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【書籍化】庭に出来たダンジョンが小さい! ~人間は入れないので召喚モンスター(極小)で攻略します~   作者: フーツラ


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探索依頼

「水野さん、ちょっといいですか?」


 SMCも閉店という時間。段田さんが努めて軽い感じで話し掛けてきた。ついに来たか。しかし、どっちの話だろう?


「大丈夫ですよー」


 もうコロッセオで対戦しているのは一組だけだ。フロアは段田娘に任せて段田さんとスタッフルームに引っ込む。


「……水野君……」


 えっ、なになに!? そんな深刻な顔をする話題は想定してないんだけど!!


「ナンナとは、どこまで行ったんだい?」


 えっ!?


「えっ!?」


「ははは! 冗談ですよ! 水野さんもそんな顔をするんですね」


「ちょっとやめてくださいよ!」


 なんだよ。テンション高いなぁ。


「話というのは別件です。水野さんがナンナを恋愛対象として見ていないのは分かってます。親としては寂しいところですけどね……」


 ……面倒くさいな。何かあったのか、段田さん……。


「二つ、話があります。一つ目は軽い話題です」


 楠君のバンシーの話だな。


「水野さんのお友達のバンシーのショータイムですが、とりあえず土曜日のお昼にやることにしました。お母さんと相談した結果です」


「人気が出そうですね」


「ええ。本当の歌姫なので」


 サキュバス・メグちゃんとは違う! と言いたいのだろうか? まぁ、売り出す方向性は確かに違うけど。


「それで、もう一つは?」


「……ちょっと言い難いのですが」


「パブリックダンジョンの異変の件ですね」


「……やはり八乙女さんから聞いてましたか。もしかして、あちらからの依頼を受けました?」


「まさか。そんな不義理はしませんよ! その辺りは八乙女さんも分かってます」


「気を遣わせてしまいましたね。しかし、話が早いです。水野さんにはとあるパブリックダンジョンの調査に行って欲しいのです」


「とあるダンジョン……」


「ええ。青梅市の国有林にあるダンジョンです。立地が悪いので放ったらかしにされていたらしいのですが、そこにも異変が起きたらしくて」


「周囲の住人に健康被害が?」


「はい。頭痛や目眩の症状が出ているそうです」


「放っては置けませんね」


「行ってくれるんですか? 何があるか分かりませんよ?」


「そんなこと言ってたら全てのダンジョン、何があるか分からないですよ。それに、最近新しいダンジョンに飢えていて」


 これは本当のことだ。新たなダンジョン、新たな敵。これは俺やゴ治郎の望むところだ。最近はSMCと段田ダンジョン、ランダムダンジョンばかりで飽きていた。


「ふふふ。水野さんらしいですね。では、お願いするとします。ナンナと鮒田さんをよろしくお願いしますね」


「……やはり、その2人も」


「ええ。2人も新しいダンジョンに飢えていたようで」


「遊びじゃないんですけどねぇ」


「ははは! 水野さんが一番イキイキとした顔をしてますけど」


 ──バンッ! とスタッフルームの扉が開いてナンナが飛び込んできた。


「お父さん、話した?」


「快諾してもらったよ」


 快諾まではしてないぞ!


「よかった! 水野センパイと一度本物のダンジョン探索してみたかったのよね」


 そういえば召喚免許試験での人工ダンジョンしか行ったことなかったな。一緒には。


「対象のパブリックダンジョンは山の中にあります。自分達でテントを張ることになるのでしっかり準備してくださいね」


「わぁ! 楽しそう!!」


 これは俺のキャンプスキルを披露するながれか……。


 ──バンッ!! とまた扉が開いた。


「晴臣! キャンプグッズを買いに行くぞ!!」


「なんで鮒田がいるんだよ! さっきまでいなかっただろ!」


「ふははは! 鮒田不動産の情報網を舐めるなよ! 晴臣が今日、SMCに居るのは把握済みだ」


 単にバイトのシフト表を見ただけだろ……


「とにかく! 明日、キャンプグッズを買いに行くぞ!」


「行きましょう!!」


「……わかったよ」


 振り返ると、この時が最高潮だったかもしれない。


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― 新着の感想 ―
[良い点] え?なんか不穏なことでも起きそうな感じ?
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