表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

九時までの一時

作者: ベジット
掲載日:2026/04/15

街中にある整骨院や歯医者が入った雑居ビル。

その中に、A型作業所「ルピアス」はある。

控室のドアを開ける。

まだ誰もいない。

テーブル席にリュックを下ろし、座る。

9時。仕事開始まで、まだ1時間ある。

バスの混まない時間を選ぶと、この時間になる。

早すぎるのは分かっているが、その方が楽だった。


時間があるので、地下の喫煙所に向かうためエレベーターに乗る。

半年前までは、1階の立体駐車場の前で吸えた。

だが入居者の苦情で、地下の喫煙所に変わった。

地下は空が見えず、窮屈だ。このご時世、仕方がない。

喫煙所に着く。

六畳ほどの四角い部屋。コンクリートの壁が冷たい。

パイプ椅子が六脚。入口の角を除いた三つの隅に、二脚ずつ置かれている。

入口の対角にある、奥の椅子に腰を下ろす。

タバコを吸っていると、同じ事業所の年配の男が入ってきた。

挨拶はない。

目も合わない。

彼もバスの都合で、出勤が早い。

少し早いが一服したのでじいさんをのこし控室に戻る。

控室のドアが、少しだけ開いている。

隙間から光が漏れていた。

中に、ピンクの服を着た若い女性の姿が見える。

ドアを開けると、すぐに挨拶をする。

「おはようございます」


「おはようございます」

小さく返事が返ってきた。

それ以上、会話は続かなかった。


作業開始まで、あと30分。

作業室への入室ができる時間になる。

ロッカーに荷物を入れ、辞書とノートを取り出す。

そのまま作業室に入った。


これから15時まで作業だ。

適度にがんばろうと思った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