Nothing's Over
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例えば
この世界にひとりだけ
腕が八本ある人間がいたらどうするだろうか?
オレだったら…
とりあえず写メを撮る
その後は…どうするだろうか…
問題は、腕が八本ある人間の方だ
腕が八本あれば便利だ
スポーツとかやればとんでもないことになるだろう
ゲームなら一人で四人対戦ができる
だが一歩外に出れば周りの人の視線は痛い
服だって彼に合う物はないだろう
彼は自分の運命を恨むだろうか?
たぶんそれはその人しだいだ
では逆に、オレ以外の人間が全員腕が八本だったらどうするだろうか?
オレだったら…
とりあえず写メを撮る、自分の
その後はどうするだろうか…
周りの人間が一人で四人対戦をやってるなかで
オレは一人だけ一人プレイしかできない人間になる
スポーツとか論外だ
言ってみればオレは障害者になる
さて…オレは腕が二本しかないことを嘆くだろうか?
おそらくまったく嘆かないなんてことはないだろう
でもその内わかってくるだろう
自分にしかできないことというものが…。
さて、今のオレの状況だが、いまだに適合者の力が戻らない
それは腕が六本足りないという比ではない
腕八本と足二本足らない
そんな状態だ
だけど、そんなオレにしかできないことがある
この一発に、すべてをかけることだ
神崎「ハアアアアア!!!!!」
ゼロ「まだそんな力が残っていたか…」
神崎「ダアアアアアアア!!!!!!」
ゼロ「…邪魔な刀だな…」
キン!(神崎の刀が吹き飛ぶ音)
神崎「…はぁはぁ…」
ゼロ「終わりだ」
神崎「まだだ!!」
シュン!(二本目の刀を召喚する音)
ゼロ「二本目だと…」
神崎「くらええええ!!!!」
ゼロ「くっ…」
ザシュ!!(ゼロが切られる音)
神崎「浅い…」
ドガ!!(神崎に蹴り)
ゼロ「残念だったな」
部長「いや、まだだ!!」
森「今です!!櫻井先輩」
櫻井「ハアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」
ゼロ「いつの間に…」
櫻井「終われえええええ!!!!!!!!!!!」
バッッッッッッッゴオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!(櫻井の殴り)
櫻井「…はぁはぁ…」
ドサ!(櫻井が倒れる音)
部長「…終わった…のか?」
森「まだです」
ゼロ「…はぁはぁ…」
部長「発動しなかったのか?櫻井の能力は」
森「いえ、おそらく成功したんでしょう…敵にも疲れが見えますから。でも櫻井
先輩の能力は適合者としての力をなくすだけです」
部長「だからまだ普通の人くらいの力は残ってると?」
森「はい。櫻井先輩と部長のお父さんは気絶してしまいました。わたしも…もう
戦えません…このままでは…」
部長「櫻井の能力の効果が切れると?」
森「はい」
部長「だったら…わたしが…」
森「待ってください…ゼロの様子が…」
ゼロ「ガハッ!!」(吐血)
部長「血をはいた…」
ゼロ「う…ウオオオアアアアアアアア!!!!!!!!!」
ドサ!(ゼロが倒れる音)
戦いは終わった
目を覚ましたら病院で寝てた
部長「目が覚めたか…櫻井」
櫻井「部長…久しぶり」
部長「ああ、久しぶりだな」
櫻井「…みんなは?」
部長「大丈夫…みんな無事だ」
櫻井「…よかった…」
部長「…ありがとう、助けてくれて」
櫻井「…お互い様です」
部長「今回は活躍したな」
櫻井「そうですかね…」
部長「なに言ってんだ、お父さんに勝ったそうじゃないか」
櫻井「勝ったのかな…あれは…」
部長「ゼロにも…おまえがいなければ勝てなかった…」
櫻井「そういえば…やつらは…ゼロはどうなったんですか?」
