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冬の朝の

作者: 秋葉竹



雪をみることさえ

久しぶりで

でもほんとうに美しい世界は

無駄で汚れた人のいとなみのなかに

あると僕は知っている


そこには

夕べ食べたラーメン屋さんの

朝のゴミが出されているし


まん丸い目をしたカラスの

忌み嫌われる理由も転がる

けれどただ人類と同等の知性ゆえに


死、がおぞましいのか

土に戻ることがおぞましいのか

生まれ変わることがおぞましいのか


そこには皮肉ではなく

真っ直ぐな知性で問いかける

カラスの鳴き声が聴こえる


あたまを破ろうとする

意図もなくただ泣いているだけなのに

すべての幸せを奪い去る

ちょっとした攻撃性が隠れている

朝ガラスの心の声


飛べない人類は

鉄の塊を浮かべて

くつろぎながら空を飛んでいる気になる

神さまは、なんて、思ってんだろね?


ひとりで

充分だと

心に埋め込んだ嘘の強靭さの

あえて再確認をした

冬は寒くてダメだ

内面も外面も

くだらない命も必要な見栄も

どこにも自由に使える場所がないや


ただ、血、だけが

ながれる音がして

ゴォ、ゴォ、ゴォ、と

また僕を生かしつづけるのだろう


まだ、生きていたいのかどうかという想いは

ひとまず強く無視してしまうのが

正しい選択だと思う、冬の、朝の、闇の、奥














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