悪の手先も所詮は悪
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12月30日
鈴が死んだ
いや、殺された
神崎「…すまない。オレの実力不足だった」
川上「…謝るなよ」
そのことを神崎は知らない
神崎「…すまない」
川上「謝るな!!!」
神崎「………」
川上「…おまえのせいじゃない」
悪いのはあいつら…そして…オレ自身
だけど…
赤ちゃん「…ば…」
憎しみさえあった
これに罪はない
それはわかっているのに
川上「…すず」
オレはおまえに
なにをしてやれたんだ?
おまえのために
なにができるんだ?
神崎「…鈴からおまえに手紙だ」
鈴の遺書
神崎に預けておいたらしい
神崎「言っとくがオレは読んでないぞ」
川上「…こんなの残されてもな…」
神崎「読めよ、絶対」
まず、この遺書を書くにあたって
ひとつ決めたことがある
絶対に
おまえに謝らないことだ
川上「…なんだよ、それ」
わたしの生き方を
おまえにとやかく言われたくない
川上「わがままなやつ…」
ミュージシャンになって
生きた証を残すことが夢だった…
だけどそれは、あんたと結婚したせいでできなくなった
川上「オレのせいかよ…」
責任とって
最後のわがまま
聞いて…
川上「いいよ…おまえのためなら…なんでも」
わたしは母親になって
夢をかなえた
たったひとつの小さな命を残したの
川上「………」
おねがい…
あなたに父親になってほしい
わたしの生きた証を
未来につなげてほしい
川上「…うん、わかったよ、鈴」
幸せだった
あなたといれて
川上「オレも…幸せだった」
だからまた、プロポーズして…
今度は…待たせたりなんかしないから
川上「するよ…絶対」
ありがとう
わたしのこと
愛してくれて
川上「オレも…ありがとう…」
鈴
おまえの願い
絶対に叶える
絶対に守ってみせる
なににかえても…
神崎「名前…決まったのか?」
川上「勝にしようと思う」
シングルファザー
わかってはいたが大変だった
でも…
勝「ぱぱ~あ」
子供の笑顔は核融合にもまさる
そんなことを確信させるものがあった
そして…6年の月日がたった
神崎「おまえひとりで子供を育てるって聞いたときはどうなることかと思ったが
…人間なせばなるもんだな」
川上「まあな…。それよりおまえ、医者辞めたんだって?」
神崎「ああ…ちょっと…医学に限界を感じてな…」
川上「どうする気だ?」
神崎「政治家になるよ…」
川上「そっか…なれるよ、おまえなら余裕で」
神崎「で…おまえの方はどうなんだよ?」
川上「…さあ…どうなんだろうな…」
神崎「どうあんだろうなってなんだよ?」
川上「なあ、大切なひとのためならおまえ…なにをする?」
神崎「なんでもする、オレなら」
川上「…それが許されなくても?」
神崎「関係ねえよ、そんなこと」
川上「そっか、そうだよな…。勝のこと、頼んだぞ」
神崎「川上?」
それで、どうすんの?
川上「やるしかないだろ、息子を人質にされたら」
そりゃそうだ、勝君が殺されるのを黙って見てるわけにはいかないもんね…奥さ
んのように殺されるのを…
川上「…クソ野郎が…」
君にはこれを渡さなくちゃな
川上「なんだ、このセンスのない仮面は」
川上誠の名は捨てな
いまからおまえは
悪将軍だ
下等「答えろよ!!……親父…」
櫻井「えっ…」
オレは…
下等「いったいなんのためにこんなことやってんだよ!?」
どうすればいいんだ…
下等「答えろよ!!!」
どうすれば…おまえを守れるんだ?
下等「答えなかったら…オレは撃つぞ」
鈴…おまえは…オレのこと怒ってるかな…
櫻井「ど、どういうことだよ!?」
いや、あきれてるよな…
下等「…こんなことやって…許されるとでも思ってんのかよ?」
いままでたくさんのひとの人生を狂わせたんだ
許されるはずがない
そんなことは…最初から期待してない
だから…許されなくてもいい
下等「なあ、なんでだよ?言ってくれなきゃわかんねえよ!!」
だけどオレにもあるんだよ、最後のわがまま
下等「オレはあんたを…殺さなきゃいけないのかよ?」
せめて…
下等「なんでだよ…なんでだよ!!!!」
せめて伝えたい
下等「なんか言えよ…親父…」
おまえにも
悪将軍「…勝…」
愛してるって
ドカアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!
櫻井「悪将軍が…爆発した…」
下等「………」
櫻井「なんで悪将軍が…」
158「もう使い物にならないのと思い、処分させてもらいました」
櫻井「158さん?」
158「皮肉なものですね」
下等「………」
158「愛する息子を守るために戦い続けた者が、その愛する息子に殺されそう
になるなんて…」
下等「…おまえか…」
158「彼も予想だにもしなかったでしょうね、ショッカーの中に自分の息子が
いるだなんて」
下等「おまえがやらせたのか!!!!」
158「…そうですよ」
下等「ふざけんなあああああああ!!!!」
158「あまり暴れないでください」
バキッ!!