部長「…死んだ」
12月6日
学校
顧問「とうとう…このときが来てしまいました…」
下等「どのときだよ?」
顧問「先生が戻って来ます」
部長「よかったじゃん」
顧問「わかってないな…今日はボクが…フレームアウトする日…すなわち命日で
す」
佐藤「…よかったじゃん…」
顧問「それでは、入って来てもらいましょう…先生」
ガラッ!(教室のドアが開く音)
先生「…久しぶりだな」
クラスメート(涙目)「先生が…戻って来た…」
部長「珍しいな、おまえらが泣くなんて」
クラスメート1「また反省文に追われる日々が戻って来たのか…」
クラスメート2「また誰かの飛び火にさらされる日常が…」
部長「…泣くほど嫌なんだな…」
顧問「ほら、先生がしゃべるから黙って聞いてあげて」
先生「おまえらには…迷惑かけたな」
佐藤「…記憶は?」
先生「まだ戻ってない。だからまだおまえらに迷惑をかけることになるから教師
復帰はあきらめようかと思ってた…」
先生「でもな病院で入院してるときにな…なんかモヤモヤしてたんだよ」
下等「モヤモヤ?」
先生「たぶんそれはな…教師としての思いだと思う」
クラスメート「先生…」
先生「教師として…教師としておまえらに反省文書かせたいっていう思いなんだ
」
佐藤「…それはただのサド」
先生「だから教職復帰を祝して誰かに反省文を書かせたいと思ってる」
部長「ふつう祝い事に反省文は書かせない」
クラスメート「先生!!その反省文ではなにを反省すればいいんでしょうか?」
先生「そりゃあおまえ…反省することなんていっぱいあるだろ?」
クラスメート「じゃあそれを書かせることでどんな意味があるんですか?」
先生「いいか?反省するってことは過去を振り返るってことだ。過去を振り返っ
たらいろいろなことが思い出されて人間として成長するんだ」
下等「じゃあおまえが書けよ、それで思い出せ、人間として成長しろ」
先生「じゃあ今日は12月6日だから出席番号15番の櫻井に書かせようかな」
下等「なんで15番!?」
先生「12に6かけて57で引けば15だろ?」
下等「もうなんでもありだな、オイ!!」
先生「と、いうわけで櫻井、反省文書いて来い」
櫻井「………」
佐藤「…櫻井?」
櫻井「…Zzz」
部長「さっきから会話に入って来ないと思ったら…」
先生「櫻井が寝てる…こういうときはなぜか下等に反省文を書かしたくなる…」
下等「なぜに!?」
先生「おまえらはお互いの尻拭いをしあう関係だろ?」
下等「たしかに第一話からそんな関係だったが…ほんとに記憶ないの?このひと
」
部長「たぶん反省文のことは遺伝子レベルでおぼえてるんだろうな」
あの戦いから三日経った
いまだにオレの適合者の力は戻らない
神崎「もしかしたら、君の能力で君自身の適合者の力をなくしてるんじゃないか
?」
もしかしたらもう二度と戻らないかもしれない
別にそれはかまわなかった
森ちゃんはいまだに指名手配のままだが
5人は再び一緒になれたから
それなのに…
オレの心はどこか上の空だった
全部終わったはずなのに…
いや、終わらしてしまったからだろう
この手で
ひとりの命を
櫻井「………」
オレは…
オレが…この手で…
携帯『幸せなら手を叩こっ!タン!タン!幸せなら手を叩こっ!タン!タン!幸
せなら態度で示そうよ、幸せなら手を叩こっ!タン!タン!』
櫻井「…もしもし?」
佐藤『…もしもし?』
櫻井「どうしたの?」
佐藤『…最近…元気ないなって思って…』
櫻井「…そう?」
佐藤『…元気ない…あからさまに…』
櫻井「そっか…元気ないか…」
佐藤『それより…いまどこにいるの?』
櫻井「どこって…下校途中だけど…」
佐藤『そっか…早く帰って来てね』
櫻井「?」
早く帰って来てね?
なんのことだ?
