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悪の手先の風上にも置けぬ  作者: なおほゆよ
第1章 悪の手先編
20/95

この夏よ、終わらないで Ver She

Write16



佐藤「…沖縄?」


部長「そう、沖縄」


佐藤「…行けるわけないじゃん」


ショッカーと沖縄なんて…


部長「でも沖縄はいいぞ、海は青いし」


佐藤「…興味ない」


それにわたしは…カナヅチだ


部長「顧問も来るぞ」


佐藤「…どうでもいい」


むしろ来るな


部長「それにだ、別にただの旅行じゃないぞ。ショッカーは基本的に都内、またはその近辺を襲撃してるんだが、珍しく都会とはかけ離れた沖縄を襲撃した。わ

たしはそこには特別な理由があると思うんだ」


佐藤「…特別な理由?」


部長「そう、ショッカーの目的の解明の大きなヒントになる特別な理由が」


佐藤「………」


部長「興味あるだろ?」


佐藤「…うん」


わたしは…ショッカー壊滅のためなら手段を選ばないと決めた…はずだった


わたしは迷っていた…信じれるものがなくなって


だからこそ、知りたかった


佐藤「…わたしも行く、沖縄」






メグみょん「あ、おかえり」


佐藤「…まだバイトの時間じゃないの?」


恵「そうだよね…本来ならわたしまだ働いてるんだよね…でもなぜか家でゴロゴロするハメになってるんだよね、わたし」


またクビになったんだな


そう悟ることにした


わたしの姉、佐藤恵は元々はまもるんジャーだった


でも6年前に大けがをした


そのせいで記憶とまもるんジャーの地位を失い、今は…


週三でバイトをクビになるダメ人間に退化した


自分の姉はまもるんジャーということだけがわたしの誇りだった…人には自慢できなかったけど…


そんなわたしの誇りをズタズタにしたショッカーが許せなかった


戦い始めた理由、まもるんジャーを受け継いだ理由はそんなものだったのかもしれない


6年前の話だ…あまり憶えていない


そして戦っていくうちにわたしは学んだ


自分の背中がどれだけ多くの人の命がを背負ってるのかを


ショッカーに対する憎しみは増すばかりだった…


でもわからなくなった


信じられなくなった


自分の正義というものを


自分の大好きなひとが


大嫌いなひとだったから





飛行機の中


森「沖縄っていえばあれですよね。青い海、白い砂浜、そしてヤンバルクイナ!!」


下等「青い海、白い砂浜に並ぶほどのものじゃないと思うけどね、ヤンバルクイナは」


森「沖縄に行くにあたって沖縄の名産などは調べませんでしたけどヤンバルクイナだけは徹底的に調べてきましたから」


下等「どんだけヤンバルクイナに会いたいの!?」


櫻井「………」


彼はわたしをどうするつもりなのだろうか…


わたしの命を狙っていたりするのだろうか…


いや、ショッカーが単体でわたしにかなうはずがない


それは相手もわかってるはず…


櫻井(気まずい。助けてくれ、下等)


下等(告れ、櫻井)


櫻井(なんで!?)


なにを話してるんだろ…


森(最後に勝つのは愛と正義ですよ、先輩)


櫻井(いや、おれには愛も正義もないんですけど)


どうしてそんなにも楽しそうでいられるの…


下等(おまえの気持ちを伝えればいいんだ!歌に乗せて!)


櫻井(歌!?)


あなたが、ショッカーが、どれだけ多くの人の幸せを奪ってきたと思ってるの…


森(いちいち反応する必要ないですよ、どうせつまらないボケですから。まったく…櫻井先輩といい、下等先輩といい恥ずかしくないんですか?)


櫻井 下等すんまへん


それなのに、どうしてそんなにも幸せそうにいられるの?


森(とにかく!いろいろあったけど今日は気にしない方向でってことを伝えればいいんですよ)


櫻井(了解)


櫻井「あの…佐藤さん」


気軽に話しかけないほしい


櫻井「いろいろあったけど、その…今日は気にしないでいこうよ」


この人は、なにを言っているの?


櫻井「………」


いままで奪われていった幸せを!人生を!命を!気にしないでだって!?


下等「よし、今だ!告れ!櫻井!」


櫻井「どんな暴挙だよ!!」


ふざけるな!!


