表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミックスブラッドオンライン・リメイク  作者: 鳥井雫
始まりの森編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/77

真夜中の洞窟探索



 その洞窟はさっきの小さな熊の巣とは、全く様相が違っていた。形容すると、断崖に亀裂のように入った裂け目とでも言おうか。

 大きくは無いが、狭い空間だとは間違っても言えない。しかも亀裂の広くなった場所では、分岐の様な別の裂け目が垣間見えていた。


 これは探索に一苦労の予感、何しろ敵の数も種類もパッと見多い。例えば、そこにも巣食っていた寝惚(ねぼ)けたクマとか、絡まり合って巣を満喫している大蛇とか。

 駆逐しながら進むので、探索に時間を取られてしまう。


 そして気付けば、この断崖に辿り着いて1時間が経過していた。残り2時間くらいか、まだあると思うかもう残り半分しかないと感じるか微妙な所。

 ここまでの探索で、倒したのはクマ×1と大蛇×2、大コウモリが少々と大ネズミをたくさん。大型のモンスターの餌になっている筈なのに、こいつ等はネズミ算式に増えている模様。


 そしてこの洞窟内で、凄く気持ちの悪いモンスターと初遭遇してしまった。それは多足の大ムカデ……見るだけでもうね、何と言うか気持ち悪い!

 リアルで嫌いな害虫が、モンスターとして大型化した姿って、もうね! それが何匹も群れていて、団子状になって巣に居座っている姿を想像して欲しい。


 とにかく近付いて来て欲しくない俺は、叩き潰して倒すを機械的に繰り返す。しかもそれを、なるべく凝視しない様に棍棒の先を使って行なう徹底ぶり。

 最後の1匹が分子になって消滅して行くのを見て、ようやくホッと息を吐き出す。


 とにかく苦手なのだから仕方ない、一度刺されて酷い目に遭った人なら分かる筈。そんな奴等の巣には、例え全部いなくなっても近付きたくは無い……んだけど。

 その中にもいっぱい収集ポイントがあるよと、呑気な妖精(あいぼう)が指差して知らせて来る。無邪気なその笑顔、恐れ知らずなその性格がある意味(うらや)ましい。


 大ムカデの主食だが、やっぱり動物性のお肉らしかった。旅人風の衣装を着ていた骸骨とか、山羊か何かの死骸が巣の中に幾つか転がっている。

 さっきのクマの巣にも、実は収集ポイントがあったのだ。そっちからは、山羊の皮とかボロの服とか、詰まらないモノを幾つか回収出来ていた。


 さっきの『装備がわんさか!』みたいな当たりポイントは、本当は滅多に無いのかもね。そう思ってポイントチェックしたところ、何と意外な収集物を幾つか発見!

 これはラッキー、いやいや巨大キメラから逃げられただけで本当に幸運なんだけど。


 ――護衛の刀 耐久9、攻+9

 ――幸運の御守り 耐久2、防+1、幸運+2


 おおっと、片手で操れる攻撃力の高い武器が出て来るとは何とラッキー。とは言え、いつもの通りにスキルを全く振ってない武器だけど。

 取り敢えずはキープかな、護衛の人には感謝である。


 もう1つは御守りなんだけど、個人的にはちょっと微妙な装備品である。いや、耐久値が低いのは別にして、数値的には全く問題は無いんだけど。

 その“御守り”を持っていた人が、大ムカデの巣でこんな成れの果てと言うのを目の当たりにした後に。それを装備するのって、かなり躊躇(ためら)われると言うか。


 更に一番奥のポイントからは、何と《秋波斬り》と言う名の片手剣スキルが。他はガラクタだらけだったけど、これだけでもお釣りが来そうな引きである。

 いや、スキルの強さは全然分からないんだけどね? そもそも秋波(しゅうは)って、確か流し目とかそんな意味じゃ無かったっけ?


