけた。『汝、力を求むか?ならば我を喰らえ。さす

れば与えられん』」


和「だからそれどんな桃?」


先生「彼は桃を食べた。刹那、一瞬の閃光が体内を駆け巡った。そして生まれか

わったんだ…サイボーグ、ゴリラーαに」


和「…で?」


先生「以上だ」


和「まぁ、最初からわかってたけどね、くだらない話だと」


先生「それじゃあ、しっかり反省文書いて来いよ」


和「まぁ、最初からわかってたけどね、反省文からは逃れられないと」





茜「っていうかあんたらもバイトなんてしてたんだ…」


工藤「知らなかったのか?」


茜「うん、聞いてないもん」


恵「どこでバイトしてるんですか?」


和「コンビニでバイトしてる」


恵「コンビニですか…気をつけてくださいね、最近は爆発物を所持して建物に侵

入する人とかいるらしいんで」


和「あんたでしょ?それ」


茜「で、なんできゅうにバイトなんて始めたのよ?」


和「ん?…まぁ…秘密ってことで」


恵「そう言われると知りたくなりますね」


工藤「ここは当てるしかねえな」


グルグル「ひとり一回ずつ回答権ありな」


和「勝手に決めんな」


恵「当てた人は副賞に和さんの時給全額ゲットですね」


和「だから勝手に決めんな」


茜「ちなみにメインの賞品は一年間奴隷権ね」


和「リスクばかでけえな!!オイ!!」


グルグル「じゃあまずはオレからな」


工藤「当てたれ当てたれ」


グルグル「おまえがバイトを始めた理由は…」


茜「………」


恵「………」


和「………」


グルグル「メイ…」


和「ブブー!!」


グルグル「まだ二文字しか発してねえぞ」


和「うるせーよ。どうせアレだろ?メイドを雇うためとかそんなんだろ?」


グルグル「な、なぜわかった…」


和「日頃の行いだな」


工藤「次はオレな」


和「工藤か…言っとくがコスプレセットを買うためとかじゃないからな」


工藤「恵、あとは頼んだぞ…」


和「図星かい!!」


恵「任せてください、必ず敵はとりますから」


和「恵さんか…爆発物関係はさすがになさそうだし…予想しずらいな…」


恵「そりゃそうですよ。なんせわたしは爆発物をのぞいたら飲むヨーグルト好き

っていういまいち定着していないキャラしか残りませんからね」


和「まぁ、自分で言うくらいだから飲むヨーグルトを買うためってのはないよね

?」


恵「これで残るは茜一人ですね…」


和「なぜ三人もいて一人もまともに質問せずに終わる?」


恵「でも、確信があったんですよ、飲むヨーグルトに」


和「なぜおまえらは自分の趣味とオレの趣味が同じ前提で質問する?」


グルグル「そりゃあ誰だって心のメイドを求めてるだろ?」


和「心のメイドってなんだ?」


工藤「ひとはみな人生のコスプレイヤーじゃん?」


和「深くねえよ、べつに」


恵「飲むヨーグルトは…正直ただの個人的趣味ですね」


和「そこまできたらあきらめんな」


工藤「くそっ…このまままともに質問もできずに終わるのか…」


茜「あきらめるのはまだ早いわ」


恵「茜…」


茜「言っておくけどわたしはこいつらとは違うわ。特に好きな物もこれといった

趣味がないのよ、だからわたしの質問は絶対に当てられないわ」


和「まぁそうかもしれんが…ってか趣旨変わってねえ?」


茜「もう一度言うけど、わたしは特に好きな物もこれといった趣味もないのよ。

そう考えたら意外にキャラ弱くない?わたし」


和「いや、そんなことないだろ」


茜「な!!まさかこの質問も違うの?」


和「いまのが質問だったんかい!!」


茜「そんな…ひそかに気にしてたのに…」


グルグル「大丈夫だって、キャラ立ってるって」


和「っていうかおまえら当てる気ねえだろ!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