下等「グアッ!!」
櫻井「下等!!」
158「…こう見えて適合者なんですよ、わたしも」
下等「…なんで…」
158「あなたは正直邪魔でしたよ、最初から警戒心むき出しでしたから…」
下等「ちくしょう…」
158「でもこちらもうかつに手を出せなかったんですよね…あなたが悪将軍の
息子だったので」
櫻井「ちょ…ちょっと待って下さい!!どうしてあなたが!?ライトパウアーは
!?」
158「ライトパウアー?そんなもの最初からありませんよ、ねえ、グリーン」
グリーン「まあ、たしかに…」
面接官「そんなものないのと等しいな」
櫻井「面接官さんまで…」
下等「…なんのために?」
158「櫻井さんをこちら側に引き入れたかったんですが…どうやらそれはもう
無理そうですね」
面接官「終わりにしよう、もう」
158「そうですね。その前にひとついいこと教えてあげましょう」
下等「…なんだよ?」
158「ショッカーの背中についてる爆弾、あれを爆発させる権利、実はわたし
が持ってるんです」
櫻井「どうして…あなたが…」
面接官「答える義務はない」
158「さよなら、櫻井さん。これでもう終わりです」
櫻井「…な…なんだよ…それ…」
下等「櫻井」
櫻井「……これで…もう…終わりかよ…」
下等「まだ…終わってねえよ」
櫻井「下等?」
ドガアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!
158「さて…今日はもう帰りましょうか」
ゼロ「森カネテはいいのか?」
158「かまいません。彼女には利用価値ができましたから」
レッド「…待てよ」
面接官「なにか?」
レッド「川上は…悪将軍はもう死んだんだ。ショッカーもこれで終わりだろ?…
薫を解放しろ」
面接官「それは無理だな」
158「残念ながら…まだ終わってませんから」
レッド「…どうする気だ?」
158「それは…楽しみに待っててください…まもるんジャーレッド」
レッド「おまえらの目的はなんだ!?」
ゼロ「おまえが知る必要はない」
158「そうですよ。あなたは黙って…ただヒーローを演じてください、そうす
れば、薫ちゃんの命は保証しますから」
レッド「………」
すまない、川上…勝君…
オレじゃあ…なにもできない
オレは…あまりにも無力だから…
さてと…小話させてください
森「さっそくですが…御愁傷様です、先輩方」
櫻井「ダメだろ、このタイミングの小話は…」
下等「死人が普通に出て来ちゃうからな…」
森「大丈夫ですよ。ぶっちゃけ死んでませんから」
櫻井「ネタバレ…」
下等「まあ、爆発は生存フラグだしな…」
森「いや~…驚きですね、下等先輩」
下等「なにが?」
森「下等先輩の父親がなんと!!悪将軍だったなんて」
櫻井「なんやかんやでところどころでフラグは立ってたけどな」
森「まぁ、わたしもだいたい20話くらいのときには知ってたんですけどね」
櫻井「そうだったんだ…」
森「まあ、悪将軍の話はこれぐらいにして…作者はなにか言いたいことがあるそ
うですよ」
下等「…どうせろくでもないことだろな…」
作者「最近、恋愛マンガを読んだんだけどさ…」
櫻井「え?恋愛マンガの話?このタイミングで?」
森「言わせてあげてください。シリアス展開が続いて鬱憤が溜まってるんですよ
」
作者「萌えポイントとか胸キュンポイントとかおいしい展開ってあるじゃん?」
下等「まあ、そりゃああるだろ」
櫻井「なかったら恋愛モンじゃねえからな」
作者「それを読んでるとさ…思わず泣いてしまった」
下等「萌えで?」
櫻井「なんで?」
作者「ふと現実を振り返ったときのギャップで…」
下等「…いいことあるって」
作者「言っとくけどオレ、まったく涙もろくなんかないからね。マンガとか映画
とか小説とかで泣いた覚えなんかないのに…まさか萌えで泣くなんて…」
櫻井「この小説に萌えが少ない理由がなんとなくわかったな」
下等「…いいことあるって」
作者「…空気壊すけど番外編書いてもいい?じゃなきゃやってらんない」
櫻井「やめられたら主役的に困るんでどうぞ」
下等「…いいことあるって」
森「それじゃあどんな番外編書きます?」
下等「誘拐されっぱなしで最近は出番が少ない部長を出してやってほしいんだけ
ど」
櫻井「オレの扱いを雑にしないで欲しいんだけど」
森「じゃあキャスティングはわたしが決めますね」
主役 櫻井
櫻井「主役来たアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
下等「本編の主役のくせにそんなよろこぶなよ」
魔王 部長
下等「…魔王?」
戦士 森
道具屋 佐藤
下等「戦士?…道具屋?」
森「RPG風にしますから」
毒消し草 下等
下等「…毒消し草?」
森「頑張ってくださいね、毒消し草役」
