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Misson:1 プロローグ
━━━ドーン━━━━
辺りに銃声が響いた。
焦げ臭い匂い。酸素の消費される音。真っ赤な空。
―――――そこは“戦場”だった。
燃え盛る炎の中で、いくつかの人影が動いていた。
キャンプの跡地のようで、そこかしこに、トラックや車が火を吹きながら転がっていた。簡易テントのようなものは、もうほとんど燃え付きていて、いやなビニールの匂いが、漂っていた。
火と火の間に、所々見えるのは、“人”だったものだ。
焼けて原型を留めていないが、確に人型をしていた。
炎の中を揺らめく人影は、そんなものには目もくれず、辺りを警戒しながら一ヶ所に集まった。
「もう、あらかた片付いたな。」
「ああ。こっちも終わった。」
少しの間、何かを言い合い、最後に、中心にいた人物が、通信機らしきものを取り出して、宣言した。
「作戦終了。これより帰還する。」