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ミックスブラッドオンライン・リメイク  作者: 鳥井雫
始まりの森編

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着ぐるみNPCは仮の姿だった!



 お次は用途不明な『手合せ:単数』だけど、渋々ながら猫の着ぐるみに手渡して遂行の意志を告げる。どんな結果が待ってるのか、それは割とすぐに判明した。

 その途端に、ネコの着ぐるみ……どころか、着ぐるみズ全員が立ち上がって移動を始めた。そして連れて行かれた場所は、大樹の丘の麓の拓けた空間だった。


 そこで着ぐるみ達に囲まれて、どうやら闘いの予感がヒシヒシ。その中央で待ち構えているのは、クエ依頼書を渡したネコの着ぐるみだった。

 何故か手に錆びれたサーベルと手斧を持って、どうやら相手は二刀流らしい。ってか待て、その武器どっかで見た覚えがあるぞ。


 安全地帯で放置しておいて、いつの間にか消失した俺のアイテムの一部じゃないのか? 犯人はお前かっ、その辺を追求しようとしたけど。

 ちゃうちゃうと、推定犯人(着ぐるみネコ)は盗難の事実を()れっと否定。違わないだろ、でも話が進まないので仕方無くその件は水に流す破目に。


 それよりやっぱり、今から戦闘なのね……どうやらタイマンの流れらしい。対するのはネコの着ぐるみ、二刀流のスピード戦士なのかな?

 俺が着ぐるみズの作ったフィールド内に入ると、フワッとした不可視の幕が周囲に出現した。バトルフィールドかな、それにちゃっかりファーも入り込む。



 そして闘いは唐突に始まった、ってか目の前のネコの着ぐるみが豹変した。頭部の大きな(かぶ)り物が真っ二つに割れて、本来の頭部が出現。

 それは野性的で、全体的に筋肉質の豹人間の姿だった。


 本当にいつの間にだ、しかも錆びた武器が新品の輝きを取り戻している。インチキを目の前で見た気分、そして相手がスピード戦士の推測は間違いなかった様子。

 あっという間に懐に入られて、戦闘はなし崩し的に始まっていた。オープニングヒットを相手に取られ、しかもそれが結構な威力と来たもんだ。


 しかもしかも、相手の二刀流の自然な連続アプローチが酷い。初めて二刀流使いと対戦するけど、相手にしてみるとかなり厄介だと分かる。

 スピード戦士の戦いには、両手に別々の武器使用も相性は悪くないのかも。左右の連撃が繋がると、とてつもなく(さば)くのに骨が折れる。


 とにかくまず、コイツの武器と動きのあしらいに慣れないと不味い。ついでに、完全に出遅れたこちらの強化も順次しておきたい。

 恒例の《フラッシュ》で相手を(ひる)ませて、稼いだ時間で《炎テンション》と《風属性付与》の重ね掛け。更に嫌がらせで、《Dタッチ》で暗闇のプレゼント。


 こちらは減った体力の回復だ、しかし連続の魔法使用をすると詠唱時間の間が気になるなぁ。もっと素早く連続で魔法が唱えられないモノか、MPコストは仕方がないとして。

 豹人間だが、本当の名前を“豹マン”と言うらしい。オレンジネームなので、どうやらユニーク種扱いみたいでやたらと強いのも頷ける。


 今は暗闇付与のお陰で、豹マンはやたら滅多羅(めったら)と勘を頼りに攻撃を繰り出している。そんな攻撃を、わざわざ喰らう程バカな事は無い。

 慎重に近付いて、短槍でこちらも連撃を喰らわせる。とっさに反撃を貰うけど、半分は手甲の盾でブロック。おっと、盾の使い方も練習して行かなくちゃね。


 それにしても強いな豹マン、ステータスの高さもあるのだろうが、こちらのレベルに対して標準的と言うか。久々の強敵だからそう感じるのか、ヤリ応えのある対戦相手だ。

 とにかく相手が弱体している間に、出来る限り弱らせておかないと。なんて思っていたら、不意に豹マンがこちらに正対してラッシュを仕掛けて来た。


 どうやら目晦(めくら)まし効果は切れたらしい、そして怒りの《野生ラッシュ》の爆発。思いっ切り吹っ飛ばされたのは、対レア種戦を並べてみても恐らく初かも。

 海賊船長の時は、こっちが勝手に滑り落ちたんだっけ。とにかく奴の凄いパワーを受け止め切れず、吹っ飛ばされる俺のアバター。


 HPも一気に半減、そんな俺を何の気兼ねもせず踏み付けに掛かる豹人間。着ぐるみの下の真の姿は、完全に戦闘マシーンの様で情け容赦は無し。

 こちらもごろごろ転がって逃げ、逆に癖の悪い足に斬りつけてやる。


 相手はギャンとか悲鳴を上げているので、それなりに効果はあった様子。その隙に体勢を立て直し、膝立ちになって相手を睨んでやる。

 向こうも睨み返して、再び距離を置いて対峙する2人。豹マンのHPは、ようやく3割削れた程度。こちらは回復の時間を貰えず、HPは半減以下の4割。


 ちょっと不味いな、いざとなればパウダーを使うけど。とか思ってたら、ファーが戦闘区域の隅っこにポーション瓶を用意してくれていた。

 それを見咎(みとが)めた着ぐるみNPCの1人が、何やらクレームを付けている。元気にやり返す妖精、こっちでも闘いの火蓋(ひぶた)は切って落とされるのか!?


