窮地での小休止
Write33
明日
それは地球の自転運動が変わらない限り訪れるもの
誰かが死んだって地球の自転運動に変化などない
だから死んだって明日は訪れる
ただ…死人に訪れる明日は…
しょせん死人でしかない
太陽が沈み、昇る
その過程で人が蘇るなんてありえない
だから…死人の未来は死人
それは永遠に変わることはない
でもそれは…死んだときの話
オレは違う
だってまだ…
下等「起きろよ、櫻井」
生きているのだから
部長の家
櫻井「で…なんでオレはまだ生きてるんだ?」
下等「オレに感謝することだな」
櫻井「どういうことだよ?」
下等「オレもとうとう使えるようになったんだよ…能力が」
櫻井「マジで?どんな能力?」
下等「実際見せたほうが早いな、10分くらい待っててくれよ」
櫻井「なんで?」
下等「いいから待ってろ」
バシュ!!
櫻井「き…消えた?」
10分後
バシュ!!
下等「よっ」
櫻井「あ…現れた…」
下等「これがオレの能力だ」
櫻井「…消える能力?」
下等「違うな。…タイムスリップの能力だ」
櫻井「…タイムスリップ?」
下等「とは言っても…どうやら過去には戻れないようだけどな」
櫻井「…と、いうと…」
下等「未来に行く能力だ」
櫻井「…な、なんかすごそうだな…」
下等「この能力を使って、背中の爆弾を残して、オレと櫻井を未来に送ったんだ
」
櫻井「背中の爆弾を残してって…都合よくねえ?」
作者「うるせーよ、助かっただけでもありがたいと思え」
下等「それと、歩けるようになった」
神崎「おそらく適合者としての真の力が目覚めたおかげだ」
櫻井「…なんか都合よくねえ?」
作者「うるせーよ、なんとなく下等を車いすにしたけど、特にいいアイデアも思
いつかなったんだよ!!」
下等「ただし、10分後の未来にしか行けない」
櫻井「…10分って短くねえ?」
下等「でも、触れればどんなものでも未来に送れる。まあ、10分限定だけどな
」
櫻井「…いまいち使い道がわかんないんだが…」
下等「これからゆっくり考えるさ」
櫻井「とうとう下等にも置いてかれたか…」
神崎「オレは君たちが爆発してからしばらくその場にいてね。そこに君たちがき
ゅうに現れたから…とりあえず保護させてもらった」
櫻井「そうだ!!佐藤さんは!?森ちゃんは!?」
神崎「おそらく無事だ。やつらは森カネテの追跡をあきらめてたからな」
櫻井「よかった…」
下等「やつらはどうしたんだ?」
神崎「やつらなら君たちが現れる前に帰った。君たちが死んだと思ってたんだろ
うな」
櫻井「…悪将軍は?」
神崎「……あいつは…」
下等「死んだよ」
櫻井「…なあ、悪将軍がおまえの親父って…本当かよ?」
下等「ほんとだ」
櫻井「…いつから知ってたんだよ?」
下等「初めて会った時から…もしかしてって思ってた」
櫻井「じゃあおまえ…ライトパウアーの作戦のとき、自分の父親を殺そうと思っ
てたのかよ?」
下等「自分の父親だからこそ…自分で終わらしたかった」
櫻井「…なんで教えてくれなかったんだ?」
下等「オレの親父って知ったら、おまえは殺すことを余計に躊躇すると思った」
櫻井「…そっか…」
神崎「…川上のことをかばうわけではないが…あいつは君を守るために戦い続け
た。それだけは知っておいてくれ」
櫻井「下等を…守るため…」
下等「オレももう少し早くそれがわかってたら…」
櫻井「わかってたら?」
下等「…なんでもねえ」
神崎「そろそろ…今後のことを話そう」
神崎「君たちがこれからすべきこと…それについて話そう」
下等「その前に…親父は…悪将軍はもう死んだんだ。ショッカーもこれでもう終
わりだろ?」
神崎「それがだな…やつらはまだなにかをするつもりだ」
櫻井「…いったいなにを?」
神崎「さあな」
下等「部長は?」
神崎「まだやつらに捕まってる」
櫻井「じゃあオレたちがこれからやることは部長の救出、それでいいんですか?