佐藤「うるさい!!!」


櫻井 下等「…」


佐藤「静かにして…」


櫻井 下等「ごめんなさい」


見たくない


櫻井「………」


下等「………」


多くのものを奪い去ったのに


部長「これは先が長そうだな」


楽しんでいるあなたを





沖縄…青い海


吐き気がするくらいの青い海


そもそもせっかく陸にうまれたほ乳類なのにどうしてか、みんな好き好んで泳ごうとする青い海


理解ができない


特にクジラとかイルカにいたっては、まったくもって理解不能


部長「いい景色だろ?沖縄」


佐藤「…うん、干上がればいいのに」


部長「なんで?…それはそうと、許してやってくれくれないか?」


佐藤「…わたしを振ったことを?」


部長「違うさ…あいつらだって仕方なかったんだから…」


佐藤「…なにが?」


部長「…前に櫻井が佐藤に『もし大切な人が嫌いなひとだったらどうする』って質問したことがあるらしいな」


佐藤「…そういえば…」


あのときわたしはなんて答えたっけ…


部長「あいつらはな…だからこそ、今…こうしてる間は…幸せでいたいんだ」


佐藤「…だからこそ?」


部長、あなたは…


部長「せっかくの沖縄だ…だからせめて今日だけは…」


どうして知ってるの?


部長「いつもの5人でいたい」


佐藤「…どうして…部長が知ってるの?」


部長「まぁ、いろいろあるんだ…ただ、これだけは言っておきたい」


部長「わたしはいつでもおまえと、あいつらの…仲間だ」


『もし大切な人が嫌いなひとだったらどうする?』


わたしはなんて答えたっけ…


『その人のことをもっと知ろうとする』


そう答えたんだった…


『もしかしたら、その人のこと、好きになれるから』


櫻井「おまえ津波をなめてんのか!!!?ぶっちゃけおまえあれだろ、高さ50センチの津波って聞いたらたいしたことないじゃんって思うタイプの人間だろ!

!!?」


部長「おまえはどうしたいんだ?」


櫻井「おまえ死ぬよ!!!!人間ってこんなにも無力なんだなって思いながら死ぬよ!!!!」


佐藤「もっと知りたい、櫻井のこと…好きでいたい」


わたしも…いつもの5人でいたい


せめて…今日だけでも…


それなら…許してくれるよね?イツ兄






みなさん水着に着替えました(もちろん佐藤も)


佐藤「…水着に着替えたのはいいけど…」


部長「どうした?佐藤…大丈夫!水着似合ってるぞ!櫻井を悩殺できるんじゃないか?」


佐藤「…うん、それは知ってる…それより…じつは…わたし、カナヅチなの」


部長「…まぁ、いいんじゃないか?浜辺でも楽しめるぞ」


佐藤「…問題は…それを下等に知られたくない」


部長「…言っておくがあいつはいいやつだぞ」


佐藤「…でもカブってる、名字が」


部長「…理由はそれだけ?」


佐藤「…うん」


部長「…り、理解ができないバカだな…おまえも…」


佐藤「…それでも知られたくない、下等に…」


部長「わかったよ…なんとかする」


森「佐藤先輩!!部長!!聞きました!!?櫻井先輩ってカナヅチらしいですよ!!」


部長「カナヅチって…バカだったのか?おまえも」


櫻井「なんですか?そのカナヅチ=バカっていう方程式は?」


佐藤「…近年まれに見る希少人種」


櫻井「そんなめずらしい?カナヅチって?」


下等(いましゃべったぞ、櫻井と佐藤が)


森(部長がなにか吹き込んだんでしょうね)


部長「よし、手始めに櫻井のカナヅチっぷりを見てみよう」


櫻井「無駄ですよ、おれは海から半径10万キロメートル以上近づかないって決めてるんですから」


下等「すくなくとも日本では生きられないぞ、それだと」


佐藤「…海に飛び込むか、放り込まれるか…どっち?」


櫻井「なにが違うの!?その二択って!?」


佐藤「…心意気」


櫻井「とにかく俺は海に入りたくない!!」


下等「だ、そうです隊長。彼は放り込まれたいらしいです」


部長「了解、各自配置につけ」


櫻井「止めてくれ~!!俺はあれなんだ!海につかるとふやけて大きさが10倍になっちゃうんだ!!」


下等「どんな体内構成!?」


森「昔そういうおもちゃありましたよね」


部長「言い訳が苦しいぞ!櫻井。あきらめて深海まで沈め!」


櫻井「なんか俺に恨みでもあるの!?」


部長「ない!ただせっかく作ってやった朝飯をまずいと一蹴されたのが少しむかつくだけだ!」


櫻井「まだ根にもってたの!?あれ」


佐藤「…じゃあね、櫻井。いままで楽しかった」


下等「大丈夫だ。おまえはおれのなかで生き続けるから」


森「さよならです。とくに言い残しておくことはないです」


部長「以下同文、じゃあな、櫻井」


櫻井「ちょ、待って…」


沖縄の青い空、澄んだ海


その海に投げ込まれる彼を見て思った


あれがわたしじゃなくてよかったと…


バシャアアアアアアン!!!



