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【書籍化】庭に出来たダンジョンが小さい! ~人間は入れないので召喚モンスター(極小)で攻略します~   作者: フーツラ


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オールスターズ

「段田さん! 一体どうなっているんですか!?」


食事にでも行っていたのか? SMCで段田さんを待つこと小一時間。やっとスタッフルームに姿を現したところを問い詰める。今回の件については鮒田の単独犯ではない。SMCオールスターズってのは段田さんも了承済み。つまり、鮒田派なのだ。


「……あの件ですね?」


「あの件です。なんですか? SMCオールスターズって」


状況を察したらしく、テーブルの下から丸いスツールを取り出して観念したように座る。


「水野さんには早い段階でお願いすべきでした。私の判断が間違ってました。申し訳ない」


うっ。こう素直に大人から頭を下げられると言葉に詰まる……。顔を上げた段田さんの顔は少々疲れていた。


「どうせ鮒田の奴に丸め込まれたんでしょ?」


店内を写しているモニターを見ると、コロッセオについてオークランドの連中にアドバイスをしている鮒田の姿がある。いい気なもんだ。なんだか、怒りがぶり返してきたぞ。


「外堀を埋めればなんとかなるって言われて……」


「ずるいですよ。あんなフライヤーまで作って。明日にはサモナーズ・フィールドのサイトでも発表されるらしいじゃないですか!」


さっきサモナーズ・フィールドのサイトを見ると、"重大発表まであと10時間10分!!"みたいな表示があった。そこでオープニングイベントの詳細が発表されるのだ。


「SMCが生き残っていくにはサモナーズ・フィールドを無視することは出来ないんです。対立軸を作って業界全体を盛り上げていくことが重要だと私は考えています」


「それはそうかもしれませんけど、俺を巻き込む必要はないでしょ?」


「いえ。水野さんは必要です。水野さんはSMCの象徴なんです!」


「そんな、大袈裟な──」


「大袈裟ではありません! 酒呑童子の騒ぎでゴ治郎は召喚モンスターでも最強の一角として知られるようになりました! 私達には旗印が必要なんです! 目指すべき強さが水野さんとゴ治郎にはある!!」


言い終わった段田さんは自分を落ち着けるように深く息を吸う。


「お願いします。協力してください」


「……分かりました。SMCを盛り上げたいって気持ちは俺も一緒なので」


「ありがとうございます!!」


立ち上がり握手を求める段田さんの手は力強い。何がなんでもSMCを存続させるという強い想いが伝わってくる。鮒田の態度には怒ってしまったが、段田さんと会話しているうちに俺の腹は決まっていた。


「ところで、SMCオールスターズってもうメンバー決まってるんですか? 俺と鮒田は入ってるとして、フライヤーを見ると3人になってましたけど……」


「あぁ、最近連勝を重ねてる新人がいるんです。水野さんとシフトが被ってないので会ったことはないかもですけど」


「バイトの人ですか?」


「そうです。今日は出勤なのでそろそろ来ると思います──」


そーっとスタッフルームのドアが開き、中を伺うような気配。俺と段田さんが熱のこもった会話をしていたから遠慮して外で待っていたようだ。


「入っていいよ」


「じゃ、失礼します。って、やっぱり水野センパイか!」


「……段田さんの娘さん?」


「はい! お久しぶりです!」


そこに現れたのは召喚免許の試験場であった女の子だった。

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[良い点] なんのモンスター使いやろか?
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