安全地帯に帰るまでが冒険です!
ステータスアップ消費アイテムは早速使って、鞄の中身も整理して、と。今回半壊馬車でゲットしたアイテム達は、鞄の中身とは別に割愛させて貰うとして。
新しく得た大きい容量の鞄が、早くも大活躍してくれて嬉しい限り。それでも既に中身はパンパン、収集作業でアイテム拾い過ぎ&遺跡での宝箱発見とかね。
嬉しい悲鳴なのだが、それだけに中身の整理も大変ではあった。レベルも2つ上がって、ステータスの上昇も順調&スキルPも貯まる一方だ。
また明日にでも、スキル技か魔法かを新しく取得するかな。そんな感じでステ欄を眺めていると、何か様子が……おや、片手棍スキルが生えてらっしゃる!
これは意外な成長かも、いやいや棍棒は割と片手でも扱ってたしね。むしろ遅い成長に思えてしまう、生えてもちっとも嬉しくはないけど。
他に異変は特にないかな、うん大丈夫。
装備に関しては、伸ばしてるスキルの武器以外が集まるのはもう慣れた……両手棍とか短槍って、ひょっとして素晴らしくマイナー武器なのかなぁと改めて気付いてしまった次第。
防具に関しては、新しい良品がたった一晩で増えてしまった。特に盾と靴とマント、靴とマントは予備もあるので非常に嬉しい限り。
盾も今まで使ってた、ヘロいのとは性能が大違いで即戦力である。もっとも、安全地帯に置いてある、手作りの手甲も使ってみたい気も。
両手武器の棍棒を使うなら、あっちの方が使い勝手は良い筈である。明日以降で検証かな、護衛の盾は勿体無いけど予備でも良いもんね。
それから、幸運の御守りと護りの腕輪|《硬化》の2つだけど。これは正直どうでも良い、空いた装備欄を埋めているだけの存在である。
護りの腕輪は魔法装備だけど、その肝心の魔法を発動させる土魔法を俺は覚えていない。幸運の御守りも、今更幸運値を上げてもねぇ? って感じ。
魅力値なら、また話は別だけど……段々と不安になって来た、俺のアバターの魅力の低さ。今の所NPCとの交流が無いから良いけど、街に出たら困らないだろうか?
ベテラン勢に話を聞いて、そんな不安が胸中に漂う今日この頃である。
名前:ヤスケ 初心者Lv12 種族:ミックスB
筋力 24 体力 29 HP 108(+11)
器用 26 敏捷 24(+2) MP 87
知力 20 精神 19(-4) SP 75
幸運 16(+10)魅力 7(+1) スタミナ**
職業(1):『新米冒険者』Lv12
武器(4):《ブン回し》《落とし突き》《撃ち上げ花火》《捻り突き》
補正(4):《投擲威力20%up》《》《》《》
武器:弓矢1P
:短剣1P
:短槍8P《落とし突き》
:片手棍1P
:両手棍8P《ブン回し》《撃ち上げ花火》
:盾1P
:投擲4P《投擲威力20%up》
魔法:『闇』5P《Dタッチ》
:『風』8P《風の茨》《風属性付与》
:『光』4P《フラッシュ》
種族:『ミックスB』(幸運+2、魅力-1)
称号:『蝶舞』『猪突』
モネー:36、400
スキルP:19
***『新米冒険者』ヤスケ 装備一覧***
武器 :大猪の牙の木槍(4) 攻+5
武器2:粗末な木の棍棒(4) 攻+4(両手時+6)
予備 :研ぎ直した粗末な石斧 耐久3、攻+4(投擲可)
盾 :護衛の盾(5) 防+5
頭 :犬獣人の兜(4) 防+3
上着 :質素な狼皮ベスト(5) 防+5
下着 :クールな下着(5) 防+1、耐寒+20%up
アクセ:幸運の御守り(2) 防+1、幸運+2
指輪1:耐魔の指輪(2) 耐魔20%
指輪2:契約の指輪(-) 従者+3
腕 :護りの腕輪(-) 防+0、《硬化》
ベルト:革の幅広ベルト(7) 防+5、ポーチ×4
下肢 :疾風のズボン(8) 防+7、敏捷+2
靴 :旅人の靴(12) 防+5、スタミナ減‐20%up
背中 :海賊のマント(8) 防+7、敵対+2、魅力-2
従者:妖精Lv1 幸運+6、魅力+4、精神-4
鞄:魔法の鞄(初心者用)+商人の鞄
アイテム:ポーション(大)×2、ポーション(中)×6、ポーション(小)×16
:マナポ(中)、マナポ×6、毒消し×4、マナP×3、Sポ×7
:雷、水、土、炎×2の術書、潤いの蜂蜜×7、闇の秘酒×3
:虹色の果実×4、魔石(小)×8、魔石(中)、海賊のサーベル《隠密》
:料理キット、冒険者セット《地図形成》《水中呼吸》蟷螂の大鎌