下等「…具体的になに頑張るの?オレ」
森「それでは番外編、One step my life」
櫻井「…助けてください」
森「すみません…いまのわたしにはどうすることも…」
あと一歩で…オレは死ぬ…毒で
櫻井「毒消し草…探してくれない?」
森「わかりました。幸いにも村は近くにあるんで…すぐ戻ってきます」
村
佐藤(道具屋)「安いよ!!安いよ!!いまならおなべのふたが安いよ!!」
森「毒消し草ください」
佐藤(道具屋)「…毒消し草?なにそれ?」
森「どんな毒でも飲めば瞬時に治る草です」
佐藤「…わたし思うんだけどさ…」
森「どうしました?」
佐藤「…どんな毒でも瞬時に治る草なんて…存在しててもいいのかな?…」
森「そりゃあ…いいんじゃないんですか?」
佐藤「…そんな簡単に命が救えちゃったら…みんな命の価値を忘れてしまうと思
うの…。命の大切さっていうものを見失っちゃうと思うの…」
森「………」
佐藤「…そして命に感謝できなくなってね…最終的には死んじゃうの、心が」
森「………」
佐藤「…だから…毒消し草なんてそんな都合のいい草があっちゃいけないの。…
そんなこと…わたしが許さない…」
森「………」
佐藤「…というわけで…商売の邪魔になるからどいて…」
森「…はい、すみませんでした」
佐藤「安いよ!!安いよ!!いまならどんな傷でも飲めば瞬時に治す草が安いよ
!!」
森「……薬草はいいんですね…」
佐藤「今ならたった30円だよ!!」
森「あなたですよね?命の価値を忘れさせてる張本人」
佐藤「飲ませるだけで生き返る草も大量入荷したよ!!!!」
森「もう価値もなにもなくなりますよ?」
佐藤「今ならたった20円だよ!!!」
森「せめて薬草よりは高くしましょうよ」
佐藤「…そういえば…向こうの城に住んでる人が毒消し草を開発してたよ…」
森「あ、はい、ありがとうございます」
魔王の城
部長(魔王)「ふっふっふ…とうとうどんな毒でも飲めば瞬時に治す草を開発に
成功したぞ…」
下等(毒消し草)「草じゃないです、人です、オレ」
部長「社会的地位で言えば雑草だろ?」
下等「それでも生物学的には人間だよ」
森「すみませーん!!ここで毒消し草を作ってるって聞いて来たんですけど…」
部長「ああ、いまできたところだ…見るか?」
森「はい」
部長「これがその毒消し草だ」
下等「いや、だからオレは草じゃないからね」
森「おお~、これは…立派な雑草ですね」
下等「え?いまのオレ見た目が雑草なの?活字表現だからわかんないんだけど…
」
森「それで…この雑草みたいな人がほんとに毒消し草なんですか?」
下等「あ、よかった、人だった。でも雑草みたいなってなに?」
部長「ああ、こいつがいればもう毒に困ることはないぞ」
森「さっそく治してほしい人がいるんですが…」
佐藤「待った!!!」
森「道具屋さん…」
部長「やはり来たか…道具屋」
佐藤「おまえが毒消し草を使って命の価値をなくそうとしていることくらいわか
ってる。そんなこと、わたしが許さない!!」
森「人のこと言える立場ですか?」
下等「むしろ20円で人を蘇らす草を売ってるやつのほうがたちが悪い」
部長「ほんとに命の価値を守るために戦ってるのか?」
佐藤「当たり前でしょ!!毒消し草なんて世に出回ってしまってその分薬草とか
の需要が減って売り上げが下がることを阻止するためなんかじゃないんだからね
!!」
森「ただの私利私欲のためですね」
下等「番外編だからってキャラ変貌させすぎじゃねえ?」
こうして…道具屋の魔王を倒す旅は始まった
彼女にはたくさんの試練が訪れるであろう
だが、彼女はきっと乗り越えるだろう
なぜなら…売り上げがかかってるのだから…
FIN
櫻井(毒)「オレは?」
櫻井「ねえ、オレの出番は?」
森「あったじゃないですか」
櫻井「え?あれだけ?主役なのに?」
部長「ってか…なんだ?あの話」
佐藤「…道具屋のわたしが売り上げを守るべく、部長と森ちゃんと結託して毒消
し草を消す話」
下等「みんなしてオレを殺そうとする話なの?」
櫻井「だからオレは?」
佐藤「…最終的には国をあげて毒消し草抹殺の話」
下等「そこまでして殺されるほど毒消し草はなにをした?」
佐藤「…脅かした…命の価値を…」
下等「20円で人間を蘇らせれるようにしたやつがなにを言う?」
佐藤「…それと売り上げも…」
森「そっちが本音ですよね?」
櫻井「で、けっきょくオレは?」
部長「しつこい、黙れ、櫻井」
櫻井「いや、でもオレ主役…」
部長「黙れ」
櫻井「…はい…」
下等「最近オレよりひどくないか?櫻井の扱い」
森「たぶん下等先輩をいじめるのがそろそろ飽きて来たんだと思いますよ、作者
は」
下等「とうとうターゲット変更したのか…」
森「さてと…そろそろ本編に戻りましょう」




