勧めの書
無事人間へ憑依でき、教会の礼拝という難所も潜り抜けたあなたに食後の困難が訪れます。それは人間の言葉で、排泄、と呼ばれる行為のことです。ここまで潜り抜けた歴戦のあなたでもこの感覚に惑わされるでしょう。人間の生殖器の前後で感じる、この妙な感覚は一部の人間以外にとって最も普遍的なものです。
尿という、肉体の液状排泄物について。
下腹部に違和感を覚えた時、それは人間に尿意と呼ばれるものである可能性が高いです。被服がある場合、そこから生殖器を露出させてその奇妙な感覚に身を委ねましょう。すると尿という排泄物があなたの体から零れ落ちます。自分の身にかからないように注意を払うことも忘れてはなりません。人間たちは大抵の場合、排泄物を進んで触れてはならないものとしているので、好奇心に駆られて指で触ったり舐めたりしてはいけません。もし好奇心が執拗にあなたを煽るのなら、誰にも見つからない場所でそれを自由にしてやりなさい。
便という、肉体の固形排泄物について。
腹部、あるいは臀部に違和感を覚えた時、それは人間に便意と呼ばれるものである可能性が高いです。概ね尿と差異はありません。しかし注意が必要です。力む、という行為をしなければなりません。尿と同様、身にかからないように注意を払いなさい。すでに述べたように、排泄物は汚れたものとして扱う場合が大抵であるからです。
清め。
排泄を行った後、清めを行いなさい。被服をそれで汚さないのであればその地域の方法に乗っ取ってしなさい。もし清めを怠ったならば、あなたは汚れた者として集団から爪弾きにされるでしょう。
注意。
これらの感覚を無視してはなりません。それらがあなたへ優しく教えてくれているうちにその感覚に身を委ねなさい。無視をし続ければ、その感覚は牙を剝き、あなたへ痛みを伴って襲い掛かります。