」
神崎「…違う」
櫻井「じゃあ、グリーンやら158さんとかを倒すこと?」
神崎「…違う」
下等「じゃあ…いったいなにを…」
神崎「逃げるんだ、オレたちの手が届かないところに…」
櫻井「どういう…ことですか?」
神崎「言葉通り、逃げろ、いますぐ」
下等「…どうして?」
神崎「悪将軍が…川上が死んだいま、やつらにとって君たちはもはやただの邪魔
者だ。やつらはすぐにでも君たちを殺しに来るぞ」
櫻井「でも…やつらはオレたちが死んだと思ってるんじゃ…」
神崎「爆発当時はな。でも忘れたか?やつらには居場所がわかる適合者がいると
いうことを」
櫻井「でも…」
下等「部長を見捨てて逃げろって言うのかよ!?」
ゼロ「そういうことだ」
櫻井 下等「「!!!!」」
神崎「もう来やがったのか…」
ゼロ「きゅうに反応が現れたからまさかと思ったが…そのまさかだったな」
下等「おまえか?居場所がわかる適合者っていうのは?」
ゼロ「…まあ…そういうことだ。オレたちはいつでもおまえらを殺せる」
櫻井「………」
ゼロ「だから逃げろ、オレたちの目が届かないところへ」
下等「…逃がしてくれるのかよ?」
ゼロ「今回だけはな」
櫻井「…だってよ、どうする?」
下等「いや、よく考えてみろ。オレたちは3人、向こうは1人だけ…やるならい
まだ」
ゼロ「違うな」
レッド「…2対2だ」
櫻井「えっ…」
下等「神崎さん?」
レッド「すまない…薫の命がかかってるんだ…」
櫻井「そんな…」
下等「ここは…素直に逃してもらおう…」
ゼロ「言っておくが…今度会った時はおまえらを殺す、おぼえとけ」
下等「ご忠告どうも」
神崎「…なんのつもりだ?」
ゼロ「……さあな。それより、オレといっしょに来い」
神崎「…どこに連れて行く気だ?」
ゼロ「神崎薫に会わせてやる」
櫻井「これからどうする?」
下等「とりあえず…佐藤に電話して会おう、森ちゃんもいっしょだろうし…」
櫻井「それもそうだな。佐藤さんたちにもオレたちが生きてるってことを知らせ
ておきたいし」
下等「よっしゃ、感動の再会を果たすか」
公園
森「………」
佐藤「………」
櫻井「生きてました、オレたち」
森「なんか…しぶとすぎじゃないですか?櫻井先輩といい、下等先輩といい…ゴ
キブリ並みにしぶといですよね?」
下等「一応感動の再会なんだからゴキブリとか言わないで」
佐藤「…生きてるうちに籍入れよ?櫻井」
櫻井「このタイミングでプロポーズ?」
佐藤「だって…感動の再会だし…」
櫻井「そうだけどさ…。なんで軽くギャグテイストなの?感動の再会なのに」
森「そんなものコロコロ変わるんですよ、作者の気分で」
櫻井「…まあ、とりあえずなにがあったか話すよ」
佐藤「………」
森「未来に行く能力?」
下等「そう、それでなんとか助かった」
森「でも狙われてるんですよね?やつらから」
櫻井「そう、それでさっきゼロに会った」
下等「でも逃してくれた」
森「…どうして?」
櫻井「さあ?」
佐藤「…ねえ」
櫻井「なに?」
佐藤「悪将軍が…下等の父親って…」
下等「ほんとだ」
佐藤「………」
櫻井「どうしたの?佐藤さん」
佐藤「…なんでもない…ただ…」
櫻井「ただ?」
佐藤「…なんにも知らなかったんだなって思って…」
櫻井「オレもそうだった」
森「わたしもそれを知ってたから悪将軍の息子である下等先輩は敵だと思ってた
んですが…」
櫻井「下等は関係なかった」
森「はい…」
下等「…そんなことねえよ」
櫻井「下等?」
下等「…関係なくなんてねえよ…」
森「………」
佐藤「………」
櫻井「………」
下等「…悪い、せっかくの再会をこんな空気にしちまって…オレらしくないな。
いかなる時もボケてけなされて笑いを取る、それがオレだよな?」
櫻井「…そんなことねえよ」
森「そうですよ。ボケてけなされてもべつに笑いは取れてませんから」
佐藤「うん。…森ちゃんの言う通り…ただのスベリ屋…」
下等「33話にもなってただのスベリ屋…」
佐藤「…これからどうするの?」
櫻井「逃げろって言われても…どこに逃げればいいかわかんないしから…」
