表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】庭に出来たダンジョンが小さい! ~人間は入れないので召喚モンスター(極小)で攻略します~   作者: フーツラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/121

SMC

「晴臣、今日オープンだぞ!」


講義が終わり、ゼミ部屋に寄って教授と雑談をしていた時だ。ノックもせずに入ってきたのはやはり鮒田だった。鮒田はいつも大袈裟な足音を立てて歩くので、事前に察知することが出来る。そして同じゼミの女性学生はこの足音を聞くと、露骨に嫌な顔をする。


「ノックをしろと何度言えば……」


「それどころではない! 今日、オープンなんだ!」


教授は鮒田のこのような振る舞いに慣れているので驚かない。どうぞお好きにしてくださいの境地。仕方がない。聞いてやろう。


「何の話だ?」


「SMCのことだ!」


エスエムシー? なんだ? 何かの略だろうけど全く分からない。実は知らないと恥ずかしい類のものなのか? 鮒田はさも当然のように話している。


「……あぁ、エスエムシーか」


「あぁ、じゃない! 今すぐ行くぞ!」


エスエムシーとはそんなに大切なものなのか? 未だ全く分かっていないが、鮒田の気迫におされて立ち上がる。


「すいません。失礼します」

「教授、またな!」


どこまでいっても不遜な男だ。



#



鮒田に連れてこられたのは秋葉原だ。電車を降りると電気街へ向けて迷いなく歩き始める。


秋葉原でオープンするエスエムシー? 駄目だ。さっぱり分からない。アイドルやメイドに関係する何かなのか?


「エスエムシーはこの近くなのか?」


鮒田はどんどん進んで行き、表通りから一本奥へ入った。周囲は雑多なビルが多く、デジモノを物色する人々で混み合っている。


「もうすぐだ! ちゃんとポーズは考えてきただろうな?」


ちょっと待ってくれ。ポーズってなんのことだ? エスエムシーはポーズが必要なものなのか? エス・エム・シー。S・M・C。SM? SM CLUBのことか!?


「ちょっと待て、鮒田! 俺は行かないぞ!」


「ここまで来て何を言っている! 一緒に戦おうじゃないか!」


「嫌だ! そもそも戦うってどういう意味だ!」


「そのままの意味だ! 実はエキシビションを頼まれていてな。相手になってもらうぞ!」


エキシビション!? SMクラブのエキシビションってなんだ!? 人前でやるのか?


「ほらっ、来い!」


鮒田はオーク顔負けの腕力で俺の腕を掴み、引き摺るように歩く。


「ほら、ここだ!」


ある、こじんまりとしたビルの前で止まった。見上げると2階に真新しい看板がかけてある。


『Summoned Monsters Colosseo』


エスエムシー。サモンド・モンスターズ・コロッセオ。召喚モンスターの闘技場だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] Monsterの後ろにSを付けて複数形の方が良くない?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