6 天命
「さーて、買いだしに行かねえと」
◆
「創造主シェゴルダン」
「なんだ」
「なぜ、2人は殺されたのに、男へ天罰は下らないのです?」
「奴の寿命は40だからだ」
「なぜ、姫は殺されたのに女王は生きているのでしょう?」
「それも単純、寿命が30だからだ」
「なぜあの人間を、老衰まで生かすと定められたのですか?」
「不満か」
「ええ……20年前、まだ14の少年は邪神にそそのかされ、勇者に討伐される憐れな末路でした」
「実に愉快」
「そうですか」
「水瓶の死神、納得がいかないらしいな」
「そういうわけでは」
「目の前に在ったからだ」
「はあ……」
「下界で物を買う者は、同じ品の中からわざわざ吟味するか?」
「普通はしませんね」
「時に、我が下界の人間を誰でも一人連れてこいと言ったら?」
「それは……1番に目についた者を連行するでしょう」
「そうであろうな」
人は若くして天寿を全うできず死ぬか、何の弊害もなく老いて死ぬ。どちらに選ばれるかに差はない。
彼らは神に選ばれなかったことなど知らずに死ぬだけだ。
◆◆
「あんたを殺して私も死ぬ!」
「ぎゃー!」
キマった女に刺されそうな男。
やれやれ、今日も平和……だな!