あざました!!
本日発売です!! ブクマ、評価よろしくお願いします!!
「ありがとうございました!!」
カジワラの号令により、サークルメンバーは一斉に礼をした。時計は十八時を少し回ったところ。水野ダンジョンランドの営業時間は過ぎている。
「あの、これをどうぞ」
人数分の「ゴ治郎饅頭」をカジワラに渡すと、またサークルメンバーが頭を下げた。
ゴ治郎饅頭はサービスということで水野ダンジョンランドの利用者に配ることになっている。ウチの母親と近所の和菓子屋が共同開発したそれは、緑の生地に笑うゴブリンの顔が描かれていて、あまり美味しそうではない……。なんなら、毒がはいってそう……。
「では、失礼します!!」
カジワラ達が足早に駐車場に向かうと、すぐにエンジンの音が響いた。そして、遠ざかっていく。
急に人がいなくなった裏庭。変な寂しさがある。
「お疲れ様」
「八乙女さんこそ、お疲れ様です。まさか一人三回もお代わりするとは……」
「もう、腕がパンパンよ」
エプロン姿の八乙女さんは大分疲れたようで、くたりとアウトドアチェアに腰を下ろした。
「夕飯はデリバリーにしましょう。何がいいですか?」
「うーん……寿司とピザ」
食べる気満々である。
「了解です。後片付けは俺がやっておきますから、部屋で休んでてください」
そう勧めると、勝手口から八乙女さんは家に入っていく。少し背中が丸まっている姿は疲労を感じさせる。
「ゴ治郎も疲れただろ? 戻るか?」
「ギギッ!」
肩に乗っていたゴ治郎も慣れない集団戦に疲れたようだ。ソロでダンジョンアタックをすることもなく、素直に召喚石へと戻った。
「うーぅぅ」
伸びをすると自然と声が漏れた。
うちの母親は一人でこんなことをしているのかぁ。こんな毎日だと倒れても仕方がない。休みを作るなり、パートさんを雇うなりしないと。
「よし! 片付けるか」
気合いを入れ直し、もうひと頑張りだ。
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「二人ともお疲れ様」
何処かで一杯引っ掛けてきたウチの父親が赤い顔でダイニングに現れた。昨晩の酒盛りで八乙女さんとはすっかり打ち解けたようで、気安い。
「おっ、ピザに寿司。いいねぇ。ワインと日本酒持ってくるからちょっと待ってな」
ウチの父親は食べ物に合わせて酒も変える。
冷蔵庫から日本酒と赤ワインを取り出して得意げにテーブルに置いた。最近日本酒にハマっている八乙女さんは嬉しそうだ。
「そいで、水野ダンジョンランドはどうだった? 疲れたろ?」
父親は冷酒グラスに日本酒を注ぎながら、楽しそうに言った。
「すぅぅっごく疲れました。朝からヨガやって、すぐに売店で焼きそば。ダンジョン予約の電話も来るし、饅頭の納品もあるし……。目が回っちゃいました」
そう言いながらも、八乙女さんは楽しそうだ。
「父さん、あれを一人で回すのは無理だよ。誰か雇わないと」
「うーん。まぁ、そうなんだけどなぁ。母さんは自分でやりたがってて……」
「ダメダメ! 絶対にパートさんを雇うべき!」
酒で勢い付いた八乙女さんがピシャリと釘を刺す。
「分かった……。退院したら言ってみるよ」
「それと、予約システムも入れた方がいいですよ! ウチで使ってるやつ紹介するので! カレンダーに書き込んで管理するのは無理があります!!」
「母さんに使えるかなぁ……」
「私が教えます!」
八乙女さんがグイッと飲み干しグラスを置くと、父親がさっと日本酒を注ぐ。なかなか息のあったコンビだ。
「母さんは三日後に退院する予定だから、もう少しの間、よろしく頼むよ」
「勿論です!」
お酒の力ですっかり元気になった八乙女さん。明日はすんなり起きられるのだろうか……?
俺は少し心配になりながらも、一緒になって勧められた酒を飲み、一日の疲れを癒すのだった。
もう一度! 本日発売ですから!! ブクマ、評価よろしくお願いします!!