 意味不明な武器スキルではある、本当にどんな効果なんだろうね? 使うつもりは無いけど、ちょっとだけ使用感は気になってしまう。

 ってか、どうやら洞窟の中は動物や昆虫の巣と、それに伴う収集ポイントが多々設置されている感じ。お隣もそうなのかな、この洞窟内は全部廻り終えたみたい。

 幸い今回も、それなりに収穫があって来た甲斐もあった。




 そして見る場所が無くなれば長居は無用、再び外に出てダッシュで隣の洞窟へ向かう。一度外から見ただけなので、洞窟の位置関係はおぼろ気にしか覚えてなかったんだけど。

 何とか次の洞窟に、敵に絡まれずに無事到着出来たっぽい。特に警戒していた、ゴブリンの集団に絡まれる事無く済んで何よりだった。


 ついでに空中からの襲撃も無く、俺たちは無事に3つ目の洞窟内へ。そしてこっちの洞窟も似たような造りと判明、探索も全く同じ感じで進んで行く。

 ところが収穫に関しては、全くの当たり無し状態が続いて行った。洞窟に巣食う敵を倒しつつ、経験値とガラクタだけが貯まって行く。


 まぁそれも仕方ない、いつも当たりを引けるなんて有り得ないし。そんな3つ目の洞窟の大きさだが、2つ目の奴とほぼ一緒だった。

 ただ1つ違ったのは、何やら訳あり気な人口の通路が1か所だけ設置されていた事。まるで坑道のような、木枠で組まれた道が真っ直ぐ奥へと続いている。


 トロッコ線路こそ無いけど、まさに炭鉱のような雰囲気の洞穴である。その発見にテンションが上がって、俺はそこを相棒と共に進んで行く。

 出て来る敵もさっきとまるで違う、骸骨やスライムが行く手を(ふさ)いで、まるで本物(?)のダンジョンのよう。そして、時々収集ポイントで見付かる鉱石たち。


 ただし鉱石は、収集品としては微妙である。最初は重いから諦めようと思ったけど、さっき大き目の鞄をゲットしたのだと思い出してからは手の平を返す俺である。

 とにかくポイントで見付かった鉱石類は、全部まとめて鞄の中へ。価値は全く分からないが、入り口で見付けたピッケルで黙々と掘って行くのであった。


 そんな感じで、俺たちは一本道の坑道を奥へと進んで行く。ファーは相変わらず、俺より先にポイントを発見しようと張り切って先を飛んでいる。

 呑気なような陽気な感じの、何とも掴み切れない性格の相棒なんだけど。そんな彼女が、慌てた感じでピュッと俺の元へと戻って来た。


 どうやら奥に何かいるらしい、出て来た雑魚は全て倒してしまった筈だけど。この奥の行き止まりが、小部屋みたいな感じになっているみたい。

 そこに何かがいるらしい、この洞窟のボス的な奴かな?



 どストレートな定番に遭遇すると、人は呆気にとられてしまうらしい。少なくとも自分はそうだった、小部屋に宝箱とそれを守護するゴーレムの配置って。

 部屋に入った俺を認知して、動き出す土塊の魔法生物は初めて見る敵かも。慌てて棍棒を構え、殴り掛かってその硬い感触に顔を(しか)める。


 これは強いと言うより、硬くて厄介なタイプかな……いやいや、準備不足な俺が悪い。コイツはレア種でも何でもない、風の付与魔法をかけ忘れていた俺が間抜けなだけである。

 案の定、魔法を付与された棍棒で殴ると、敵はメタメタの為すが(まま)。動きも遅いし、唯一の攻撃手段のパンチを避けるのは余裕である。


 取柄の堅さと体力も、魔法の付与された武器の前ではてんで話にならずに削られて行く。そんな感じで、2分と持たずにお宝の守護者は没。

 嬉しい筈の宝箱の中身との対面も、実際は中身が割とショボくてがっかり。守護者の強さから比較すると、まぁこんなモノなのかなって感じ。


 魔法が無かったら、それなりに強い敵だった筈なんだけどな。とにかくゲットしたのは、『体力の果実』と『土の術書』、それからスタミナポーション×2とポーション(中)が1個のみ。

 海辺の宝箱を体験した後では、凄く物足りないのは身勝手な我が(まま)なのかも。ってか、今までの収集ポイントで得た品物の方が良いまである。


 ちょっとだけ期待して、ファーに抜け道や隠し通路の類いは無いかと訊ねてみるも。どうも無いみたい、小首を傾げて首をフルフルと振られてしまった。

 俺の信頼する彼女が無いと言えば、もう確実に無いのだろう。





 ――残念だけど、それでは帰路に着きますか。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