表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミックスブラッドオンライン・リメイク  作者: 鳥井雫
始まりの森編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/76

夜の狩り場に潜むモノ1



 当然だが、夜の森には他のモンスターも出現した。まずは雑魚カテゴリーに属する、大ネズミ……こいつは必ず、群れになって襲って来る。

 それ以外特記する事も無いと思っていたら、ファーがゼスチャーでコイツに嚙まれる⇒身体ブルブル⇒クラッと来てバタンQだと教えてくれた。


 何故そんな事を知っていたのかは謎だが、大ネズミに嚙まれる事で何らかの病気に感染するらしい。と言う事で、一応は噛まれない様に注意して戦闘すべし。

 それからもう1種類、コイツも初めて見た時はビックらこいた。何せ人の顔大の火の玉が、目の前の空間を浮遊しているのだ。


 名前を“人魂”と言うこのモンスター、何とこっちの通常攻撃の効きが(すこぶ)る悪い。思わず殴り掛かって、その際に判明した特性である。

 文字通りコイツとの戦闘では死に掛けて、コイツは死霊系では一番危険と判断を下した。以降は見掛ける度に、反転して戦闘を避けている次第。


 ってか、こんなモンスターを配置するの反則だろうと文句を言いたい。琴音に対処法を(うかが)おうとメールを飛ばしたら、モノの数分で返事が来た。

 どうやらこの手の特性のモンスターは、割と数いる様子との事。そして戦闘での対処法も、だいたい同じく決まっているらしい。


 まずは『魔法の武器』で攻撃する、これが定番らしい。持ってなければ、魔法そのもので攻撃……なるほど、武器が効かなくて魔法も無敵なら倒す手段が無いもんね。

 つまりは奴ら、物理攻撃に耐性があって、魔法系が弱点となっている敵らしい。武器で倒したいなら、武器に魔法を掛ける方法もあるよとの追加説明も貰えた。


 付与呪文は、大抵どの属性にも必ず1個は存在するとの事。しかも割と序盤に、出て来る確率の高い初級魔法なのだそう。

 あれっ、そう言われれば……どこかで見た様な気もする?


 そうそう、思い出した! 風魔法の《風の茨》を覚えた時に、自動で覚えた選択肢の中に確か入っていたような気がする。

 これって次の選択でも、同じように選べるのだろうか? それとも、う~ん……さっきはスルーしたが、思い切って光魔法を覚えるって手段もあるなぁ。


 何しろ今は、夜の冒険を舐めていたと思い切り反省中の身なので。ここは存分に、自己強化案を取り入れたいと思う所存(しょぞん)だが如何(いかが)だろう。

 さてさて、どっちの選択肢を取るべきだろうか?



 ――おめでとう御座います、光魔法《フラッシュ》を取得しました!

 ――おめでとう御座います、風魔法|《風属性付与》を取得しました!


 てへっ、両方取っちゃった♪ いやだって、保険と言うかスキルPも余ってたから、つい。しかし光魔法は微妙に残念だな、一応闇属性に特効は付いてるけど攻撃魔法では無いみたい。

 強烈な光で敵の目を(くら)ます魔法らしいけど、一応はダメージも出るみたい。肝心なのはゾンビや骸骨、そして人魂にどの程度ダメージを与えられるかって事。


 いや怯ませるだけでも有り難い、その為の保険だしね。残念な光魔法の引きのせいで、完全に主力に押し上げられた《風属性付与》だけど。

 コイツのMPコストは、5分効果継続で10MP使用とやや高い。


 ちなみに《フラッシュ》は、たった4MPとかなりコストは低い。さすが初級魔法である、効果もそれなりな気がするのであまり期待しない様にしよう。

 とにかくまずは、魔法を付与した武器で殴り掛かる感じで行こうかな。目眩(めくら)まし効果を期待して、開幕に《フラッシュ》を使うのも良いだろう。


 ちなみに、風魔法の自動取得は《ウインドアロー》と言う名前の魔法だった。念願の攻撃系だったので、正直かなり気持ちが揺れたんだけど。

 現在の人魂に囲まれた状況で、調子に乗って攻撃魔法⇒MPが尽きる⇒やべっ、ピンチ! ってな危険まで抱え込みたくないので却下して良かった。


 そんな訳で安全確実な付与魔法を選択した次第、我ながら理性に感謝したいと思う。そう、実は今……見事に四方を人魂に囲まれているのだ。

 これも闇雲に、人魂を見付けては逃げ回った結果である。いやいや困ったモノだ、こんな安全地帯の近くで立ち行かなくなるなんて思っても無かった。


 しかし今回の、魔法取得×2でバッチリ活路は見い出せた筈。それでは、近くの人魂をまずはタゲって新しく取得した魔法のお試しと行こうか。

 まずは棍棒を手に、挑発するようにこちらから近付いて行く。そして敵が反応したら、すかさず光魔法の《フラッシュ》を発動する!


 おおっ、何か知らないけど確かに怯んでる……ってか、結構ダメージが入ってる気が。HPが15近く削れたって事は、さっきの殴りの10発分以上の威力って事?

 さっきは本当に酷かった、武器で殴っても一律ダメージが1行進なのだ……たまに2が出て、泣きそうに感動すると言う酷いジレンマ。


 そしてお次は、やっぱり新取得の《風属性付与》された殴りの威力の確認である。うおっ、こりゃあ凄い……あっという間に敵の体力が減って行く!

