Prolog
──ゴロゴロ、ゴロゴロ
そんな雷の音と激しい水の音で、ふと意識が戻る。状況を確認することもままならず、すぐにそれは襲ってきた。
呼吸ができない。息が苦しい。水面から顔をあげようとしても、川が深いせいでまともに息を吸えない。必死に開けた口に入るのは、汚れた水ばかりだ。
ざあざあと降る雨のせいで、川の水域が上がっている。それは、神様が自分へ向かって、追い打ちを掛けてきているかのようにも思えた。
空へ向かって必死に手を伸ばし、水をかく。どうしてこんな事になったのか。記憶を遡ろうとしても、溺れたくないと必死に叫ぶ自分がいるせいで、なにもわからない。
だれか、助けて。
そう声に出すことも出来ず、ぼくは川の底へ沈んでいった。
♦︎
どこかの一室。目の前には、男が窓を開け、その縁へ体重を預けている様子が写った。その男の顔は、黒いモヤで隠されていた。
「今日から俺が、お前の師匠だ。いいか? 俺や俺の仲間以外がお前に触れようとした時は、容赦なく''殺せ''。そいつらとは絶対に話すな。感情を表に出すな。」
男は冷たい口調で淡々と話す。そして、左手の小指を前へ差し出してきた。
「これは俺とお前の約束だ。守れるか?」
…ぼくは……。
そのとき、ぐらりと視界が揺れた。目の前の光景が、消えていくように徐々に暗転していく。
意識が持っていかれる。これ以上は……
ぷつり、と糸が切れるように、ぼくは意識を手放した。
♦︎
はじめまして、凪兎です。
男の子しか出てこない作品が書きたい!思いこのお話を作ってみました。これがファンタジーなのかすらも怪しいです笑
どのくらい続くかは分かりません、私の気分次第ですねჱ̒˶ー̀֊ー́ )
主人公くんのお名前、一体なんなんでしょうね…明かされるのは何話になるんでしょうか。
挿絵なども挟んでいけたらなと思います。どんな子なのか、ぜひ想像して待っていただけると幸いです。
それではまた次のお話で〜˙ᵕ˙ )ノ゛