:宝珠《清き水》、緋色の頭巾、闇の眼帯、海賊の大斧、海賊の長槍
:魔除けの香炉、金のメダル×6『初級海賊』薬品箱、松脂1瓶
:剣術指南書、巨大な大腿骨《キャノンB》幽霊の呼び水
:闇の契約書、探索のコンパス、飛竜の血、闇蝙蝠の牙、闇蝙蝠の皮膜
:旅人のマント、護衛の刀、庭師のエプロン《四段突き》《秋波斬り》
:錆びれた胸当て、護衛の弓、骨の鋭利なナイフ×2、経験の飴玉×2
:初心冒険者の服・帽子・杖セット、魔法の腐葉土、銀葉樹の苗木
:壊れやすい鉢、魔水連の球根×8、淡い水瓶、大猪の毛皮、枝切り鋏
そんな感じでドロップ報酬とレベルアップの結果を眺めながら、ちょっとの時間思考に耽っていたけれど。そろそろ帰らないと、4時間縛りが発動してしまう。
そう我に返って、大急ぎで遺跡の脱出を図ってみたり。
体力も既に回復してるし、帰りは幸いにも罠は作動しなかった。そんな訳で、俺たちは断崖を後にして万全の態勢で夜の森へと辿り着けた。
後は地図を頼りに、森を一直線に進むだけ……ホクホクしながら、歩き慣れた夜の森を歩いていると。森の闇夜にこだまする、再度の狼の遠吠え。
まぁ、普通に帰り道にもモンスターと遭遇するのは当たり前だ。正直、遺跡の出口からは空ばかり気にして、ずっと緊張のし通しだったのだ。
森に入って一安心、そして雑魚との遭遇にも同じく逆にホッとしていた次第。実際にここまでの道のりも、骸骨やゾンビを退けながらの夜のお散歩気分だった。
と言うか、今夜は既にお腹いっぱいで、雑魚の経験値なんて欲しくない。そんな理由で、おざなりに敵の相手をしていて、どちらかと言えば速度重視の帰還の道だったり。
ついでに言えば、残り時間も余り無いし……って、遠吠えが段々と近付いて来たなぁ。これはもう、ロックオンされてると考えるべき?
逃げられないなら戦うけれど、もう後5分も進めば安全地帯に到着する。ダッシュして戻ろうかなどと考えていると、チラホラと藪の間から狼たちの姿が見え始めた。
これはもう、間違いなく完璧に囲まれてますねぇ……そしてその群れを率いてるのが、一際大きな体躯のレア種に間違いないボス狼と言う。
うわぁ、マジですか、今夜何匹目のレア種になるのっ!? ソイツは青灰色の毛並みと金色の瞳、狩る気に満ちたハンターの顔立ち。
もちろんそうだ、何しろ大きな群れの長なのは確定情報である。その群れの規模だが、どうやら軽く10匹以上はいそうな雰囲気でちょっと厄介かも。
相手取る敵のパターンだが、数の暴力って単純に厭らしい手段には違いない。肝心の水晶玉だが、ミミック戦でほぼ使い切ってしまっていた。
手元にあるのは、そのレア種ミミックが落とした水の水晶玉が4個のみ。取り敢えず両手棍での戦いにはなるだろうけど、一度に殲滅は無理っぽいかな。
あれこれと作戦を考えている間に、敵の群れはじりじりと包囲網を狭めて来ている。そんな時、ポーンと呑気なラインの通知音が響いて来た。
どうやら琴音かららしい、そろそろ4時間が過ぎるのでこちらの様子を窺う感じかな。こちらはそんな終了間際だと言うのに、ラインを返す暇も無いと言うね。
それにしても、オオカミの群れの遠吠えが段々と前後左右から響くようになって来た。恐らく、良いカモがいるから一斉に襲い掛かろうぜなんて連絡し合っているのだろう。
こちらとしては、順番を守ってよと思わず言いたくなるが無理だろうね。相棒の妖精は、既にいそいそとポーション瓶の設置準備を始めてくれている。
何とも頼もしい、それを見て逆に俺のヤル気は急上昇を始める始末。これは自分のための戦いじゃない、相棒と無事に明日の日を拝むための生存競争だ。
とか思っていると、不意に背後からの奇襲がやって来た。それを軽く避けて、逆に棍棒の一撃を見舞ってやる。敵は弱々しく悲鳴をあげて、思わず後退りの仕草。
さすがにレベルが上がった現在でも、雑魚の狼を一撃で倒す程の膂力は俺には無い。なので派手に多対1を作らず、じっくり仕留めて行く作戦が吉。
それをさせまいと、次々に周囲の茂みから牙を持つ獣たちが奇襲を仕掛けて来る。そして例のレア種のボス狼は、未だその姿を現さず余裕の佇まい。
腹が立つが、その内にその余裕を崩せる事を俺は知っている。雑魚を撃破して行けば、否応なく奴は俺と直接対峙せざるを得なくなる訳だ。
それまでは、精々余裕ぶっていればいい。
――初の夜中のインは、こうしてテンション高く幕を閉じるのだった。