下等「…沈んでいったぞ、櫻井」


佐藤「…大丈夫かな…」


森「大きさが10倍になりませんね、櫻井先輩」


下等「信じてたんだ、森ちゃん」


部長「浮いてこないな…さすがに助けにいったほうがいいな」


下等「そうだな」




櫻井救出後


部長「…大丈夫そうだな」


佐藤「…ほんとに?人口呼吸とかいらない?」


下等「必要ないだろうな」


佐藤「…ざんねん」


部長「佐藤は櫻井を見ててくれないか?」


佐藤「…わかった」


部長「わたしたちでこの辺を調べよう」


森「調べるってなにを?」


部長「じつはこの辺なんだ、8年前にショッカーが襲撃したのは」


下等「なるほどね」




一人で待っているのはなかなか暇だ…


ここで改めて櫻井を見てみる


水着姿であらわになった腹筋はうっすら割れている


わたしの好みだ


水着も薄いピンクでプリントされた小動物がアクセントになってなかなか可愛い


これもわたしの好みだ


海でぬれた髪…顔は…なかなかのイケメン


もちろんわたしの好みだ


櫻井「あれ?おれどうなったの?」


佐藤「…おぼれて死にかけてた」


櫻井「…またトラウマが増えたな…みんなは?」


佐藤「…泳いでる」


櫻井「もしかして見ててくれたの?」


佐藤「………」


櫻井「ありがとね…でもみんなと泳いでてもよかったのに…」


佐藤「…いいの…ここにいたいし…」


櫻井「…なんで?」


佐藤「…じつは……」


櫻井「……じつは?」


佐藤「…………わたしもカナヅチなの…」


櫻井「…さっきカナヅチのことを近年まれに見る希少人種って言ってなかった?」


佐藤「…いままで自分以外見たことなかったから…」


櫻井「そうなんだ…」


佐藤「………」


櫻井「………」


佐藤「…さっきはごめん……うるさいなんて言って」


櫻井「ああ、飛行機のことね。いいよ、べつに気にしてないから」


佐藤「…わたし決めたの」


櫻井「なにを?」


佐藤「…いろいろあったけど…今日は忘れる」


櫻井「そっか…ありがとう」


佐藤「…せっかくの沖縄だし…楽しまないと…」


櫻井「そうだね、楽しもっか」


森「あ!櫻井先輩起きたんですか!!いま下等先輩を割ろうとしてるんですけど、みんなで殺りませんか?」


下等「なにとんでもないこと口走ってんの!?」


櫻井「わかった!いま行く!」


部長「ほら、おとなしく割られろ、下等!」


下等「いやだ!おれの人権を尊重して!!」


櫻井「行こう、佐藤さん」


佐藤「…うん…かんぷなきまで粉砕したい、下等を」


櫻井「…もうちょっと下等に優しくしようよ」







下等「この話のタイトルがVer Sheとか書いてあるのに少しの間、佐藤が出てこない話になるが我慢してくれ」


櫻井「どうした?また水着の話か?」


下等「そう!水着の話だ!…この前俺は『水着の描写を書け』と言った。そのかいあってか今回は水着+人物像の件が出てきた…少しだけだけど…」


櫻井「よかったじゃん」


下等「うん、それはいいことだと思う…でも…でもな…なんで男!!!!!????」


櫻井「いいじゃん、そんなのどうでもさ。とりあえず俺がイケメンってわかったんだから」


下等「イケメンって言われて上機嫌になってんじゃねーよ!!!作者は男なのになんで女子のは書かねえの!!??歪んでんの!!?作者の性癖!!」


作者「そんなわけないだろ!!俺だって男の描写してるときは吐き気を感じたよ!!!」


下等「じゃあ書くなよ!!!!!!!!!」


櫻井「まぁ、そう言うなって。いいんじゃねえの?とりあえずイケメンなんだから、俺」


下等「なんか調子乗ってるぞ!!おまえ」


作者「っていうかあんまり俺を登場させるなよ、恥ずかしいだろ!言っとけどな俺は今回で4話連続で登場してんだぞ!!」


下等「ぶっちゃけ登場するしないはおまえの自由だろ!!!!」


作者「俺そろそろ帰る。読者に『また作者出てきたよ…どうせ話をまとめるのに困って登場したんだろな』とか思われたら嫌だし」


下等「けっきょく話をまとめられてないだろ!!!!」


櫻井「まあまあ、ここはおれがイケメンってことで許してあげて」


