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4 死神が来た
「お~い~」
酒場前で店も開かぬ昼から吞んだくれる男が俺を呼び止めた。
「ノンベーがよぉ」
「おやっさんいつからここに住んでるんだ~ヒック!」
「20年はいるな」
「てことは前は他のところにいたんだな~」
「思いだすなあ」
『あんたこの村出ないと明日死ぬよー』
まだピチピチの青年の俺に白い仮面をつけた黒いローブの不審者が告げた。
親も死んで店をどうするかで迷っていた俺は、いい機会と村を出る。予言通りに村が滅ぼされていた。
「あれは死神だったのかと思った」
「ほ~ん。なんで滅びたんだ」
呑んだくれは酔いが醒めたらしい。もう話に飽きている雰囲気だ。
「村のガキが邪神の封印を解いたって話だ。そのガキはどうなったか知らんが」
「なんで死神が助けてくれるんだ」
「知らねえ」