カチャ(玄関を開ける音)
パン!!(クラッカーの音)
佐藤 部長 森 下等「「「誕生日おめでとう!!!」」」」
櫻井「…はい?」
櫻井「オレの誕生日…二ヶ月前なんだけど…」
部長「知ってる。でもおまえ最近元気なかったからな」
下等「部長が戻って来たのを祝すついでに忘れられてたおまえの誕生日でも祝っ
てあげるんだけらね//っていうスタンスで祝うことにした」
部長「二ヶ月前はひどい状況で誕生日どころじゃなかったからな」
櫻井「でも二ヶ月前のことを今さら?」
部長「なんならわたしが市役所にハッキングしておまえの誕生日を今日にしてや
ってもいいが?」
櫻井「遠慮します」
森「いいじゃないですか、いつ祝うかなんか気にしなくても…」
佐藤「…祝うことが大事」
森「そうですよ。そもそも先輩の誕生日が10月6日だったわけは適当に決めら
れた顧問の誕生日と適当に決められた先生の誕生日ともっと適当に決められた櫻
井先輩の誕生日が重なったらおもしろそうっていう作者のノリで決まったんです
から」
櫻井「そんな適当だったの?主役の誕生日」
下等「作者がそういうところは適当なのはとうに知れたことだろ?」
森「そうですよ。櫻井先輩の名前なんて適当どころかアプリ任せで決まったんで
すし」
櫻井「アプリ任せ…」
部長「っていうかおまえらは誕生日会っていうのにどんな会話してるんだ?」
佐藤「…裏話」
下等「誕生日らしいことやろうぜ」
部長「そうだな。なにをやる?」
森「誕生日って言ったらケーキですよね?」
佐藤「…そうだね…ケーキ入刀だね」
櫻井「いやいや、違うでしょ?」
下等「ケーキとか用意してないの?」
部長「してるわけないだろ、そもそもわたしも祝われる立場だし」
佐藤「…残念。…誓いの言葉でがまんする」
櫻井「どんな譲歩!?」
部長「汝、永久に愛すと誓うか?」
佐藤「はい、誓います」
櫻井「なに神父ってるんですか!?部長」
下等「『神父ってる』ってなんだよ?」
森「っていうかもういいじゃないですか。いいがげん夫婦漫才にもあきてきたん
ですから、本物の夫婦漫才やってくださいよ!!」
櫻井「いやだ!!」
部長「そんな拒否してやんな」
櫻井「オレにだって拒否権はある!!」
佐藤「…キスして来たくせに…」
森 部長 下等「「「…なに!?!?」」」
櫻井「そ//それは…//」
佐藤「…愛してるとか言って来たくせに…」
森 部長 下等「「「なに!?!?」」」
櫻井「………///」
森「おめでとうございます!!佐藤先輩」
部長「長い旅路だったな!!」
佐藤「…ありがと」
下等「…おまえほんとにそんなことしたの?」
櫻井「うん…しかもどっちも自分から//」
下等「お父さんは…認めんぞ」
櫻井「オレも認めねえよ、おまえが父親だなんて」
下等「しかし…久しぶりだな。五人またこうやって…」
森「そうですね、ひさしぶりですね。また五人でこうやって…」
部長「ほんと…一時はどうなることかと思ったがまた五人でこうやって…」
佐藤「…わたしも…嬉しい、また五人でこうやって…」
櫻井「…なんでみんな『こうやって…』で止まるの?」
下等「いや…だって…うまい言葉が見つからない…」
森「っていうかわたしたちって普段なにをしてましたっけ?」
佐藤「…雑談…」
森「そう考えるとあんがい薄いですよね?わたしたちの絆って…」
櫻井「いや、そんなことないって」
部長「そうだ、命がけでわたしを助けてくれたんだ、薄くなんてないぞ」
森「それもそうですね」
下等「そうだな、死闘をくぐり抜けた仲だな」
佐藤「…それで…櫻井はなんで元気なかったの?」
櫻井「それは…」
部長「言ってみろ」
櫻井「ゼロは…死んだんだよね?」
部長「ああ」
櫻井「どうして?」
部長「さあな」
櫻井「オレ思うんだよね…オレが殺したんじゃないかって…」
森「………」
部長「そんなことはない」
櫻井「でもさ…オレの能力せいなんだよね?」
下等「………」
櫻井「オレが…殺したんだ」
部長「違う、殺したんじゃない。救ったんだ」
櫻井「救った?」
部長「そう、わたしや、やつらにこれから奪われるかもしれない命を」
