表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】庭に出来たダンジョンが小さい! ~人間は入れないので召喚モンスター(極小)で攻略します~   作者: フーツラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/121

深く潜れ!

皆さん! 書籍版『庭に出来たダンジョンが小さい!』もよろしくお願いします!! ページの一番下に紹介サイトへのリンクがあります!!

 深夜帯のお客さんと入れ替わるように、俺と鮒田は段田ダンジョンの門を潜った。時間は朝8時前だ。


 庭のテントの中にはまだ先客の熱が残っている。ギチギチに食料が詰まったリュックを下ろすと、フッと身体が軽くなった。その時の表情を見られたのだろう。鮒田が「これからが本番だぞ!」と釘を刺した。


「あぁ、分かっている」


 早速、武蔵を召喚した鮒田は準備体操を始めた。ダンジョンに入る前のルーティンなのだ。鮒田はいつもこれをやる。


「ゴ治郎、来い!」


 手のひらにゴ治郎を召喚すると、神妙な顔をしている。テント内のピリついた空気を感じているのか。


「前に話した通り、段田ダンジョンの深部を目指す。今までは第三階層までしか行かなかったけれど、今回は違う。時間はたんまりある。とにかく奥に進み、転移石を探すんだ。ドクロマークのついた」


「ギギッギ!」


 自分の肩のドクロマークをチラリと見遣り、サムズアップ。気合いは充分だ。


「よし、武蔵。行ってこい!」

「ブィ!」


 鮒田の声に武蔵はツカツカと歩き出す。その少し後をゴ治郎が音もなく付いていった。


 討伐者二体によるドクロマーク探し、スタートだ。



#



 段田ダンジョン第三階層までのマップは公開されており、ゴ治郎と武蔵であれば何の問題もない。四時間ほどで踏破した。


 そして、転移石に触れて第四階層。


 ここではハイコボルトとコボルトメイジが徒党を組んで出てくる。しかし、慌てる必要はない。武蔵が正面で受け、まわり込んだゴ治郎が背後から仕留めていく。


「ブィッ!」

「ギギッ!」


 武蔵とゴ治郎は何の指示をしなくても、二体で連携をとり危なげなく進む。


 また正面からハイコボルトが三体。武蔵が魔剣を構えて前にでると──。


 ──ヒュンッ! とゴ治郎の耳元を掠めたのはコボルトメイジが放った氷の杭か? 魔剣を構えながら振り向くと増援だ。


「鮒田! 敵が増えてきた! そろそろペースを上げないと囲まれるぞ」


「よし、武蔵! 魔剣に力を込めろ」


 鮒田の指示に武蔵の魔剣がほんのり輝く。そして横薙ぎにすると三体のハイコボルトが下半身を失った。


 その様子を横目に、ゴ治郎は新たに現れた三体のコボルトメイジの背後を取る。


 ──斬ッ!! 


 蒼く輝く魔剣が一体を斬り捨てると、コボルトメイジは飛び退きながら魔法を練った。


「来るぞっ!」

「ギッ!」


 二体から同時に放たれた氷の杭がゴ治郎に迫る。しかし、遅い。一瞬で残像となったゴ治郎の体は蒼い線を残しながら、二体の間を縫うように駆けた。


 そして噴き上がる血潮。やがて死体は消えて魔石だけが残った。


「ふぅ。休む暇がないな」


「全くだ」


 テント内に視界を戻すと、鮒田が汗を拭きながらエナドリを飲んでいる。武蔵の魔剣は長い分、ゴ治郎のものより消耗が激しいのだろう。ここからの戦いは召喚者の体力がものを言うのかもしれない。


「鮒田、キツくなったら言えよ。安全地帯は転移の間だけだ。そこに辿り着くまでは交代で休むしかない」


「あぁ。分かっている。先は長いから無理はしない」


 あっという間にチョコバーを平らげ、鮒田は顔に生気を取り戻した。


「よし、晴臣! さっさと第五階層の転移石を見つけるぞ!」

 

「あぁ。夜までに転移の間に辿り着きたい。そこで仮眠をして第五階層だ。次からは新しい敵が出てくる可能性が高い。万全な状態で臨みたい」


 鮒田はゆっくりと頷く。以前なら鼻で笑いながら「心配性だな!」なんてこと言っただろう。しかし、今はそんなことはない。傲慢な性格には違いないが、ダンジョンや召喚モンスターには本気で向き合う。


「なぁ、晴臣。ドクロマークの転移石の先には何があると思う?」


「マザーを倒すぐらい強い召喚モンスターしか行けないんだ。危険な場所なのは間違いないだろう」


「危険な場所……かぁ」


 この時はまだ、ドクロマークの先を漠然と「危険な場所」としか認識していなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