下等「やつらを倒して、部長を助ける」
森「でも…居場所もわかんないんですよね?」
櫻井「だから困ってるんだよね…」
下等「いまごろ部長はなにをやってんのかねえ…」
なんか豪華な部屋
158「初めまして、薫ちゃん」
部長「…初めてのあいさつくらい覆面を取ったらどうだ?」
グリーン「今日は君に重大な報告があるから158が直々に伝えに来たんだよ」
158「いらないことはしゃべらないでください、グリーン」
グリーン「失礼」
部長「それで、報告とは?」
158「あなたのお友達の、下等勝、櫻井萍、そのふたりが死にました」
部長「!!」
158「正確に言うと、殺した、ですけどね」
グリーン「爆弾を爆発させたからね。ありゃ死ぬよ」
部長「…うそだ」
158「ほんとですよ」
部長「うそだ!!わたしは…おまえらのことなんか信じない!!」
158「そうですか…なら、入って来てください」
神崎「………」
部長「…お父さん…」
神崎「…薫…」
部長「…ほんとなの?」
神崎「…すまない、薫。…守りきれなかった…」
ここで本当のことを言うわけには…
部長「そんな…だって…あいつらは…」
グリーン「あーあ、泣いちゃった。レッドのせいだな、これは」
部長「…わたしはまた…守れなかったのか…」
神崎「………」
158「さてと、娘さんにも会わせてあげたことですし…そろそろ本題に入りま
しょう」
櫻井「どうすりゃいいんだろな、オレたち…」
下等「…どこにいようがやつらからは逃れられないだろうし。おまえの家にでも
しばらく泊めてもらおうかな」
櫻井「なんでだよ?」
下等「なるべくまとめって行動したほうがいいだろ?」
櫻井「でも、なんでオレの家なんだよ?」
下等「どうせどこにいたって変わんないし、おまえならひとり暮らしだから問題
ない」
櫻井「まあいいけどさ…」
森「それならわたしもお世話になります」
佐藤「…わたしも…」
櫻井「なんで?」
森「なるべくまとまって行動したほうがいいんですよね?」
櫻井「それもそうだけどさ…」
櫻井の家
下等「よし……トランプでもやるか?」
櫻井「腹減ったからなんか作るよ、オレ」
佐藤「…手伝う」
櫻井「いいの?」
佐藤「…手伝わせて…」
櫻井「じゃあ、一緒に作ろっか」
佐藤「…うん」
下等「…ふたり減ったか…森ちゃんは暇でしょ?一緒にトランプでもどう?」
森「暇ですけど…先輩とトランプやるくらいなら死んだほうがましです」
下等「森ちゃんはあれかな?オレとトランプやることで人生が終わるとでも思っ
てんのかな?」
森「違いますよ、先輩と関わるだけで人生終わると思ってるんですよ」
下等「オレのこと、貧乏神の一種とお思いで?」
森「そんなことよりもですね…」
下等「人を貧乏神扱いしておいて、そんなことよりもってなに?」
森「仲良くなりましたよね、あのふたり」
下等「まあたしかに…なんか急に仲良くなったな…」
森「…もしかして…あのふたり…」
下等「いや、あのふたりに限ってそれは…」
森「わたしちょっとのぞいて来ます」
下等「…じゃあオレも…」
キッチン
櫻井「それでは!!本日の献立を公表する!!」
佐藤「はい、先生」
櫻井「返事が小さい!!もっと大きな声で!!」
佐藤「はい!!先生!!」
櫻井「本日の献立はオニオンチキンタツタード、マカロニソース和えだ!!!コ
コロしてかかれ!!!さまなくば…命を落とすぞ…」
佐藤「…ゴクッ…」
下等「………」
櫻井「それでは最初に、タマネギの皮をむいてくれたまえ!!」
佐藤「はい!!先生!!」
森「………」
櫻井「脇が甘い!!それではタマネギみじん切りの作戦時にあっという間にあの
世行きだぞ!!」
佐藤「はい!!先生!!」
下等「ほらな、やっぱめちゃくちゃな展開だ」
森「はい…たしかにめちゃくちゃ…めちゃくちゃ胸がキュンキュンする展開です
ね!!」
下等「どこが?」
森「なに言ってるんですか!?これを見て胸キュンしないなんて人間じゃないで
すよ!?」
下等「大丈夫。さっきオレ貧乏神宣告されたから」
櫻井「だからそれじゃあダメだと言ってるだろ!!!」
バチン!!(櫻井が佐藤にビンタ)