櫻井「でも…ゼロは違ったかもしれないんです」
佐藤「…どういう意味?」
櫻井「ゼロはもしかしたら…悪い奴じゃかったんじゃないかなって…」
部長「…あくまで『かもしれない』だ」
櫻井「オレがやったことは…正しかったのかなって思って…」
部長「間違ってはないさ」
櫻井「でも…割り切れない、オレは」
部長「そうか…なら、忘れろ」
櫻井「…忘れる?」
部長「…これがいい機会なのかもな」
櫻井「なにが?」
部長「今日をもって…ショッカー研究部は…解散する」
櫻井「解散?」
下等「廃部…ってことか?」
部長「そういうことだ」
佐藤「…どうして?」
部長「やつらが死んでショッカーはつぶれた。終わったんだ、もう…。だからこ
れ以上ショッカー研究部は必要ない」
櫻井「でも…まだ森ちゃんが…」
部長「森のことはこっちでなんとかする、あてもあるし…」
森「でも…」
部長「忘れるんだ、おぼえていたってロクなことはない」
櫻井「………」
部長「おまえらはよく頑張った。だからそろそろ…ふつうの高校生に戻ったって
いいんだ」
櫻井「でも…」
部長「勘違いするなよ。部活がなくなったって…わたしたちの絆は変わらないさ
」
下等「未来に進むため。そのための解散なのか?」
部長「そうだ」
下等「ならいい」
櫻井「下等…」
下等「べつに部活がなくなったって元々これといった活動もしてないんだ。それ
にショッカーもいなくなった。これ以上関わる必要はないさ」
森「…そうですね、解散しましょう」
佐藤「…うん」
櫻井「…わかった」
部長「よし、承諾を得たことだし…そろそろ帰ろうかな」
佐藤「…けっきょく森ちゃんはどうするの?」
部長「今日はお父さんに話をつけるから、明日迎えに来る。今日は櫻井にでも泊
めてもらえ」
森「わかりました」
下等「じゃあオレも帰ろうかな」
櫻井「そっか、じゃあな、下等、部長」
部長「じゃあな…次会うときは部長じゃないぞ…神崎薫だ」
下等「だ、そうだ、じゃあな」
佐藤「…じゃあ…わたしも帰るね」
森「送ってったらどうですか?櫻井先輩」
櫻井「いや…でも…ひとりでお留守番できるの?森ちゃん」
森「言っときますけど、わたしは先輩と一年しか違いないんですよ?」
櫻井「冗談、冗談。じゃあ行って来る」
佐藤「…誕生日会らしいこと…なにもやらなかったね」
櫻井「まあね」
佐藤「…ほんとに…終わったんだね」
櫻井「うん…部活解散っていうのは…ちょっとさみしいな」
佐藤「…さみしいね」
櫻井「………」
ギュッ(手をにぎる音)
佐藤「…ふたりっきりの時は…積極的だね」
櫻井「…なんか…雰囲気に弱いのかな?オレは」
佐藤「…わたしは…これからもいっしょだよね?」
櫻井「もちろん」
佐藤「…よかった」
櫻井「オレも…よかった」
また、君のとなりにいれて…
佐藤「………」
君の…声を聞けて…
櫻井「………」
君の肌を感じられて…
櫻井「…ねえ」
忘れるんだ
佐藤「…なに?」
忘れていいんだ
櫻井「…キス…しない?」
だって…もう…
佐藤「…いいよ」
終わったんだから…全部
下等「まだ…終わってないよな?」
部長「ああ、終わってない」
下等「いいのかよ?あいつらにうそついて」
部長「敵はあまりのも強大すぎる。これ以上…あいつらを巻き来むわけにはいか
ない」
下等「あいつらには…もう関係ないもんな」
部長「…そうだな」
下等「…まだ…俊のこと…」
部長「どうした?」
下等「いや、なんでもない」
部長「おまえは…いっしょに戦ってくれるよな?」
下等「当たり前だ」
部長「行こう、今度こそ終わらせるために…」
ゼロ「…大丈夫か?」
158「………」
ゼロ「しっかりしろ」
158「ごめんね…」
ゼロ「それは言わない約束だろ?」
158「そうだったね。ありがとう…和」
ガレキの山
ガラッ!
グリーン「ふう…やっと抜け出せた…」
グリーン「さすがに死ぬかと思ったな、これは」
グリーン「さてと…帰るか」
何日も帰ってなかったからな
心配してるかもしれない
カチャッ!(玄関のドアを開ける音)
佐藤「あ…おかえり、お姉ちゃん」
メグみょん「ただいま…彩」




