バスケをしていたのですが!?
「えー、この文にはまず仮定法過去完了が使われていて…」
月曜日の1時間目から、俺の大の苦手な英語でテンションはだだ下がりだった。授業中、俺はノートに推しのイラストを描くことに専念していた。
俺の個人的な美術部あるある②、ノートにアニメキャラクター等の推しのイラストを描く人が多い。(偏見)
授業をまともに受ける気がおきなかったが、それでもちらりと見てみた黒板には、訳の分からない英文がすらりと書かれている。
「今日は12月11日ですから…足して23番。23番、この文を読んで下さーい。」
うわ出たよ。日にちで当てる。これって出やすい数字、出にくい数字があって不平等じゃない??
「Going into space was a frightening experience for me. But…」
出席番号23番のドロシーが読んでいた。ドロシーは母がイギリス人なためか、物凄く英語の発音が良い。というか聞き取れない。(多分少しイギリス英語だから、というのもある。俺はそのへんのことはよく分からないけど。)
「if I had not been into space, I would have not learn to that.」
「流石ですね。では次のページ…」
と先生が言ったところでチャイムが鳴った。
「では、授業を終わりにします。」
「起立、礼。」
「ありがとうございましたー。」
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2時間目は体育でバスケをやった。俺の親友の神田翔馬と同じチームになれたことが嬉しかった。中学生の頃からの親友と言うのもあるし、バスケ部だからというのもある。
「こっちには翔馬がいるんだ。余裕だぜ!はっはっは〜」
「ちょ、悠人、そっちにもバスケ部いるからやめろって。ハードル上がる!!」
そんな感じだったが、俺のチームは翔馬のスリーポイントシュートのお陰でかなり優勢だった。
「ナイッシュー!!」
マークされた翔馬から俺はボールを受け取って仲間にパスをした。その時。
がんっ!!
「あっ…。」
なんと運悪く、得点板にいたドロシーの顔面に当たってしまった。
「痛っ…。…ちょっと! 痛いんですけど!」
唖然としていた俺に躊躇なくドロシーは文句を言った。そして…爆発した。
…いや、理不尽では?
俺だって当てようでして当てたわけじゃないのに…!!
でも顔面だし起こるのも仕方ないのかな……はぁ…。
そして俺はまた同じ朝を迎えた。




