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パーティーの始まりなのですが!?

 普段、俺はこの時期に町中でいちゃいちゃする恋人カップルを目障りだと思いながら歩いている。彼らは、俺の不興をかうためにいちゃいちゃしているのでは、という卑俗な被害妄想をする程であった。しかし、今日は全く気にならなかった。

「着いたよ。ここが私の家。」

かなり広めの庭のある洒落た家であった。

「お邪魔します。」「し、失礼します!」

絵真は少し固くなっていた。

「あ、お姉ちゃんのお友達、いらっしゃーい。」      

 これまた端麗な声で、鼻筋がくっきりとした美少年がいた。多分、弟だろう。

「あ、ヒカルいたんだ。」

「お邪魔しています。」「お、お邪魔してます。」

 絵真はドロシーの弟に目を輝かせていた。


 俺達が入った部屋には、既にめあるがいた。

「えまえまの私服可愛いー!」

「えへへ、ありがとう。」

絵真は、本当に嬉しそうであった。

「んじゃまずは、プレゼント交換といきますか!」

 ふふ、一年前のクリスマスには、まさか俺がこんなわいわいと楽しんでるとは思ってもいなかったなぁ…。

「………あ、プレゼント忘れた。」

「はあ?? 全くもう、怒人は…!!」

 やばいやばい、せっかくのこの素敵な家が…。

 ど、どうしよう。そんなぁぁあ! しかし俺の思いもむなしく爆発してしまった。

 


 …まぁ朝に戻るから元通りになるんだけど。(その時はそれが頭に無くて、無駄に必死になってしまった。はぁ。)


 

 12月23日、朝

 俺は急いで支度をし、学校へもう一回行った。今日は終業式の前日だから、大そうじをしたりだとかをして12時前には学校を出れる。

 俺はもうせっかくのパーティーと家を台無しにしないために、帰り道にプレゼントを買うことにした。とりあえず駅で適当に、可愛いらしいお店に入った。女の店員さんにあのお決まりのセリフ「彼女さんへのプレゼントですか?」と言われたので、真顔で否定したら、少し気まずくなってしまった。   

 …嘘でも、そうです。と言えば良かったのだろうか? とりあえず、もう既にラッピングされた、実用的かつ可愛らしい文房具セットを買っていった。これならめあるでもドロシーでも絵真でも、誰がもらっても大丈夫だろう。よし。


 俺はまた同じように駅に着いて、同じように会話して、同じようにドロシーの家についた。一度目はるんるん気分だったが、流石に二度目は少しうんざりした。と言うよりは何故だろう、同じ会話が繰り返されることを虚しく感じたのかも知れない。一体この「怒らせると爆発する」現象とは何なのだろうか?


「まず見せないようにプレゼントを机に置いて、全く同じ箱を被せて、音楽が止まるまで回していって誰のプレゼントがもらえるかはお楽しみ☆ってことで!」

「同じように回して行けば、全員が自分のになるか、全員が自分のじゃないのになるかの2択しかないからね、全員自分のだったらまたやろー」

 というわけで、自分のプレゼントを見せないように置いて、箱を被せた。俺には誰のプレゼントが来るだろうか…。めあるだったら、多分凄く可愛いものなんだろうということは想像つくけど、他の二人はどうなんだろう?

「んじゃ回し終えたからせーので箱開けてね! せーのっ!」

 ドロシーが言い終えると同時にめあるが嬉しそうにこう言った。

「私のは…あ、えまえまのだー!可愛い〜!!」

 絵真からのプレゼントはどうやら猫のキーホルダーだった。確かに可愛いし、何だか大人っぽいデザインのもので、絵真という感じがあまりしない。あれ? 絵真といえば、The陰キャの根暗タイプ(スーパー失礼)なのに、言われてみれば、タブレットも可愛い猫のスタンドグリップが付いてるよな…。

 …にしても、見てすぐに絵真からのだとわかるとは。めあるはどこか、勘が良いというか鋭いというか…。

「私のは、文房具セット? 誰のだろう、めある?」

「いやそれ俺の」

「えっっ」

「え?」

「悠人だし微妙なプレゼントだろうなと思ってたのに…。センス意外と良い…?」

「いや酷!! 失礼すぎない!?」

「冗談だよ〜。これで怒るなんて君もまだまだだね?」

「冗談でも酷い!!」

 いや本当に失礼過ぎません?? 俺がいつ微妙なプレゼントをあげそうな人間に見える行動をしたって言うんだ……? しかも理不尽によく怒ってるのはそっちの方だし!全く!

「えっと、俺のは…」

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