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Chapter.1ー B 地理研究部のいろは

・地理研究部のいろは C1―B

________________________________________

一年半前

「怜!帰るよ!」

「先輩待ってください!!」

夏の黄昏時に広がる夕焼け空。その下を私たちは手をつなぎ、姉妹のように、恋人のように下校したことを思い出す。

「先輩は進学先もう決めたんですか?」

無邪気でかわいい怜は悠に楽しそうに話しかけた。

「里見高校かな~」

「バレーも結構強いですよね!、でも、偏差値も確か高い、、、」

県立里見高校の女子バレー部は県大会の常連である。偏差値は65と言われており、いわゆる進学校などと呼ばれるレベルである。

「私は絶対無理ですな~、、、」

少し悲しそうに怜は話した。

「今回のテストもほぼ赤点ですよ、数学なんかとうとう18点になりましたし、、、」

「18点!?」

平然とそれを口にする怜に引け目を覚えたが、私はこう続けた。

「もし、怜が同じ高校に来れたらまたこうして二人で帰れるよね。私は怜と一緒がいいな」

怜は無言で私のことを見つめている。そして私にこう告げた。

「わかりました。絶対先輩のそばに行きます」

中三、夏の一幕。

今、怜はそれを実現させ、再び私の前でまばゆい笑みを浮かべていた。

________________________________________


「まあ、とりあえずうちの部の説明でもしようかな?せっかく来てくれたことだし。」

桃が楓と悠に向けて話しかける。

「そだね~!まずはうちらの部を知ってもらいたいし!」

怜を席に座らせ、三人は教卓の後ろに立った。

桃からの説明から始まった。

「まず、この地理研究部の主な活動は、色々なところに行ってその土地を地理的視点から考察するよ。あと・・・一応観光も?」

「でも、うちら三人しかいなかったからこれと言ってなんもやってないけどね!」

楓が突っ込む。

「そうね、私たちは毎日ここに放課後集まるけど、チリケンって感じのことはしてないね」

冷静さを取り戻した悠が落ち着いた口調で話した。

「チリケンって去年復活したばっかなんだ。しかも部活としてはついこの前再承認されたし、、、」

楓がそう話す。

「そうだったんですね、、、」

「でも。十年位前にまだチリケンがあったときの先輩たちがそういう活動してたからとりあえず話してみただけよ。」

苦笑いを決める桃

「じゃあどこか行く?」

唐突な悠の提案に一瞬空気が固まった。

「え、マジで行くの?!」

おもちゃをもらった子供のように目を輝かせた楓が悠に近寄る。

「え!いや、せっかく怜も来てくれたことだし、、、」

「確かに、4人になったら部活っぽくもなるね。」

ウキウキした声で桃が続けた。

「え、あ、いやあの、、まだ私入るって決まったわけじゃ、、、」

そんな怜の声など彼女らの耳に届くことはなかった。


お読みいただきありがとうございました。


まだまだ素人なので色々とご指摘いただければ嬉しいです。


これからもよろしくお願いいたします!

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