 実際たった3回の攻撃で、あんなに厄介だった人魂は見事お陀仏と言う有り様。凄いな魔法って、さっきの苦戦は何だったのって思ってしまう。


 これは逆に、周囲の敵を全滅させるチャンスなのでは? ついでに色々と試してみたいのも事実、ゾンビや骸骨に対してもダメージ量は上がるのかとか。

 それから付与した武器でスキル技を撃つと、どうなるのかとかもね。幸い周囲に死霊系はまだまだ多いし、順に検証してみようかな。




 結果、ダメージは確かに増えていた……つまりは、普通に殴るのよりはって事だけど。ついでに大コウモリも、夜中は普通に森の中を飛んでいたので殴ってみる。

 やっぱり付与した武器だと、通常の殴りより3割程度はダメージが増すみたい。これは普通に良いな、戦闘の度に掛けて挑むべきだろう。


 それもこれも、魔力に余裕があればって条件付きだけど。まぁ要するに、対“魔法が有効な敵”以外にも、付与魔法は使える手段だと判明したって事。

 ついでに《フラッシュ》の効果だけど、ゾンビや骸骨にもそれなりのダメージが入る事を確認出来た。飛翔する大コウモリも良い感じでピヨってたので、要するに闇属性の敵に特効なのかも知れない。


 MPコストを考えれば、かなり使い勝手が良い魔法を手に入れた気がする。発動も素早いので、呪文を唱えている間に殴られたって事態にもなり難い。

 ただし射程は、そんなに長くないのが難点かな。


 それはまぁいいや、後は属性付与した武器でのスキル技の実験だけど。普通にダメージは増えていたのは推察通り、本当に便利な魔法である。

 これもスキルレベルが上がって行けば、ダメージ量も増して行くのかな? そんな感じで使い心地を試している内に、いつの間にか周囲の敵が枯れてしまった。


 うぬぅ、もう少し実証を続けたかったのに残念な限り……例えば、今度は短槍との相性とかね。棍棒よりは良い気はするけど、果たして武器によって違いとか出て来るのかな。

 おっと、あそこにまた1匹人魂が湧いたな。


 それでは早速、俺の実証のお相手をして貰いま……おやっ、何だかコイツ一回り大きくないか? 炎の色合いは確実に違うし、名前の色も決定的に違う。

 あの敵は本当に何だろう、レア種……とも微妙に違うっぽいんだが。本当に何だろうね、ユニークモンスターって表示がされているけど。


 困った時の琴音頼り、メールを送りつつもそのオレンジネームのユニーク種を観察してると。すぐに返信が、要するにアレはレアモンスターの一種らしい。

 黄色ネームのレア種は、スキルPと経験値が水増しされている強敵である。一方、オレンジネームのユニーク種は、文字通りユニークなアイテムをドロップしやすいとの事。


 ふむふむ、強さ的にはどっこいとの解釈でいいのかな? 琴音の追記の説明では、レア種にはもっと上の強敵が存在するらしい。

 エリアを束ねる強敵の『エリアボス』や、6人パーティが束になって掛かっても全滅する恐れがある『ユニオン』ボス等々。まぁ、そんなのには滅多に遭遇しないって話なんだけど。


 ちなみにエリアボスは朱色ネームで、ユニオンボスは赤色ネームらしい。もっともこのソロエリアでは、どちらも遭遇する可能性はほぼ無いだろうって事。

 それでもこの区分だけは、しっかりと覚えておこうかな。



 そんな訳で、ようやく正体の判明したユニーク種の人魂である。何を落とすか期待しつつ、俺はさっきと同じ戦法で挑む事に。

 本当は、いつもの投擲攻撃からスタートしたかったんだけど。それが本当に効果があるのか、実験出来ていなかったと言う笑えないオチ。


 例え試せても、別々の武器に魔法付与ってだけでMPコストが20も掛かってしまう。ちょっと重過ぎるなぁ、そう思って自粛した次第。

 まずはこちらに素直に反応してくれた、人魂ユニーク種だったけど。その後は思わぬ戦術を披露して来て、思わずビックリ仰天させられる破目に。


 何と分裂した……いや、何か人型のゴーストみたいな霧状のモノを吐き出した? それは恨みのこもった呻きをあげながら、俺に抱き付こうと両手を伸ばして来た。

 俺は思わず、怖気(おぞけ)と共に悲鳴を押し殺しながら、そいつに短槍で突き掛かった。そうそう、現在は色々と実験中で、今の俺の武器はお手製の短槍となっている。


 それにしても、ちょっと冗談にならない敵ではある。可愛い()ちゃんならともかく、顔の崩れた男型のゴーストに抱き付かれる演出をして来るって。

 必死に防戦する俺の姿を、何故かファーが腹を抱えて笑って見ている。余程滑稽(こっけい)に見えたのだろう、まぁその気持ちも良く分かる。


 ちなみに必死なのは、あの抱き付き攻撃に何らかのマイナス効果があると見抜いたからでは無い。ただ単に、気持ち悪かっただけだからなぁ。

 それが思い切り表情に出ていたんだろう、確かに(はた)から見たら笑えるかも。





 ――しかし意外に癖のある敵だな、これは倒すのに苦労しそう。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