佐藤「はい!!先生!!」
森「ああ、なんて胸がキュンキュンする展開なんでしょうか…」
下等「…ビンタしたのに?しかも男が」
森「なによりあのふたり…楽しそうなんですよ」
下等「ビンタされたのに?しかも女が」
森「…これ以上はあのふたりを邪魔しちゃいけませんね。部屋に戻りましょう、
下等先輩」
下等「…それもそうだな」
櫻井「ふ~、やっと部屋に戻ったか、あのふたり」
佐藤「…ビンタは酷い…」
櫻井(土下座)「すみませんでした」
佐藤「…いくら人前じゃ恥ずかしいからって…」
櫻井(土下座)「ほんとすみませんでした」
佐藤「…まあ…ダメ人間っていうのは百も承知してるからいいんだけど…」
櫻井「………」
佐藤「…それより、櫻井」
櫻井「なに?」
佐藤「…三谷のことで…話しておきたいことが…」
櫻井「そっか…三谷さんが…」
佐藤「…森ちゃんも一見元気そうにしてるけど…内心は…」
櫻井「…うん、わかった」
佐藤「…ねえ、櫻井」
櫻井「なに?」
佐藤「…ごめん。なんでもない…」
櫻井「……不安なの?」
佐藤「…うん…ほんとのこと言うと…恐い」
櫻井「…オレだって…恐いよ」
佐藤「………」
櫻井「でもそれでいいんだと思う。恐怖は生きるための本能、オレはそう思うか
ら」
佐藤「………」
櫻井「むしろ恐くたていい、恐怖で我を失ったりしないなら…」
佐藤「…うん…」
櫻井「佐藤さん…」
佐藤「…なに?」
櫻井「愛してる」
佐藤「ごめん…お肉焦げた」
櫻井「あれ?スルー?」
佐藤「うん…正直…ちょっと引いたから…」
櫻井「…ごめん」
佐藤「…それより…このお肉どうしよ?」
櫻井「下等に食わせば問題ない」
佐藤「そっか…じゃあもっと焦がそ…」
櫻井「それはやめたれ」
佐藤「…櫻井」
櫻井「なに?」
佐藤「わたしも…愛してる」
櫻井「…ほんとだ、ちょっと引くね、これは」
佐藤「………」
下等「………」
森「おいしいですね、このお肉」
櫻井「でしょ?」
下等「なんでオレのだけ焦げてるの?」
佐藤「…わたしが思い込めて焦がしたの」
下等「意図的に焦がされたお肉に込められた思いってなに?」
佐藤「…SATUI」
下等「無駄にかっけえな、オイ」
櫻井「気をつけろよ、下等。その肉、見た目の割には全然火が通ってないから」
下等「最悪じゃねえか!!」
櫻井「一回さ、みんなの能力について整理したいんだけどさ」
下等「オレは触れたものを未来に送る能力(自分も可)。ただし、10分後限定
」
森「触れたものを小さくする能力です。ただし、自分の体重以下のもの限定です
」
櫻井「そういえば…佐藤さんの能力知らないんだけど…」
森「え~と…佐藤先輩はまもるんジャーブルーですから…視力アップでしたっけ
?」
佐藤「…公式ホームページではそうなってるけど…ほんとは違うの」
櫻井「じゃあどんな能力?」
佐藤「…わたしの能力は…」
五感操作能力
五感の内、どれかひとつの感覚をより研ぎすますことができる
ただし、それを発動させてる間べつの4つの感覚はなくなる
例えば、視力を研ぎすます場合
聴覚、触覚、嗅覚、味覚
その4つの感覚がなくなる
そのリスクは大きい
だからあまり使わなかった
だけど、リスクが大きい分
その効果は絶大である…
がゆえに…
森「五感操作能力ですか?」
佐藤「…そう」
櫻井「なんかこれまた凄そうな能力だね」
佐藤「…もっと褒めて///」
テレビ局
ディレクター「生放送本番!5秒前、4、3、2、1…」
アナウンサー「おはようございます、朝のニュースです」
ドカアアアアアアアアアン!!!!!!!!!
ディレクター「な、なんだあ!?」
悪将軍「朝早くからすみませんねえ」
アナウンサー「あ、悪将軍!?」
悪将軍「放送ジャック…させてもらいます」
悪将軍『レッドに告ぐ!!今すぐこのテレビ局に一人で来い!!さも
なくば…娘の命はないと思え』
部長『………』
佐藤「…部長」
森「悪将軍は…死んだはずじゃ?」
下等「…グリーンだ、おそらく」
佐藤「…どうするの?」
下等「聞くまでもねえだろ、そんなこと」
櫻井「助け出す、絶対に」