 いやいや、体格が違うから無暗(むやみ)に喧嘩を買わないでね、ファーさん! ってか、こっちも呑気に視界の端っこを眺めている暇は無い。

 豹マンから《野生パンチ》が飛んで来て、それを辛うじて盾でブロック。しかし続いての《野生キック》で、見事に再び吹っ飛ばされてしまった。


 ところが怪我の功名、飛ばされた場所がファーの用意してくれたポーション瓶の真ん前だったと言う。思わず礼を言っての一気飲み、これで体力が6割まで回復!

 しかもそれを阻止しようと突っ込んで来た豹マンに、カウンターでの《二段突き》をお見舞い。これで体力的には逆転、相手の方が体力半減の憂き目に。

 イケイケの逆転劇に、乗っかってここから猛攻の開始だ!



 ってか、単純に体力の削り合いに移行した感じだろうか。2度目の《Dタッチ》もレジスト気味、暗闇に掛かってくれないイケズな豹人間。

 相手の必殺技の威力に関しては、直接喰らうととても不味いレベル。特に要注意なのが、物凄いパワー技の《野生ラッシュ》だろうか。


 このモードに入ったら、とにかくわき目もふらずに逃げ回る! スピード型と思ってたけど、このモードだと思いっ切りパワー戦士なのは(ずる)い!

 ちょっと卑怯だとも思わなくもないが、そのモードと斬り結ばない俺が文句を言う筋合いも無いのか。相手は息切れも早いので、そしたら懐に入って逆ラッシュ。


 何となくヒット&アウェイ戦法が身について来た、パワー型相手だと妙に()まるかも。豹人間は元がスピード型なので、たまに追い(すが)られて二刀流での逆襲に遭う。

 そんなこんなで、こちらも再び体力が危険区域に突入。


 向こうも余裕は全くない、俺と同じ程度にはHPが減っている。コイツはやっぱり足癖が悪く、不意を突かれて《足払い》で転がされたりするし。

 そこからの踏み付け技と、こっちの足への斬りつけも毎度の応酬。学習しない奴だな、畳み込まれる訳には行かないから、当然こちらも逆襲するに決まっている。


 ってか、逆に相手も尻餅をついて痛みに転がり回ってますけど。これは思わぬ効果、足への攻撃が擬似的に足払いみたいな感じで決まったのか?

 戦闘は位置取りが大事、相手より上を制すのはかなりのアドバンテージだ。俺は転がって避けたけど、豹マンはネコ科の癖にそんな行動が苦手な様子。


 どうやら両手が武器で(ふさ)がっているせいか、グランドでの動きは鈍いみたい。そこをすかさず、俺は《落とし突き》で串刺しにしてやる。

 思いっ切り体重を掛けての攻撃に、突然このバトルフィールドに異変が起きた。何と不意に訪れた、戦闘終了の合図は何ゴトだっ!?




 豹マンのHPはまだ2割程度は残っていたけど、止めを刺さないでも良かったみたい。そう言えば、殺し合いで無くて“手合せ”だったような気もする。

 なるほどね、この戦いはそんなバランスだったのか。


 いつの間にか戦闘フィールドは解除され、豹人間も元の着ぐるみに戻っていた。うむぅ、文句を言う訳じゃないけど、変わり身の早さはピカ1だな。

 しかしちゃんと、ドロップとか勝利報酬は貰えたみたいで良かった。苦労して倒した甲斐があったよ、そして無事にクエをクリア出来て本当に良かった。


 ――野蛮なサーベル 耐久7、攻+14、筋力+3

 ――野蛮な手斧 耐久7、攻+13、筋力+3


 そして貰えた武器がこれ、さっき豹人間が使ってた奴ですな。飛んで来たファーとハイタッチしつつ、お互い闘いの奮闘を(たた)え合う俺達。

 周囲の着ぐるみNPCからも、一応はおざなりな拍手が貰えた。そんな事より報酬チェック、まずはスキル2Pは強敵だったにしては少ない気もする。


 そこはまぁ、相手はユニーク種だったし仕方が無いのかな? ちなみに装備では、『野蛮な腕輪』ってなかなか良い腕装備が貰えた。

 何とステータス増加付きの、かなり性能の良い品だ。それから魔石(中)が1つと、良く分からない『豹柄のマスク』と言うアイテムも貰えた。


 マスクは装備品では無いみたい、その証拠に耐久値も防御力も記載されていない。説明文を読むと、どうやら変装用に使うアイテムらしい。

 変装用って……まさか、悪さする時に身バレを防ぐ時の用アイテム? 良く分からないので、その辺はあまり触れない様にしておこう。


 ――野生の腕輪 耐久4、防+3、筋力+6、敏捷+2


 野生の腕輪の性能はこんな感じ、筋力の上昇が凄まじい良品である。逆に耐久値と防御力に関しては、今使ってる奴の方が良いから交換にちょっと迷う。

 でもまぁ、交換だな……コッチの方が、当然ながら装備としての価値が高いし。そして最後にビックな報酬が、冒険スキル『野生』ってのを貰えた。


 これは野性に順応出来るスキルらしく、説明文によると“生肉も食べれる”ようになるらしい。どんだけ野生なんだ、ってかそれは既に野蛮ではっ!?

 まぁ使うかどうかは別として、もっと大事な案件が発生してしまった。何と今の手合せで貰えた経験値で、レベルが15へと上がってしまったのだ。


 それによって、俺のアバターがジョブチェンジ可能になったらしい。さっきから告知が(うるさ)い、そして大量に入手した新ジョブ候補のカード類。

 これでどうしろと、システムは俺にどうさせたいんだ?





 ――ってか、このソロ仕様の森の中で職替えは可能なの?








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