僕、猫、異世界
勧善懲悪が気に入らん人に刺さる物語。
愛猫を失ったばかりの時、日に焼けるまぶたに目を開けば異世界へ転移していた者、センリ。孤独だったセンリは、出会いに期待を抱く。
しかしセンリは、この世界において"灰"と呼ばれる、全ての生き物から存在を許されない何かとして転移していた。だが許される方法はひとつある。己の存在を完全に抹消することだ。"灰"とはその世界の人間にとって敵だった。ゆえに期待した出会いは相容れないことを意味し、より孤独を招いた。
センリにとって馴染んだ世界と同様新しい世界は耐え難いものだった。
センリにとって新しい世界を征服しようとする猫たちの影に、愛猫の足跡があったとしてもそれは変わらなかった。なぜなら愛猫は人間の傍に立っていたからだ。
センリが愛猫と心落ち着く状況で安らかに再会出来るまで、首を傾げずにはいられない出来事、人、元の世界にいない存在、生存競争の頂点に立つ猫に出会い、大国、大国に挟まれた国、地上に溢れる人々、地下に忘れ去られた人に訪れ、真摯な信念と誠実な思惑に振り回されて振り回す。
これがこの物語。
「あの……あれはなんですか」
「ありゃ船だな」
「船は山削りながら登るんですか」
「そりゃそうだ。なんだって船だからな」
「あの………あれは」
「知らないのかセンリ、あれは猫だ」
「ネコはしっぽ振って地面を割るのですか?」
「そりゃ……猫だからな」
愛猫を失ったばかりの時、日に焼けるまぶたに目を開けば異世界へ転移していた者、センリ。孤独だったセンリは、出会いに期待を抱く。
しかしセンリは、この世界において"灰"と呼ばれる、全ての生き物から存在を許されない何かとして転移していた。だが許される方法はひとつある。己の存在を完全に抹消することだ。"灰"とはその世界の人間にとって敵だった。ゆえに期待した出会いは相容れないことを意味し、より孤独を招いた。
センリにとって馴染んだ世界と同様新しい世界は耐え難いものだった。
センリにとって新しい世界を征服しようとする猫たちの影に、愛猫の足跡があったとしてもそれは変わらなかった。なぜなら愛猫は人間の傍に立っていたからだ。
センリが愛猫と心落ち着く状況で安らかに再会出来るまで、首を傾げずにはいられない出来事、人、元の世界にいない存在、生存競争の頂点に立つ猫に出会い、大国、大国に挟まれた国、地上に溢れる人々、地下に忘れ去られた人に訪れ、真摯な信念と誠実な思惑に振り回されて振り回す。
これがこの物語。
「あの……あれはなんですか」
「ありゃ船だな」
「船は山削りながら登るんですか」
「そりゃそうだ。なんだって船だからな」
「あの………あれは」
「知らないのかセンリ、あれは猫だ」
「ネコはしっぽ振って地面を割るのですか?」
「そりゃ……猫だからな」
190 : 猫の目
2023/10/02 06:36
191 : 天国の生き物
2023/10/27 03:19
192 : 賊
2023/11/03 00:04
戴く王の書
2024/08/09 17:37