下等「なんかめっちゃナルシストキャラになってるぞ!おまえ」


作者「あ!ひとつ言い忘れてた。ダメ人間萌えっていう変わった性癖をもつ佐藤曰く櫻井はイケメンってことは世間がいうようなイケメンであるとは限らないぞ


櫻井「………」


作者「まぁ、そこんとこの解釈は読者におまかせします」


櫻井「(涙)」


下等「なんで最後に主役をがっかりさせるの!?」


作者「なんか櫻井がイケメンだとムカつくから」


下等「どんだけ歪んでんだよ!!!!おまえ」






夜 花火をすることになった



櫻井「花火ってさ、きれいだよね」


佐藤「…そうだね」


櫻井「きれいってことはさ、イケメンってことだよね」


森「…なに言ってるんですか?櫻井先輩」


櫻井「ってことはさ…花火ってイケメンなんだよね」


森「頭大丈夫ですか?」


櫻井「…おれ……花火になりたい」


森「沖縄って精神病院あるんでしょうか?」


佐藤「…わかんない」


櫻井「なんか花火を10本くらい持って振り回したら花火と同化できる気がして

きた」


森「沖縄って緊急の患者でも対応できる精神病院ってあるんでしょうか?」


佐藤「…知らない」


櫻井「ふはははは!!!楽しいよ!!森ちゃんもやってみなよ!嫌なこと全部忘れられるよ!!!」


森「なんですか?その麻薬中毒者の誘い文句は?」






アルカパ「キャハハハハ!楽しいですよ!花火を30本持って振り回すのって!」


佐藤「…あぶないよ、森ちゃん」


櫻井「あ!もうねずみ花火と線香花火しか残ってない!」


佐藤「…森ちゃん、使い過ぎ」


アルカパ「それなら今度はねずみ花火を一斉爆破しましょう!」


佐藤「…あぶないよ…やめたほうがいいよ」


アルカパ「残念ながらもう全弾着火してしまいました…さぁ、カーニバルを始めましょう!」


部長「そろそろ止めたほうがいいな」


アルカパ「さぁ、ねずみ花火よ!ねらいは下等先輩です!」


下等「なぜか全部おれの方に来てんだけど…」


櫻井「逃げないと死ぬぞ!下等」


下等「わかてる」


アルカパ「無駄です!わたしの手によって改造されたネズミ花火は超高速でターゲットを追跡します!」


櫻井「いつのまに改造したの!?」


アルカパ「どのくらい速いかというと風圧で着火した火が消えるくらいの速さです!!」


櫻井「爆発しないじゃん!!」




櫻井「線香花火…ちょうど5本」


下等「一人一つだな」


森「やっぱり最後はみんなでまったり線香花火ですね」




森「やっぱり線香花火はいいですね…」


部長「そうだな」


佐藤「あっ…落ちた…」


下等「早くない?俺まだ火もつけてないんだけど」


佐藤「…これで終わりか…」


部長「そうでもないぞ。まだ打ち上げ花火が残ってるぞ」


森「え?まだあったんですか?あ!落ちちゃいました…」


下等「え?だから俺まだ火も点けないんだけど」


櫻井「はやく点けないおまえが悪い。ちなみにおれのはとっくのとうに落ちた」


部長「さて、わたしも落ちたことだし…打ち上げ花火をやるか」


下等「おれ今火がついたとこなんだけど!」





下等「じゃあ、火を点けるぞ」


部長「筒を上から覗いてみろ、おもしろいもんが見れるぞ」


下等「あの世とか?」


シュウーー


佐藤「これで…今日は終わりか…」


思わず言葉に出てしまった


パン!!


森「たっまやーーー!!!!!」


今日が終われば、わたしは…一人になってしまう


いやだな、それは…


やばい、泣きそう


佐藤「たっっっまやーーーーーーー!!!!!!!!」


叫んで自分をごまかそうとした


でも、ごまかしきれなかった


涙が…とまらない


櫻井「また…来たいな、みんなで」


わたしもまた来たい


佐藤「また来ようよ、みんなで」


櫻井「…うん」


佐藤「…約束しよ」


わたしが差しだした、小さな小指を


強く…強く握り返してくれた


信じれる、このひとなら


だって


大好きだから






そんな小さな、そして淡い希望をいだいていたかった

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