パーティーに誘われたのですが!?
「んん…?」
俺は何度も何度も目を凝らしたが、そこには全く変わらない現状があった。
家に帰って俺は、宿題を放ってスマホゲームをしていた。するとMINEの着信音が鳴ったので見てみると、
ドロシー「めあると絵真と私でクリスマスパーティーを23日にすることにしたから、もし予定が空いていたら女装して来てね〜」
ン?? WHY???
「いや何で!?」
俺は思わず叫んでしまった
淡藤悠人「何で女裝??」
ドロシー「めあるのスキャンダル予防?」
あーなるほど…??
淡藤悠人「遠慮しとく」
ドロシー「めあるが冗談だよwww って言ってた」
ドロシー「どーせ暇でしょ?」
「私の家でやるから駅集合ね」
いや、失礼だな。…まあ、暇なんだけどさ。
淡藤悠人「いや、失礼だな。」
一応、つっこんでおくことにした。ドロシーからは謎のあおりスタンプが送られてきたので、無視を決め込むことにした。
ドロシー「プレゼント交換をするから、1人につ持ってきてね。ケーキはこっちで用意するわ。」
…もうそこまで決めているのか。 流石HR委員長なだけある。
ドロシー「17時半頃にしようと思っているんだけど、どう?」
俺はOKのスタンプを送った。と、同時に俺は急に寒さを感じて布団に入った。雪がどんどんと降り積もっているのが窓から見える。これまたありきたりな表現だけど、都会の汚さとか、人工物感あふれる景色を白く美しく染めていくようだった。その中に雪だるまを 作る子供の姿があった。無邪気に笑っていた。何だか懐かしさを感じた。
☃
「ねえお姉ちゃん。何だか今日嬉しそうだね〜。良いことでもあった?」
「ふふ。 ちょっとね。」
めあるがいるからヘルシーなケーキを用意しようかなぁ。本人はその分運動するから、別にドロシーが気にしなくて良いよって言ってくれたけれど、なるべくそこに気にかけたいな。
❅❆❅
そしていよいよ12月23日
わわわ、ちょっと緊張するなあ。だ、だってドロシー様のお家に行くわけだし。…いやいや、よく考えろ。私だってみんなと同じ高1、だし。平常心でいこう。うん。
…そういえば、ドロシー様の私服ってどんな感じなんだろう。やっぱり大人っぽい感じかな。
茶色のオシャレなコートとか着てそう。ブーツはいてそう。白いマフラー使ってたりして…。
みんなで一緒に帰った日とは違い、今日は沫雪だった。駅に早く着きすぎた私は、温かな色を纏ったクリスマスツリーに触れた瞬間、脆く溶けていく雪を眺めた。
「お待たせ。」
そう言って私に声をかけたのは淡藤悠人だった。
「全く。遅いじゃないですか。」
「いやまだ待ちあわせ時間前だし。てか、お前が早すぎんだろ。まだドロシーもめあるも来てねえし。」 「あの2人は良いんです!」
「俺は駄目なの?」
「当たり前じゃないですか!!」
は?と言いたげな目で彼は私を見た。
「何というか、お互い早すぎたな。」
「寒いからコンポタージュ飲みたいです。」
「会話が成立してないんだが?」
私は悠人を完全にスルーして自動販売機へ向かおうとしたそのとき
「お待たせ〜。」
神の声が聞こえた。
「あれ、2人とも待った?」
「俺はさっき着いたところだ。」
「わ、私もだよ!」
悠人が嘘つき、と目で訴えてくるのを感じた。 「なら良かった。じゃあ行こうか。」
「え、めあるは?」
「めあるなら、もう家にいるよ。めあるは私の家知ってるから案内いらないし、めあるの家から私の家は近いけど、駅までは遠いから。」
そうして、私達はゆっくりと歩き出した。




