放課後なのですが!?
ᝰ✍︎꙳⋆ 12月6日放課後
ふぅ、ちゃんと宿題も出せて晴れて放課後だ…。
この爆発システム(?)の良い所は、全く同じ日が繰り返されるからもう既に授業中に何を聞かれるか、とか知れることかな。
あ、というか、テストの日にテスト受けてから爆発を受ければ、テスト問題知れる状態で…あーでも朝起きるところから始まるとき、結構遅い時間に起きるから時間があんまり無いんだよなぁ。テスト問題知れたところで勉強する時間が無いし…悪足搔きでしかないよなぁ…。
そんなことを考えながら美術室に向かった。既にドロシーと、それを見つめる灰崎絵真、部長の紺野華恋(紺野先輩)がいた。
ドロシーは油絵を描いていた。油絵の具は、小学校・中学校でお馴染みの水彩絵の具やアクリル絵の具と比べて乾くのが遅い。水彩絵の具が、普通に使えば一日足らずして乾くのに対し、油絵の具は早くて3日、下手すると1週間位かかってしまう。
でもドロシーは夢中になって描いているから、乾ききってないのにキャンバスに触れてしまって手が汚くなっていた。でも彼女はそんなの気にしない。
ちらりと見てみると、彼女は猫とアンティークな小物という独特な組み合わせを写実的に描いていた。猫から目を逸らせない、そんな惹きつける力がそこにあった。アンティークな小物のどっしりとした金属感と猫のもふもふ感が対照的で好バランスだった。その間依然として俺は猫と目が合っていた。生兵法では描けない絵だった。
「すっげぇ…。」
思わず声が出ていた。
「ふふ。ありがとう。」
あの怒っているときとは同一人物かと思えない様な微笑みだった。泣きぼくろが目につく。お団子に三編みという斬新な(?)髪型にされている髪が振り向く際に少しだけ揺れて光に反射した。
「…ドロシーって、光の表現上手いよね。この金属のどっしりした感じ、影もあるけど影の中に反射光もあるっていうか……。(わざわざドロシーに何を言っているんだ?俺は)」
「ふふん、私、光を結構大事にしてるんだよね〜
気づくとは流石じゃん。」
ドロシーがドヤ顔する。そこへ
「やっほ~。 あ、ドロシーと悠人だ。」
黒瀬芽愛瑠が来た。彼女もまた、美術部員だ。
「おぉ、ドロシーの絵この前よりすごく良くなってる。」
めあるとドロシー、そして俺は同じ1-2だ。めあるとドロシーは意外にも仲が良い。
「めあるのアドバイスのお陰でもあるよ。」
「ふふん。もっと言ってくれても良いよ♡」
そんな会話の中1人じぃ〜っとこちらを見ている人がいた。




